野生の鹿肉を肉まん・ソーセージ・キーマカレーなどで堪能できる京丹波自然工房の「京都もみじセット」試食レビュー
ハンターがさばいた鹿肉を調理して食べたところ、部位によっては食べづらいところがあるなど、ベストな状態で加工されている牛や豚とは大きな違いがありました。そこで、おいしくジビエ料理を食べられないものかと調べたところ、野生の鹿やイノシシを独自の方法で熟成・加工して良質な食肉として販売する「京丹波自然工房」という加工施設があるということなので、鹿肉お試しセットの「京都もみじセット」を注文して、おいしさを追求して加工された鹿肉を味わってみました。
京丹波自然工房|京都の鹿肉・猪肉の販売
http://www.kyototanba.net/
京都もみじセット(鹿肉のお試しセット) - 京丹波自然工房|京都の鹿肉・猪肉の販売
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「京都もみじセット」が到着しました。
内容は「鹿ソーセージ(2本)」「キーマカレースパイス」「鹿まん(2個)」「鹿ミンチ(250g)」「背ロース(約300g)」となっており、全て冷凍で届きました。
中には解凍方法が記された紙が入っており、氷水を使った方法が最も肉の品質を落とさずに素早く解凍できるとのこと。
「氷水で本当にカチカチの肉を解凍できるのか?」と疑問に思ってしまいますが、物は試し、ということでやってみることに。肉類を真空パックのままジップロックなどにいれ、氷水を張った容器につけておけばOK。ときどき様子をみて柔らかくなるまで、とのことですが、300gの薄切り肉なら15分程度で解凍できるそうです。
◆鹿まん
肉類の解凍を待つ間に、冷蔵庫に入れて解凍しておいた「鹿まん」を調理していきます。
調理方法は蒸し器・セイロを使う方法と、電子レンジの方法が記載されていました。電子レンジの調理方法は、お皿に少量の水を入れ、その上に割り箸を2本並べて鹿まんを置きます。
その上からぬらしたキッチンペーパーとラップをかぶせて加熱すればOK。加熱時間は書かれていませんが、600Wで1分ほどでちょうどよく温まりました。
できあがりはこんな感じ・
鹿まんを割ってみると、豚肉よりも濃い色合いのあんが入っており、味噌仕立てのあんの香りが食欲を誘います。
食べてみると、全くといっていいほど脂分がないため、非常にあっさりな仕上がり。コンビニでおなじみの肉まんの具の味ですが、味付けは濃いめ。肉があっさりしている反面、豚ミンチよりもかみ応えがあるため、濃い味付けでちょうど良いあんばいでした。
◆鹿ソーセージ
背ロースなどの塊は15分で解凍とはいきませんが、ソーセージは本当にあっという間に解凍できてしまいました。
鹿肉のほか、脂肪分としてか、豚肉も入っていました。
お皿に出してみるとこんな感じ。燻製の香りがふわっと香り、スーパーでちょっと値の張るソーセージといった雰囲気です。
調理方法はボイルかソテーとのことなので、1本ずつで試してみます。ボイルの場合は鍋で水を沸騰させ、火を止めて鹿ソーセージを投入し、5分待つだけ。火をつけたままボイルすると皮が破れてしまうとのこと。
ソテーの場合は温めたフライパンに油を少量ひき、なるべく弱火で鹿ソーセージを5分炒めればOK。
どちらも調理が終わりました。手前がボイルで、奥がソテーです。
まずはソテーした鹿ソーセージからパクリ。皮がパリッとしたソーセージですが、味わいはソーセージというよりジューシーなサラミに似ています。豚肉のソーセージとは違う味わいですが、臭みは全くないので何も言われなければ鹿肉とは分からなさそうです。
ボイルした方は、皮のパリパリ感は健在で、中に閉じ込められた脂肪分がジュワっと出てきます。焼いた方が塩分が凝縮されるのか味が濃いので、調理方法を変えるだけでも異なる味わいを楽しめるのはうれしいところ。
◆鹿キーマカレー
鹿キーマカレー用の鹿ミンチは、一見するとあんこのパックのよう。氷水を使った解凍方法だと1時間もかからずに完全に解凍可能でした。
専用のスパイスも付属しており、野菜などの材料と炒めるだけで本格的なキーマカレーが作れるようになっています。レシピもスパイスといっしょに入っていました。
鹿キーマカレーを作るのに必要な材料は鹿ミンチ250g、玉ねぎ(中)1~2個、トマト(中)2~3個、にんにく1~2片、しょうがひとかけ、油(あればごま油)40ml、スパイスセット1袋、水400mlです。このスパイスとレシピは「愛deer料理教室」という鹿肉を使った料理教室が考案したものということで、期待が膨らみます。
野菜はトマトのみ粗みじん切りにして、それ以外はみじん切りにします。
鹿ミンチは袋から出してもペースト状のままで、牛や豚のように粗びきではない様子。
というわけで、まずはフライパンにごま油を熱して……
鹿ミンチを投入。ミンチ肉っぽくするため、へらなどで細かくちぎっておきます。
そこに全ての野菜を投入し……
スパイスもどーん。とても本格的な香りが漂います。
混ぜ合わせていると野菜から水気が出てくるので、しばらく煮詰めます。
ほどよく水分が飛んだら、水400mlをどばどば。
この状態で20~30分間、強火で煮込んでふたたび水気を飛ばします。
30分ほど煮込むとこんな感じで、キーマカレーっぽくなりました。
ご飯といっしょに盛りつけて完成!
ルーは野菜がくたくたに煮込まれてスパイシーな香りです。
ひとくち食べてみると、野菜の甘みがじっくり感じられる反面、かなり辛口のキーマカレー。辛いものが苦手な編集部員はひとくちでノックアウトしていましたが、カレー好きの編集部員数名からは「これはウマイ」とコメントが出るほど高評価でした。スパイスのおかげで鹿肉の匂いはないものの、豚や牛とは異なる味わいと本格的なスパイスが楽しめるキーマカレーとなっています。
鹿ミンチはこんな感じで、ゴロゴロ入っていました。
◆鹿肉冷製
背ロースは氷水につけて3時間ほどで解凍できました。
背ロースはこんな感じで、表面にあまり見たことのない白い脂肪分の筋が入っています。
「一体どうやって食べるのがベストなのか……」という点については、鹿肉を使ったレシピが同梱されているのでその中から好きなものを作ることができます。今回は低温調理で作るローストビーフのような料理「鹿肉冷製」に挑戦。
まずは鍋に水を張り、1リットルに対して塩7~10g、しょうゆ少々、カレー粉少々、酒少々を入れて煮込み用のだしを作ります。
だしを75度前後に保った状態で、鹿肉を投入。温度が高くなりすぎると鹿肉が固くなるので、温度計を見ながらしっかり75度前後で温度を保つ必要があります。
1時間ほどじっくりと鹿肉をゆでます。鹿肉は生食だとE型肝炎に感染する恐れがあるのですが、60度以上で30分以上加熱するとウイルスが死滅するとのことなので、この調理方法だと安心して食べられそうです。
ゆで上がったらお湯が冷めるまで待ち、その後冷蔵庫などで鹿肉を冷まします。以下は冷蔵庫で一晩冷まし終わった鹿肉の背ロース。
カットして盛りつけるとこんな感じで、断面は赤みが残ったローストビーフのようになっていました。
鹿肉自体にはほとんど味付けされていないので、好みのたれで食べるとのこと。今回は藻塩・シーザーサラダドレッシング・ポン酢を用意しました。
まずはそのまま何もつけずに食べてみると、しっとりとして柔らかく仕上がっていますが、臭いわけではないものの、鹿独特のにおいがあるので何かつけた方が良さそう。
なお、表面にあった白い筋はゼラチンのように透き通っていました。
藻塩をつけて食べてみると、ほどよく塩気でうまみが加えられ、上品な味わいに。あっさりした味わいが好きな人に良さそうです。
シーザードレッシングだと、ブラックペッパーやにんにくなどが入っているため、匂いが気にならなくなり、クリーミーな味わいが鹿肉の冷製にベストマッチ。
ポン酢もフルーティな香りがよく合っており、馬刺しをポン酢で食べているような味わいでした。
以前にハンターがさばいた鹿肉を圧力鍋で煮込んで「鹿シチュー」にしたのですが、京丹波自然工房こだわりの精肉処理によって加工・熟成された鹿肉は全くの別モノ。今回注文したセットにはどれも「固くて食べられない」というものはなく、鹿肉を食べたことがない人でも抵抗なく食べられるクオリティを実現していました。全国に配送可能とのことなので、一度試してみて損はない内容となっています。
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