ロシアがアメリカの禁輸品であるNVIDIAのAIチップを搭載したサーバー460億円相当をインド経由で輸入していたことが判明
軍事目的に利用される恐れがあるということで、アメリカはNVIDIAのAIチップのロシアへの輸出を制限しています。しかし、世界のあらゆる国からロシアへの輸出制限をかけられるわけではないため、マレーシアやインドを経由してロシアにAIチップが渡っていることがわかっています。直近の2024年4月から8月だけでも、NVIDIAの「H100」チップを搭載したDell PowerEdge XE9680サーバー1111台、市場価値3億ドル(約460億円)相当がインドからロシアに輸出されています。
Russia Is Getting Nvidia AI Chips From an Indian Pharma Company - Bloomberg
https://www.bloomberg.com/news/features/2024-10-27/russia-is-getting-nvidia-ai-chips-from-an-indian-pharma-company
Russia finds way to buy sanctioned Nvidia AI chips: through Asian countries | Ukrainska Pravda
https://www.pravda.com.ua/eng/news/2024/10/28/7481703/
Russia is getting Nvidia AI chips from a very unlikely source - an Indian drug firm | Cryptopolitan
https://www.cryptopolitan.com/russia-nvidia-ai-chips-indian-drug-firm/
アメリカやEUの国々は、軍事利用可能な技術や製品のロシアへの輸出について慎重になっていますが、インドはこうした枠組みに加わっていないため、ロシアへの輸出に制限がありません。
たとえば、Shreya Life Sciencesという会社は、2024年4月から8月にかけて、NVIDIAのAIチップを搭載したDell PowerEdge XE9680サーバー合計1400台を輸出したことがわかっています。これらのサーバーの市場価値は3億ドルに上るとみられています。
Shreya Life Sciencesは1995年にモスクワで創業した会社で、2001年にインドに進出しました。もともとは製薬会社であり、ロシアへ医薬品を輸出する事業を行っていましたが、2024年に入って、サーバーの輸出も開始したとみられます。
サーバーは、マレーシアにあるDellの子会社が受注して、シンガポールの子会社がインドへ輸出。その後、インドからロシアへ「転売」されていました。
なお、こうした輸出を行っているのはShreya Life Sciencesに限らないとのことで、ShereyaとHayers Infotech Private Limitedの2社が2022年2月以降にロシアへ輸出したハイテク製品は4億3400万ドル(約665億円)相当に上るとのことです。
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