Appleが「Siriのプライバシー保護機能」について解説、可能な限りオフラインで処理しデータ収集は最小限

Appleは長らくユーザーデータの保護に全力で取り組んでおり、Apple製品とサービスは革新的なプライバシーを実現するための技術と手法を考慮し、設計・構築されています。これはAppleデバイスで利用できる音声認識アシスタントのSiriも同様です。具体的に、Siriではどのようなプライバシーへの取り組みが行われているのかについて、Appleが公式サイト上で解説しています。

Siriに関するAppleの長年にわたるプライバシーへの取り組み - Apple (日本)
https://www.apple.com/jp/newsroom/2025/01/our-longstanding-privacy-commitment-with-siri/

◆Siriは可能な限りデバイス上で処理を行う
ユーザーのプライバシー保護のために、Siriは可能な限り多くの処理をユーザーのデバイス上で直接行うように設計されています。Appleのサーバーにユーザーの個人情報が転送・分析されることはありませんが、オンデバイスの処理のみでパーソナライズされた体験が可能になります。

ユーザーがSiriに話しかけたり入力したりすると、そのリクエストは可能な限りデバイス上で処理されます。例えば、ユーザーがSiriに未読メッセージを読み上げるように頼んだり、SiriがウィジェットやSiri検索によって提案を示したりする場合、処理はユーザーのデバイス上で行われるため、メッセージの内容がAppleのサーバーに転送されることはありません。対応デバイスでは、ユーザーが音声リクエストをAppleと共有することを選択しない限り、Neural Engineを使って完全にデバイス上で処理されます。

◆Siriのリクエストのために収集されるデータ量は最小限に抑えられている
Appleは可能な限り多くの処理をデバイス上で行うようにしていますが、一部機能にはAppleサーバーからのリアルタイム入力が必要です。そのような場合、Siriは正確な結果を提供するために可能な限り少量のデータを扱います。ただし、Siriの検索とリクエストは、ユーザーのAppleアカウントとは紐付けられません。データ処理中に、それを追跡するためにランダムな識別子(1つのデバイスに紐付けられた長い文字と数字の列)が使われ、Appleアカウントや電話番号を使ってユーザーIDを識別することはありません。このプロセスについて、Appleは「現在使われているデジタルアシスタントの中でも類のないユニークなもの」と説明しています。

また、AppleはユーザーがSiriの改善に役立てるために明示的に選択しない限り、Siriとのやり取りの音声録音を保存しません。保存する場合であっても、録音内容はその目的にのみ使われ、ユーザーはいつでも簡単にその選択を解除できます。

◆プライベートクラウドコンピューティングによる画期的なプライバシー保護
Apple Intelligenceにより、Siriはアップグレードされます。Apple Intelligenceも他と同じようにユーザーのプライバシーをあらゆる段階で保護するよう設計されており、使用されるモデルの多くはデバイス上で完全に実行されるよう設計されています。

より大きなモデルにアクセスする必要がある場合、プライベートクラウドコンピューティングがiPhoneのプライバシーとセキュリティをクラウドにまで拡大し、さらなるインテリジェンスを活用できるようにします。Siriがプライベートクラウドコンピューティングを使う時、ユーザーデータはAppleに保存されることもAppleからアクセスされることもなく、プライベートクラウドコンピューティングはリクエストに応えるためにのみユーザーのデータを使います。

なお、Apple Intelligenceに使用されるプライベートクラウドコンピューティングの詳細は、以下の記事にまとめています。

AppleのアシスタントAI「Apple Intelligence」に使われるAI処理サーバー「Private Cloud Compute」の安全性への取り組みをAppleが説明 - GIGAZINE

これに加えて、Appleは「マーケティングのためのプロファイルの作成にSiriのデータを使ったことはなく、広告のために提供したこともありません。また、いかなる目的のためにも他者に販売したことはありません。Appleは、Siriのプライバシー保護をさらに強化するための技術を一貫して開発しており、今後も継続します」と説明しました。