取材

狩猟体験やジビエ料理試食でハンターになる方法がわかる「狩猟の魅力まるわかりフォーラム」取材レポ


狩猟免許を保持するハンターであれば、銃やワナなどで農産物に害を与える「狩猟鳥獣」の捕獲が認められていますが、ハンターになる人が少ないことから農業への被害は年々拡大しています。そもそも「ハンターになるにはどうすればいいのか?」となるわけですが、環境省が将来の「鳥獣保護管理の担い手」となるきっかけを提供するため、現役ハンターたちに免許の取得方法を教わったり、模擬銃に触ったり、ハンティング模擬体験が可能な「狩猟の魅力まるわかりフォーラム」が開催されています。一体どのようなフォーラムになっているのか、実際に茨城県会場に行って確かめてきました。

環境省_狩猟の魅力まるわかりフォーラム
http://www.env.go.jp/nature/choju/effort/effort8/

狩猟の魅力まるわかりフォーラム 茨城県会場
(PDFファイル)http://www.env.go.jp/nature/choju/effort/effort8/schedule/pdf/h26forum_ibaragi.pdf

狩猟の魅力まるわかりフォーラム 茨城県会場の「笠間市立笠間公民館」に到着。JR水戸線笠間駅から徒歩20分ほどのところにあります。


入り口にのぼりが立っているので分かりやすい。


参加にあたって料金や事前申し込みは必要なく、当日に受付で氏名と住所を書き込めばOK。書き終わったらフォーラムやハンターに関する資料を受け取ることができます。


受付周辺の机には、ハンターになるために必要な情報が書かれたパンフレットなどが置かれています。


至る所に狩猟に関する情報が立てられています。日本全国の野生鳥獣による農業被害額は年間で240億円にのぼっており、若いハンターの増加による野生鳥獣の個体数の調節が必要とされています。


わなにかかったイノシシの写真や……


毛抜きされたイノシシの写真など、普段見ることのない狩猟の裏側をあちこちで見ることができます。


これは狩猟に関する書籍見本。ジビエ料理本から銃の撃ち方などいろいろな本がありました。


13時開会で、時間ごとにプログラムが組まれており、13時15分からは現役ハンター山崎晃司さんの「狩猟のイロハ」の講演が行われていました。


中の様子はこんな感じ。開会から30分時点ですが、200人以上の人が参加していたとのこと。


13時45分からは会場の各地に出展されているワークショップブースを見回る時間も設けられています。ここは模擬銃の展示ブース。


模擬銃は全部で3丁で、全て本物の中折式散弾銃から作られており、実際に持ってみるとリアルな重量感を体感できます。


銃口は埋められており、弾が出てしまうことはありません。


このレバーを左に回すと……


銃身が半分に折れました。この状態で銃弾を2発装填することができるわけです。誤射防止のため、持ち運ぶ時は銃身を折っておくのが基本とのこと。


木材でできた本格的な銃床に引き金がついています。


ヒンジ部分には美しい模様。


照準は、リブが真っ直ぐになるように構えて、両目で銃口の上についている突起に合わせます。


実際に現役ハンターの方に構えてもらいました。折れた銃身を勢いよくつなげると「ガチン」という音とともに発射可能な状態に。反動を防ぐため銃床を肩に当てて構えますが、銃に顔を寄せるのではなく、顔に銃を寄せるのがポイントとのことなので、思っているより上に構えることになります。かなりの重量なので、レクチャーを受けながら構えているだけで銃身を支える左腕の二の腕があっという間に限界を迎え、「ハンターはこんな重いものを撃っているのか……」と実感できます。


ここは狩猟ITツールの展示ブース。自動カメラで撮影したアライグマの動画が映されていました。


自動カメラは自然に溶け込むケースに入っています。


わな猟に使う本物の仕掛けも展示されています。仕掛けを作動させる実演もあったのですが、他のブースを見回っている時に終わってしまったので、別会場に行く人は注意して下さい。


くくりわな、箱わなの数々を展示しているブースも発見。


鳥などを捕獲する網猟具。


これは両端の棒を2人で持ち上げることで飛んできた鳥を捕獲する猟具。実際には何十メートルもあるもので、展示品はミニチュアサイズでした。


以下は上下ともイタチなどの小さな害獣を捕獲する箱わな。要するに大きなねずみとりだそうです。


これは箱の中にエサをセットしておき、動物が箱の中に入って食べると天井が落ちるというわな。


髪の毛のようなものが置いてあったので何なのか尋ねてみると、これはよく見ると細かい網になった「違法猟具」で、中にエサを入れておけば食べに来た動物が絡まって出られなくなる仕組み。害獣指定されていない野鳥でもなんでも捕まえてしまうために違法なのだとか。


そして別のホールに行ってみると、ジビエの試食コーナーや狩猟免許取得に関する相談コーナーがありました。


まずはジビエ試食コーナーへ。


長野県でとれたイノシシのチャーシューを提供していました。


全てのイノシシチャーシューにタレとネギがふりかけられており、一見するとラーメンに載っているような普通のチャーシューに見えます。


「脂身と赤身を同時に食べるとおいしい」と言われて食べてみると、豚などの脂身とは違ってイノシシの脂身は口にいれると「ほろり」と溶けてしまいました。その脂が赤身にかかって確かにおいしい。というより味わいはほぼ豚肉で、ケモノ臭いということは全くなかったです。


赤身だけ食べると、タンパクな肉でやはり豚っぽい感じ。


狩猟免許相談コーナーにも行ってみました。かなりの人が並んでいて驚きましたが、茨城県は日本で3番目にハンター免許取得者が多いという情報に納得。


いろいろと気になっていた質問をぶつけてみたところ、「狩猟免許を取得するまでに必要な時間」は試験前の講習が1日、本試験が1日で、問題なく試験に合格すれば合計で2日。「猟銃の実技試験の練習はどこでできるのか」については講習で実際の発射方法などを教えてくれるとのこと。「両目で0.5以上の視力が必要」という項目についてはメガネなどの矯正視力でOK、ということでした。実際にハンターに会う機会もお話しする機会も普通ならあまりないので、狩猟免許の取得を考えている人にとっては非常に有益なブースです。なお、狩猟フォーラムのウェブサイトにも免許取得までに必要な経費などが書かれているので、興味のある人は読んでみて下さい。


最終的に免許が取得できたら、免許状とともに居住地の狩猟禁止地域などがわかるマップが送られてくるとのことです。狩猟を行うには他にも警察署への猟具の所持申請や、都道府県ごとに狩猟者登録を行って狩猟税を納める必要があります。


同ホール内には、東京農工大学狩り部によるシカの角を使ったアクセサリー作りのワークショップも開かれていました。


本物のシカの角を集めて輪切りにしたものを使って簡単なアクセサリーを作れるとのこと。


シカの角・ビーズ・紐などを無料で提供しているので、好きにつなぎ合わせればOK。今回はシカの角ストラップを作ってみました。


「他には何かないかな?」と探してみると「ハンティング模擬体験」の看板を発見。


中に入ってみると、画面に投影された動物を銃で撃つシューティングゲームの体験コーナーとなっていました。


プレイに使う銃はオモチャではなく本格的な作りのもの。模擬銃よりは軽いのですが、バーチャルの動物ながらリアルな狩りを体験できます。


お客さんがプレイしている様子。実際に体験してみると、スコープではなくリブの照準ではかなり当たりづらいのですが、本物のハンターがプレイするとどうなるのか気になるところでした。


最後は大ホールで現役ハンターのトークセッションが行われるとのことなので出席。テーマは「私がハンターになった理由」ということで、現役ハンターの方々の本職やハンター歴などの自己紹介に始まり、狩りに使う猟具や狩りの魅力などについて語っていました。


左のスタッフが質問を振っていくトークセッションで、出演していたのは森深くまで獣を追うという銃がメインの山崎晃司さんと、自営業で猟犬を使った鳥猟を行う飯泉 健太朗さん。


公務員で女性ハンターの大橋 未紀さんは銃でイノシシなどを狩っているとのことで、鉄砲火薬店を営む信田 好輝さんは地域のハンターの活動を支援するイベントなどを行っており、90日の狩猟解禁期間の間に70日間も出動するという筋金入りのハンター。森 宏人さんはジビエ料理のおいしさに惹かれてハンターになり、あらゆる動物を銃やわなで狩っているそうです。ハンターになった理由は親の影響や、周りの影響、大学で取り組んでいた授業内容からなどでした。


狩猟の魅力まるわかりフォーラムは、若い人がハンターを目指すきっかけとなる場所として毎年全国各地で開催されています。2014年は山口県・石川県・熊本県・鳥取県と続いて茨城県が最後の会場となりましたが、狩猟に興味がある人は2015年に開催予定の「狩猟の魅力まるわかりフォーラム」にぜひ行ってみて下さい。

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