契約書や規約をちゃんと読んで理解した上で署名しているのは消費者・経営者とも4割もいないことがAdobeの調査で判明

ウェブサービスの利用規約への同意を含めた「契約書への署名」を行うとき、どういった契約内容なのか細かく読み込んでいる人はそれほど多くないことがわかっています。Adobeが2025年1月に調査を行ったところ、69%の消費者が「契約書の中身を読まずにサインした」と回答したことがわかりました。
Top 5 Takeaways from New Contracts Survey: Most People Don’t Read Before They Sign | Adobe Blog
https://blog.adobe.com/en/publish/2025/02/04/top-5-takeaways-from-new-contracts-survey-most-people-sign-before-they-read

Adobeのプロダクトマーケティングチームを率いるミチ・アレクサンダー氏によると、アメリカでは多くの人が月に1回のペースでオンラインを含む何らかの契約書に署名しているのですが、署名する前や「同意」ボタンを押す前に、契約書の文言を読んで内容を理解しているという人はそれほど多くないとのこと。
Adobeが消費者に対して「契約書を読む」ということをどう感じるか尋ねたところ、70%は否定的な絵文字で返答したとのこと。内訳は、44%が「😤」(本来は「勝ち誇った顔」だが、怒った表情に見えるため「不満・不服」を示す意味で使われる)、24%が「🤢」(吐き気を催す顔)でした。

また、回答した消費者の69%は、契約書の内容をろくに読まないまま署名したことを認めていて、66%は契約してから未知の条件に気付いたとのこと。
こうした状況は消費者だけに限ったものではなく経営者側にも存在します。中小企業の経営者の場合、9割以上の人が少なくとも月に1度、2割の人は毎日何らかの契約書に接する機会があるとのことですが、62%は詳細がわからないまま契約を結んでいることを認めています。また、消費者と同じように、60%の中小企業は契約後に「驚くべき条項」を発見しているそうです。このためか、64%の経営者は、契約条件を理解している自信がないために契約を避けていると回答しています。

Adobeによれば「大企業ならこうはならない」ということもないようで、ナレッジワーカーの62%とリーダーの63%は、詳細を十分に理解しないまま契約書に署名したことがあると回答。そして、32%の労働者が、十分に理解していない契約を結んだせいで懲戒処分を受けたり信用を失ったり、場合によっては解雇されたりする事態に直面したことがあるとのこと。また、技術リーダーの63%は、契約書の解釈の難しさや紛らわしい条項がビジネスの遅れの原因になっていると述べたとのことです。
なお、こうした事態に対応するため、Adobeは、契約や規約の情報を簡単かつ迅速にわかりやすくまとめる「契約インテリジェンス」をAcrobat AIアシスタントに導入しています。
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