サイエンス

「脳トレゲーム」に意味はあるのか?脳のためになる活動とは何なのか?


年をとるにつれて忘れっぽくなったり、問題の解決に時間がかかるようになったりして、認知機能の低下を実感した経験がある人もいるかもしれません。一部の人は、さまざまな認知機能改善のために設計された「脳トレゲーム」をプレイすることで、認知機能の改善を試みています。ニューヨーク州立大学ビンガムトン校の心理学准教授であるイアン・マクドノー氏らが、「脳トレゲームに意味はあるのか?脳のためになる活動とは何なのか?」について解説しています。

Brain-training games remain unproven, but research shows what sorts of activities do benefit cognitive functioning
https://theconversation.com/brain-training-games-remain-unproven-but-research-shows-what-sorts-of-activities-do-benefit-cognitive-functioning-240499


加齢と共に認知機能が低下するのは自然なことですが、数多くの研究によって人々は認知機能の低下を遅らせたり、改善したりできることがわかっています。認知機能の改善につながる活動にはさまざまなものがありますが、そのうちのひとつに「脳トレゲーム/アプリ」が存在しています。

脳トレは認知機能を測定するために作られたテストをゲーム化し、ユーザーが特定の認知機能タスクを習得するのを助けるように設計されています。「文字と数字の適切な組み合わせを瞬時に見つけるタスク」「単語の文字数が偶数か奇数か素早く判断するタスク」「文字が母音か子音かを識別するタスク」などが一例です。


ゲームには制限時間が設けられており、難易度も複数用意されているため、ユーザーは自分のスキルに合わせて難易度を上げていくことができます。これらの脳トレゲームをプレイすることで、注意力や記憶力、情報処理速度、実行機能と呼ばれる認知機能などが改善されるとメーカーはアピールしています。

しかし、脳トレで特定のタスクのスキルを向上させたとしても、それが現実世界の状況にも適用されるとは限らず、脳トレが持続的な認知機能改善を達成するかどうかについては心理学者の間でも議論が続いています。2016年には脳トレアプリ「Lumosity」の開発企業に対し、アメリカ連邦取引委員会(FTC)が「科学的裏付けがない」として200万ドル(当時のレートで約2億4000万円)の罰金を科しています。また、2017年にはLumosityが脳の認知能力を改善する効果はないという研究結果も報告されました。

脳トレアプリ「Lumosity」に脳の機能を強化する効果は全くないことが判明 - GIGAZINE


脳トレゲームの効果についてはよくわかっていませんが、マクドノー氏が参加した「Synapse Project(シナプスプロジェクト)」という研究では、「認知機能の改善に役立つ活動」の種類が特定されています。

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in サイエンス,   ゲーム,   無料メンバー, Posted by log1h_ik

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