ChatGPTのトレーニングに記事が無断利用されているとしてカナダの主要報道機関がOpenAIを提訴
カナダの主要な報道機関が「OpenAIがChatGPTのトレーニングに記事を無断利用している」として、利用差し止めや損害賠償を求める訴えを起こしました。
Canadian news publishers suing ChatGPT developer OpenAI
https://www.thestar.com/news/canadian-news-publishers-suing-chatgpt-developer-openai/article_2cc154a6-cdb7-589f-a7fc-55681ebdccc1.html
Canada’s major news organizations band together to sue ChatGPT creator OpenAI | Business | toronto.com
https://www.toronto.com/news/business/canada-s-major-news-organizations-band-together-to-sue-chatgpt-creator-openai/article_68f6a297-b454-5106-b2de-226cbc2fb1b6.html
訴えを起こしたのは通信社のThe Canadian Pressや公共放送局のCBC(カナダ放送協会)、新聞社のToronto Star、The Globe and Mail、メディア複合企業のPostmedia、複数の地方新聞や雑誌を発行しているMetroland Mediaなどです。
オンタリオ州高等法院への訴えによると、報道各社はOpenAIに対して、懲罰的損害賠償や記事の違法な利用によって得た利益の放棄、これから公開される記事の使用禁止命令などを求めています。
損害賠償額は記事1本につき最大で2万カナダドル(約214万円)で、総額は数十億ドル(数千億円)に達する可能性があるとのこと。
原告らは「GPTモデル開発のために必要な大量のテキストデータを取得するため、OpenAIはニュースサイトから記事をスクレイピングしていた」と主張しています。
なお、この種の訴訟はカナダでは初めて起こされたものですが、すでにOpenAIはアメリカの大手日刊紙であるThe New York Timesなどから著作権侵害で訴えられています。
大手日刊紙のニューヨーク・タイムズがOpenAIとMicrosoftを著作権侵害で提訴 - GIGAZINE
一方で、トレーニングにコンテンツを利用した一部のメディアにはライセンス料を支払う姿勢を見せています。
OpenAIがAIのトレーニングにコンテンツを利用したメディアにライセンス料として年間100万ドルから500万ドルを支払いか - GIGAZINE
・関連記事
OpenAIはAIの進化の頭打ちで戦略の転換を余儀なくされている、高品質なデータ枯渇の問題が急激に顕在化 - GIGAZINE
OpenAIの著作権訴訟でChatGPTのトレーニングデータが一部の人間に開示されることが決定、オフライン・記録機器持ち込み禁止の厳重警備体制 - GIGAZINE
複数の大手ニュースサイトがAppleのパーソナルAI「Apple Intelligence」をトレーニングするために使用されるクローラーをブロックしていることが明らかに - GIGAZINE
俳優労働組合SAG-AFTRAや世界最大の出版社が「AIをトレーニングするためにクリエイティブ作品を無許可で使用してはならない」とする公開書簡に署名 - GIGAZINE
・関連コンテンツ