Steam Deck以外のデバイスにSteamOSを導入するための準備が進められていることが明らかに
「SteamOS」は携帯型ゲーミングPCの「Steam Deck」に搭載されているLinuxベースのOSです。SteamOSがサードパーティー製デバイス向けに開放される予定であることは以前から報告されていますが、具体的な情報はほとんど明かされていません。新たに、Steamのブランドロゴのガイドラインが更新されたことから、SteamOS開放に向けての準備が進んでいることがわかりました。
Valve's new branding guidelines hint at Steam Deck's SteamOS for more devices | GamingOnLinux
https://www.gamingonlinux.com/2024/12/valves-new-branding-guidelines-hint-at-steam-decks-steamos-for-more-devices/
SteamOSを開発しているValveは「ハードウェアベンダーが自社のデバイスにSteamOSを搭載して出荷できるよう、計画を進めている」と繰り返し報告していますが、その日程は「Valve標準時に基づく」など冗談めかして伝えられるのみで、具体的な進捗(しんちょく)は一切明かされていません。
ところが、2024年12月4日にSteamの「ロゴ」に関するドキュメントが更新され、その中にSteamOSを搭載するハードウェアについての文章が追加されたことがわかりました。
当該ドキュメントは以下から閲覧できます。
steam_brandGuidelines.pdf
(PDFファイル)https://cdn.cloudflare.steamstatic.com/steamcommunity/public/images/steamworks_docs/english/steam_brandGuidelines.pdf
ドキュメントの7ページ目に、以下の記述があります。
「Powered by SteamOSロゴは、ハードウェアデバイスがSteamOSを実行し、デバイスの電源を入れるとSteamOSが起動することを示します。パートナーやメーカーは、Valveが提供したもの、あるいはValveと緊密に連携して開発した形式の、Steamイメージを搭載したハードウェアを出荷します。ロゴに物理的な変更を加えたり、他のブランド要素と組み合わせたりしないでください」
上記の「パートナーやメーカーは(中略)Steamイメージを搭載したハードウェアを出荷します」という記述こそが進捗を示すものであるとして、LinuxおよびSteam関連のゲームコミュニティ・GamingOnLinuxは「Steam Deck以外で正式にSteamOSを搭載して出荷される最初のデバイスが何なのか、非常に興味深いです。リーク情報が出ているValveのVRキット『Deckard』なのか、それともサードパーティベンダーの別の携帯機なのでしょうか」と指摘しました。
過去には、Windows版のゲームをLinuxベースのOS上で動作させるための互換レイヤー「Proton」でテスト中のゲームのリストをValveが公開したところ、その中にARM64に対応したProtonが含まれていたことから、「ARM64対応Protonの開発は、サードパーティー製ARM64デバイスをサポートするためだ」などの考察が行われていました。
ValveがARM64 Linux対応のSteamを開発中という報道 - GIGAZINE
また、ASUSの携帯型ゲーミングPC「ROG Ally」でSteamOSをサポートするとの報告もあり、SteamOS開放に向けて地道に着々と準備が進められていることがうかがえます。
ValveがSteamOSをROG Allyなど競合デバイスにも対応させることを明らかに - GIGAZINE
・関連記事
Steam DeckでmacOS Sequoiaを実行することに成功 - GIGAZINE
SteamにおけるLinuxユーザーの割合が2%を突破 - GIGAZINE
LinuxのソフトウェアエンジニアがValveをベタ褒め - GIGAZINE
SteamゲーマーのOSシェアでついにLinuxがmacOSを追い抜く、「Steam Deck」が影響する可能性 - GIGAZINE
・関連コンテンツ