取材

「シカの肉」がハンバーグになるところをみえジビエ認定工場で見せてもらった


日本全国でシカの数が増える中、シカの肉が食用肉として注目を集めています。シカの肉を使った製品を作っている株式会社サンショクの工場を見学させてもらえることになったので、シカの肉がハンバーグになるまでの一部始終を写真と動画で記録してきました。

三重県|ジビエ:みえジビエ
https://www.pref.mie.lg.jp/CHISANM/HP/foodinnovation/85482045277.htm

みえジビエ推進協議会
https://miegibier.net/

株式会社サンショク:焼豚、角煮、ローストビーフ、ハム、ソーセージ、ベーコン等、松阪牛、伊賀牛、さくらポーク、みえジビエの製造販売
https://www.sanshoku.co.jp/

野生のシカは「木材用に栽培されている木の皮を剥ぎ取り、成長を止める」「民家や畑に侵入して作物を食べる」といった獣害をもたらします。特にシカによる林業の被害は深刻で、林野庁のまとめでは日本全国の鳥獣による森林被害面積のうち62%がシカによるものとされています。このため、増えすぎたシカを減らすべく日本各地で狩猟支援制度が立ち上げられており、捕獲したシカを食用にする動きも広がっています。


三重県では野生のシカを安全かつおいしく食べるために、シカの捕獲・解体処理・加工・調理に関する「みえジビエフードシステム衛生・品質管理マニュアル」を作成しており、三重県内で捕獲されたシカのうちマニュアルを順守しているシカ肉を「みえジビエ」に認定しています。株式会社サンショクは「みえジビエフードシステム登録制度」に登録された事業者のひとつで、厳しい衛生・品質管理マニュアルに沿ってシカ肉を加工しています。今回は株式会社サンショクの「鹿肉のハンバーグ」の製造過程を見せてもらいました。

株式会社サンショクの施設は複数ありますが、シカ肉を使った製品は「伊賀上野直売所」の内部にある加工施設で作られています。伊賀上野直売所は食品関連の問屋が密集している三重県伊賀市問屋町にあります。


伊賀上野直売所の外観はこんな感じ。


入り口には「みえジビエが買える店」というステッカーが貼られていました。


内部には食品ケースが並んでいます。伊賀上野直売所では基本的に業者を対象に製品を販売していますが、中元期や歳暮期を除く第2土曜日・第2日曜日・第4土曜日・第4日曜日には一般客を対象にした販売も実施しています。


店内には「みえジビエフードシステム登録制度」に登録されたことを示す証書も掲示されていました。


シカ肉の加工現場を見学するべく、加工場に入れてもらいました。ここは牛肉や豚肉の加工に使われているエリアで、奥にジビエ加工場が用意されています。


奥の扉を通ってジビエ加工場へ移動。


もう1個扉を通ってジビエ加工室に入ります。


ジビエ加工室には食肉加工用の機械が並んでいました。これは肉をミンチ状にするチョッパーです。


これはミンチと各種材料を混ぜるミキサー。


ハンバーグ作りに使うシカ肉はこんな感じ。赤色の肉がシカ肉で、白色のものは豚脂です。


シカ肉のほかに、牛乳、ソテーオニオン、調味料入りのパン粉なども使います。


シカ肉を近くで撮影するとこんな感じ。シカ肉の別名が「もみじ」なのも納得の色合いです。シカやイノシシなどのジビエ肉には獣臭いイメージがありますが、このシカ肉からは獣臭さはまったく感じられません。みえジビエは捕獲や解体の工程で血抜きを徹底しているそうで、「血抜きが足りないことによる獣臭さ」を抑えられているというわけです。


というわけで、ハンバーグ作り開始。まず、チョッパーでシカ肉と豚脂をミンチ状に加工します。


肉をチョッパーに投入。


ミンチになって出てきます。


ミンチ状にになった肉をチョッパーにもう一度入れます。


チョッパーに2回入れることで最適な食感を実現しているとのこと


チョッパーからミンチ状のシカ肉が出てくるところの動画を撮影してみました。

シカの肉がミンチになるところ - YouTube


ミンチ状になったシカ肉をアップで撮影するとこんな感じ。


ミンチ状のシカ肉をミキサーに移します。


牛乳も投入。


ソテーオニオンも入れます。


そして、調味料入りのパン粉もドサドサッと投入。


ミキサーを作動させると、ものすごい勢いで材料が混ざっていきます。


ハンバーグの材料が混ざる様子も動画で記録しておきました。

シカ肉のミンチとハンバーグの材料が混ざるところ - YouTube


混ぜ終わったら、ミキサーから肉を回収。


規定の量ずつ丸めます。


1個ずつしっかり計量。まったくミスすることなく規定量を一発で手に取っていました。


どんどん丸められていくハンバーグのタネ。


型の上にラップを敷いて、その上に丸めたタネをセット。


ギュッと押し広げます。


ハンバーグの形になりました。


続いて、ラップで包みます。


ラップで包んだら、台車に置いて冷凍庫に運べば作業完了です。


できあがったハンバーグをパッケージングする様子も見せてもらいました。これは、パッケージの正面に貼るステッカーです。


ステッカーを包装フィルムに貼り付けます。


フィルムの中にハンバーグを入れてフタを閉じれば完成です。


「鹿肉のハンバーグ」を実際に食べる試食記事を近日中に公開予定なので乞うご期待。

・つづき
獣臭さ皆無「鹿肉のハンバーグ」&「鹿肉のつみれ」を工場で調理してもらって食べてみた - GIGAZINE

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in 取材,   生き物,   動画,   , Posted by log1o_hf

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