ボードゲームをプレイすることが認知機能の低下を防ぐ

by JESHOOTS.COM

ボードゲームで頻繁に遊ぶ人は、そうでない人と比べると記憶力や思考力といった認知機能が高く、高齢者になってからの認知機能の低下も少なくなることが最新の研究により明らかになりました。

Playing analog games is associated with reduced declines in cognitive function: a 68 year longitudinal cohort study | The Journals of Gerontology: Series B | Oxford Academic
https://academic.oup.com/psychsocgerontology/advance-article/doi/10.1093/geronb/gbz149/5628188

Playing board games may help protect thinking skills in old age -- ScienceDaily
https://www.sciencedaily.com/releases/2019/11/191126140413.htm

エジンバラ大学の心理学者チームは、11歳の時に記憶力・問題解決力・思考速度・思考能力といった認知機能に関するテストを実施した70歳の高齢者1000人以上を対象に、高齢者になってからの認知機能をテストする調査を実施しました。被験者は70歳・73歳・76歳・79歳という4度のタイミングで認知機能に関するテストを繰り返し行っています。なお、被験者に対してはカードゲーム・チェス・ビンゴゲーム・クロスワードゲームなどのボードゲームで遊ぶ頻度についても尋ねられました。

研究チームは調査結果を、ゲームのプレイ頻度と思考レベルの関係性に焦点を当てて分析。分析では、被験者が11歳の頃の知能テストの結果のほか、被験者の教育レベル・社会経済的地位・活動レベルといったライフスタイル要因についても考慮したそうです。

by Christopher Paul High

分析の結果、年を取ってからボードゲームで頻繁に遊ぶ人は、そうでない人と比べると70歳になった際の認知機能の低下が少なかったことが明らかに。また、70歳から79歳までの期間においても、多くの種類のボードゲームをプレイしている被験者は、明らかに認知機能の低下が少なく、特に記憶力と思考速度の低下が少ないことが明らかになっています。

研究チームは、「年齢を重ねてからも高い思考スキルを維持するには、意思決定を続けることが役に立つ可能性があります」と記しています。また、人間の認知的健康を高くするにはどのようなライフスタイルや行動が役立つのかを理解するために、今回の研究が役立つ可能性があるとも記しています。

エジンバラ大学のドリュー・アルトシュル博士は、「70代以上の人々にとって、デジタルゲームとは異なるゲーム(ボードゲーム)で遊ぶことは、認知機能の低下を防ぐという点で前向きな効果を得られる可能性があります」とコメント。

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エジンバラ大学の認知老化・認知疫学センターで所長を務めるイアン・ディアリー氏は、「研究チームはボードゲームの中でも特に認知機能の低下を防ぐことにつながる活動が何かを絞り込むために取り組んでいます。そして、ゲームの中には認知機能の低下との間に小さいながらも検出可能な関連性を持ち合わせているものも見つかったため、これは認知機能の低下がどのような要素と関連しているのかを調べる手がかりになる可能性もあります」と述べました。

高齢者を対象とした慈善団体のAge UKでチャリティディレクターを務めるキャロライン・エイブラハム氏は、「一部の人々の思考能力は年をとるにつれて低下する可能性がありますが、今回の研究結果は思考能力の低下が必然ではないということを示すさらなる証拠となるでしょう」と指摘しています。

なお、ボードゲームをプレイすることでより良い人間関係を築くことができるという指摘もあります。

ボードゲームをプレイすることでより良い人間関係を築くことができる - GIGAZINE

By Sweet Alize