YouTubeで「サードパーティーが自分の動画でAIをトレーニングすることを許可するかどうか」をクリエイターが選択可能に
YouTubeが日本時間の2024年12月17日、クリエイターが「サードパーティー企業のAIトレーニングに自分の動画が使用されることを許可するかどうか」を選択可能にすると発表しました。この設定はデフォルトでオフになっていますが、もしAmazon・Meta・OpenAIなどのサードパーティー企業によるAIトレーニングを許可したい場合、クリエイターが自分で設定を変更できます。
YouTube での第三者の企業による AI トレーニングの許可 - YouTube コミュニティ
https://support.google.com/youtube/thread/313682974/
YouTube will now let creators opt in to third-party AI training | TechCrunch
https://techcrunch.com/2024/12/16/youtube-will-let-creators-opt-out-into-third-party-ai-training/
YouTube is letting creators opt in to allowing third-party AI training - The Verge
https://www.theverge.com/2024/12/16/24322732/youtube-creators-opt-in-third-party-ai-training-videos
多くの生成AIは「フェアユース」の概念のもと、著作権で保護されたありとあらゆるコンテンツを利用してトレーニングされています。しかし、テクノロジー企業がフェアユースを振りかざして著作権で保護されたコンテンツを無断で利用することに対し、世界中のクリエイターは厳しい目を向けています。
YouTubeは12月17日の投稿で、サードパーティー企業による生成AIツールの開発について、クリエイターはより細かくコントロールしたがっていることを理解しているとコメント。そこで、今後数日間のうちにYouTube Studioの設定項目に「Third-party training(サードパーティーのトレーニング)」を追加し、クリエイターと権利保有者が自分たちのコンテンツでAIモデルをトレーニングすることを許可するかどうか、選択できるようにすると発表しました。
この設定はデフォルトでオフになっており、AIトレーニングを許可したくない人は何も操作する必要はないとのこと。また、不正なスクレイピングによるコンテンツの収集・利用などは引き続き禁止されていますが、Google自身は以前からYouTubeのコンテンツをAIのトレーニングに利用しています。
テクノロジー系メディアのTechCrunchによると、新たな設定項目ではAIトレーニングを許可するサードパーティー企業を選択できるとのこと。選択可能な企業にはAI21 Labs・Adobe・Amazon・Anthropic・Apple・ByteDance・Cohere・IBM・Meta・Microsoft・Nvidia・OpenAI・Perplexity・Pika Labs・Runway・Stability AI・xAIが含まれています。広報担当者はこれらの企業が選ばれた理由について、「クリエイターとのパートナーシップの候補として、賢明な選択である可能性が高いからです」と述べました。
なお、YouTubeは一部のクリエイターを対象に、「自分の声でコメントに返信できる新機能」をテストしていることも報じられています。
YouTube Testing Creator Voice Comment Replies
https://www.digitalmusicnews.com/2024/12/16/youtube-testing-creator-voice-comment-replies/
YouTube is testing a weird audio feature no one asked for
https://www.pocket-lint.com/youtube-new-voice-reply-feature/
音声返信機能はiOSのYouTubeアプリのみで利用可能で、テストの対象となっているのはアメリカのクリエイターに限定されているとのこと。YouTubeは音声返信機能について「クリエイターと視聴者がより有意義な関係を築けるようになることを望んでいます」と語っています。
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