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ついにLGエレクトロニクスがBlu-rayプレイヤーの製造を中止、2024年上半期のBlu-rayおよびDVDの売上は前年比で約22%も減少


韓国の大手家電メーカーであるLGエレクトロニクスがついにBlu-rayプレイヤーとUltra HD Blu-rayプレイヤーの製造を中止したと、映像機器関連のウェブメディアであるFlatpanelsHDが報じました。小売店や通販サイトの在庫がある限り既存のBlu-rayプレイヤーは購入可能ですが、在庫が切れ次第新品を購入することはできなくなります。

LG discontinues all UHD Blu-ray and Blu-ray players - FlatpanelsHD
https://www.flatpanelshd.com/news.php?subaction=showfull&id=1733902062


LG stops making Blu-ray players, marking the end of an era — limited units remain while inventory lasts | Tom's Hardware
https://www.tomshardware.com/tech-industry/lg-stops-making-blu-ray-players-marking-the-end-of-an-era-limited-units-remain-while-inventory-lasts

The optical disc onslaught continues, with LG quitting Blu-ray players - Ars Technica
https://arstechnica.com/gadgets/2024/12/the-optical-disc-onslaught-continues-with-lg-quitting-blu-ray-players/

Blu-ray DiscおよびUltra HD Blu-rayはDVDの後継として登場した光学ディスクであり、高画質の動画を記録・再生できる光学ディスクとして普及しました。ところが、近年はサブスクリプション形式の動画配信サービスを利用したり、デジタルメディアを購入したりすることが一般的となっており、Blu-rayプレイヤーの需要も年々減少しています。


そして2024年12月11日、ついにLGエレクトロニクスがBlu-rayプレイヤーおよびUltra HD Blu-rayプレイヤーの製造を中止したとFlatpanelsHDが報じました。LGエレクトロニクスの最新Blu-rayプレイヤーは2018年に発表したUBK80およびUBK90 UHDであり、それ以降は新製品を出していないながらも製造を続けていました。

FlatpanelsHDへの声明で、LGエレクトロニクスは光学ディスクプレイヤー市場から完全に撤退するとは明言せず、需要が回復すれば市場に復帰する可能性を示唆したとのこと。記事作成時点では、小売店や通販サイトの在庫がなくなるまでLGエレクトロニクス製のBlu-rayプレイヤーを購入することが可能です。

消費者がストリーミングサービスに移行する中で、Blu-rayビジネスへの関心が低下しているのはLGエレクトロニクスだけではありません。2019年にSamsung電子がBlu-rayプレイヤーの製造を中止し、2024年7月にはソニーが録画用Blu-rayディスクの生産を終了すると発表するなど、光学ディスク市場は次第に縮小を続けています。

by arty822

テクノロジー企業の業界団体であるConsumer Technology Association(CTA)が2020年に発表したデータによると、アメリカ市場における光学ディスクプレイヤーの販売台数は2015年に1500万台を超えていましたが、2019年には590万台弱まで低下したとのこと。また、家電量販店のBest Buyは2024年にDVDやBlu-rayの販売を停止したほか、レンタルショップの撤退が相次いでいることから、消費者がBlu-rayを入手する機会自体も減っています。

しかしテクノロジー系メディアのArs Technicaは、ストリーミングサービス全盛の時代になっても、一部のユーザーは物理的なメディアを愛好していると主張しています。映像メーカーの業界団体・The Digital Entertainment Group (DEG)のレポートでは、アメリカにおける2024年上半期のBlu-rayおよびDVDディスクの売上は2023年上半期と比較して22.2%減少したものの、コレクターズ向けのBlu-rayディスクの売上は増加していると報告されています。

コンテンツのデジタル販売は消費者にとって便利なものですが、プラットフォームの意向や法律の変更によって購入済みのコンテンツにアクセスできなくなったり、コンテンツに改変が加えられたりしてしまう可能性があります。そのため、デジタルコンテンツの購入は「所有しない購入」とも呼ばれており、ゲーム販売プラットフォームのSteamでは「デジタル製品を購入すると、Steam上で製品のライセンスが付与されます」という通知が表示されるようになりました。これは、ユーザーがゲームを所有しているのではなく、「ゲームの利用権を取得するだけ」であることを明確にするものです。

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Ars Technicaは、確かにLGエレクトロニクスがBlu-rayプレイヤーから撤退したことで選択肢の幅が狭まるものの、依然としてパナソニックやソニーなどは販売を続けていると指摘。「物理メディアの利点がまだ存在するため、LGエレクトロニクス製Blu-rayプレイヤーの終了は注目に値するものの、物理メディア愛好家にとって決定的なものではありません」と述べました。

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in ハードウェア, Posted by log1h_ik

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