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テスラのCybertruckが運輸省道路交通安全局の衝突安全評価で最高の五つ星を獲得


アクセルペダルの不具合リアビューカメラ画面の不具合などで、発売から1年足らずで5度のリコールが実施されているテスラのCybertruckですが、アメリカ運輸省道路交通安全局(NHTSA)の衝突安全評価で最高の五つ星を獲得しました。

Vehicle Detail Search - 2025 TESLA CYBERTRUCK (ALL VARIANTS) PU/CC AWD | NHTSA
https://www.nhtsa.gov/vehicle/2025/TESLA/CYBERTRUCK%252520(ALL%252520VARIANTS)/PU%25252FCC/AWD


The Cybertruck is the latest Tesla to score a 5-star crash rating | The Verge
https://www.theverge.com/news/615262/the-cybertruck-is-latest-tesla-to-score-a-5-star-crash-rating

2023年11月30日に納車開始されたテスラのピックアップトラック・Cybertruckが、NHTSAの衝突安全評価で満点の五つ星(5段階評価)を獲得しました。NHTSAの衝突安全評価には「正面衝突」「側面衝突」「横転」という3つのカテゴリがあり、それぞれ別個に衝突時の安全性を評価します。この3つのカテゴリの総合評価でCybertruckは五つ星を獲得したというわけ。

「正面衝突」では運転席と助手席を保護するフロントバリアの安全性を評価するため、2台の車両が正面衝突した場合をシミュレート。テストでは車両を時速35マイル(約56km)で走行させ、平らで硬いバリアに正面から衝突させます。正面衝突実験時に撮影された写真が以下で、運転席は最高評価の五つ星、助手席はひとつ下の四つ星評価となりました。


NHTSAによると、実験時に運転席中央のエアバッグは作動したものの、運転席と助手席の膝部分にあるエアバッグは作動しなかったそうです。なお、これに対してテスラは「膝のエアバッグは『特定のテスト』では展開するよう設計されていません」と回答しました。

「側面衝突」では、「サイドポールスターテスト」と「サイドバリアテスト」という2つの実験を行っています。

「サイドポールスターテスト」では、車両が木や電柱に衝突した場合の安全性をシミュレートしており、テスト車両に時速20マイル(約32km)で動く固定ポールを75度の角度から衝突させます。Cybertruckはこのテストでも五つ星を獲得。


「サイドバリアテスト」では、2台の車両が交差点で衝突した場合の安全性をシミュレートするため、時速38.5マイル(約62km)で動く非剛性バリアをテスト車両の運転席側のドアに衝突させます。Cybertruckはこのテストで五つ星を獲得しました。


「横転」では車両の横転耐性をテストしており、評価は四つ星でした。NHTSAはCybertruckが動的テスト中に横転しなかったとしながら、横転リスクは12.4%あると評価しています。

アメリカでは、サイドミラーからエアバッグ、自動緊急ブレーキまで、あらゆるものの安全基準を政府当局が設けていますが、自動車メーカーは車両販売前にこれらの安全基準を満たしていると「事前承認」を受けることはありません。代わりに、自動車メーカーは安全基準に準拠していることを自社テストで「自己認証」し、NHTSAなどの規制当局は車両が販売されてから衝突安全評価を実施します。

テスラもCybertruckの販売前に独自の衝突実験を社内で実施していますが、独立した規制機関により衝突安全評価試験が実施されるのは今回が初めてです。なお、テスラの他モデルもすべて最高評価である五つ星を獲得しています。


Cybertruckに対しては安全性の専門家などから「鋭角なステンレススチール製の車体が、歩行者などの道路利用者にとって特別なリスクとなるのでは」と、その危険性を指摘する声が上がっていました。NHTSAが今回公開した衝突安全評価には歩行者の安全評価は含まれていませんが、NCAPには歩行者と車両が衝突した場合に、車両の「歩行者の負傷や死亡を軽減する能力」を評価するプログラムが追加されているため、今後、歩行者の安全性に関する評価が出てくるものとみられます。

テスラの2024年第4四半期(10~12月)生産台数・納入台数報告書には、Cybertruckの生産・納入台数の詳細は記されていませんが、「その他のモデル」という項目でモデルS・モデルXと合わせて生産・納入台数が記されています。テスラは2024年にこのカテゴリに該当する車両を9万4105台生産し、8万5133台納入しました。

オンライン自動車販売プラットフォームを運営するCarGurusの経済・市場情報担当ディレクターを務めるケビン・ロバーツ氏によると、「その他のモデル」のうち3万5000~5万台がCybertruckであるとのこと。ロバーツ氏は「Cybertruckをどう見るかは、購入前に何を期待していたかによって変わります。フォードのF-150のライバルとして大量生産車になると思っていたとすれば、そうではありません。しかし、F-150ライトニングのようなライフスタイルピックアップと比較すると、かなりうまくいっていると思います」と指摘しました。

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in 乗り物, Posted by logu_ii

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