MediaTek製SoC搭載タブレット「Galaxy Tab S10+」&「Galaxy Tab S10 Ultra」の性能をQualcomm製SoCを搭載した旧世代モデルと比べてみたよレビュー

2024年10月3日に登場したSamsungのタブレット「Galaxy Tab S10+」と「Galaxy Tab S10 Ultra」は、SoCにMediaTekの「Dimensity 9300+」を採用しています。Qualcomm製の「Snapdragon 8 Gen 2」を採用していた旧世代モデルとの性能差が気になったので、ベンチマークテストやバッテリー持続時間テストを実施してみました。
◆「Galaxy Tab S10+」と「Galaxy Tab S10 Ultra」のスペック
Galaxy Tab S10+とGalaxy Tab S10 Ultraは有機ELディスプレイを搭載したAndroidタブレットです。Galaxy Tab S10+とGalaxy Tab S10 Ultraの外観は以下の記事で確認できます。
厚さ5mm台の薄型ハイスペックタブレット「Galaxy Tab S10+」「Galaxy Tab S10 Ultra」外観レビュー - GIGAZINE

「Galaxy Tab S10+」「Galaxy Tab S9+」「Galaxy Tab S10 Ultra」「Galaxy Tab S9 Ultra」のスペックは以下の通り。旧世代モデルのGalaxy Tab S9シリーズはSoCにSnapdragon 8 Gen 2を採用していましたが、Galaxy Tab S10+とGalaxy Tab S10 UltraはSoCにDimensity 9300+を採用しています。SoC以外のスペックは旧世代モデルとほぼ同一なので、SoCが変わったことで性能がどれだけ変化したのか確かめてみました。
モデル | Galaxy Tab S10+ | Galaxy Tab S9+ | Galaxy Tab S10 Ultra | Galaxy Tab S9 Ultra |
---|---|---|---|---|
SoC | Dimensity 9300+ | Snapdragon 8 Gen 2 | Dimensity 9300+ | Snapdragon 8 Gen 2 |
CPUコア数 | 8 | |||
CPUクロック周波数 | 3.4GHz、2.8GHz、2GHz | 3.36GHz、2.8GHz、2GHz | 3.4GHz、2.8GHz、2GHz | 3.36GHz、2.8GHz、2GHz |
ディスプレイサイズ | 12.4インチ | 14.6インチ | ||
ディスプレイ解像度 | 2800×1752ピクセル | 2960×1848ピクセル | ||
ディスプレイの種類 | Dynamic AMOLED 2X(有機EL) | |||
Sペン | 対応 | |||
アウトカメラ | 1300万画素の広角カメラ、800万画素の超広角カメラ | |||
インカメラ | 1200万画素 | 1200万画素の広角カメラ、1200万画素の超広角カメラ | ||
動画撮影解像度 | 4K・30fps | |||
ストレージ容量 | 最大512GB | 最大1TB | 最大512GB | |
RAM容量 | 12GB | |||
USB規格 | USB 3.2 Gen 1 | |||
Wi-Fi規格 | 802.11a/b/g/n/ac/ax 2.4GHz+5GHz+6GHz HE160, MIMO, 1024-QAM | 802.11a/b/g/n/ac/ax/be 2.4GHz+5GHz+6GHz EHT320、MIMO、4096-QAM | 802.11a/b/g/n/ac/ax 2.4GHz+5GHz+6GHz HE160, MIMO, 1024-QAM | |
Bluetooth規格 | Bluetooth v5.3 A2DP、AVRCP、DI、HID、HOGP、OPP、PAN、PBP、TMAP | |||
センサー | 加速度センサー、指紋センサー、ジャイロセンサー 地磁気センサー、ホールセンサー、RGB照度センサー | 加速度センサー、指紋センサー、ジャイロセンサー 地磁気センサー、ホールセンサー、照度センサー | ||
バッテリー容量 | 10090mAh | 11200mAh | ||
寸法 | 高さ185.4mm 幅285.4mm 厚さ5.6mm | 高さ185.4mm 幅285.4mm 厚さ5.7mm | 高さ208.6mm 幅326.4mm 厚さ5.4mm | 高さ208.6mm 幅326.4mm 厚さ5.5mm |
重量 | 571g | 581g | 718g | 732g |
◆ベンチマークテスト
「Galaxy Tab S10+」「Galaxy Tab S9+」「Galaxy Tab S10 Ultra」「Galaxy Tab S9 Ultra」のCPU処理性能を確かめるべく、定番ベンチマークアプリの「Geekbench 6」を実行してみました。

4モデルのシングルコアスコアとマルチコアスコアは以下の通り。MediaTek製のSoCはミドルレンジのスマートフォンやタブレットに搭載されているイメージがありますが、Dimensity 9300+を搭載したGalaxy Tab S10シリーズはSnapdragon 8 Gen 2を搭載したGalaxy Tab S9シリーズより高い処理性能を備えていることが分かります。
モデル | Galaxy Tab S10+ | Galaxy Tab S9+ | Galaxy Tab S10 Ultra | Galaxy Tab S9 Ultra |
---|---|---|---|---|
シングルコアスコア | 2155 | 2120 | 2207 | 2119 |
マルチコアスコア | 7234 | 5683 | 7339 | 5591 |
続いて、「AnTuTu Benchmark」も実行してみます。

AnTuTu Benchmarkの結果は以下の通り。「CPU」「GPU」「メモリ」「UX」のすべてでGalaxy Tab S10シリーズの方がGalaxy Tab S9よりも高いスコアを記録しました。
モデル | Galaxy Tab S10+ | Galaxy Tab S9+ | Galaxy Tab S10 Ultra | Galaxy Tab S9 Ultra |
---|---|---|---|---|
総合スコア | 176万5438 | 155万3117 | 179万4327 | 154万3387 |
CPUスコア | 46万83 | 38万9361 | 45万8341 | 38万9763 |
GPUスコア | 65万9863 | 59万9630 | 74万5498 | 59万6462 |
メモリスコア | 35万539 | 28万3155 | 28万7406 | 27万9944 |
UXスコア | 29万4953 | 28万971 | 30万3082 | 27万7218 |
◆バッテリー持続時間&バッテリー充電時間
バッテリーの持続時間を測定するために、「Galaxy Tab S10+」「Galaxy Tab S9+」「Galaxy Tab S10 Ultra」「Galaxy Tab S9 Ultra」でYouTubeの長い動画をバッテリー切れになるまで再生し続けてみました。なお、音量は50%、画面輝度は最大に設定しており、インターネットにはWi-Fiで接続しています。また、バッテリーが切れるまでの時間は「画面を1分ごとにカメラで撮影し、画面が消灯した時点の時刻を確認する」という方法で測定しています。

バッテリー持続時間は以下の通り。Galaxy Tab S10+とGalaxy Tab S9+のバッテリー容量は10090mAhで、Galaxy Tab S10 UltraとGalaxy Tab S9 Ultraのバッテリー容量は11200mAhなので、容量の違いがそのまま結果に反映されています。同じ容量同士でみると、Galaxy Tab S10+とGalaxy Tab S9+ではGalaxy Tab S10+の方が30分以上長持ちで、Galaxy Tab S10 UltraとGalaxy Tab S9 UltraではGalaxy Tab S9 Ultraの方が15分長持ちでした。
モデル | Galaxy Tab S10+ | Galaxy Tab S9+ | Galaxy Tab S10 Ultra | Galaxy Tab S9 Ultra |
---|---|---|---|---|
バッテリー時速時間 | 7時間32分 | 7時間1分 | 8時間35分 | 8時間50分 |
充電にかかる時間も気になったので、4モデルともバッテリー残量0%の状態から満充電までにかかる時間を測定してみました。なお、充電アダプタはUSB PD 3.1に対応したアドテックの「APD-V140AC2-BK」を使い、USBケーブルは100円均一ショップなどで買えるE Core製ケーブル「何でも使える万能ケーブル(100W PD対応ケーブル 1m 専用スタンド付き)」を使っています。

バッテリー残量を10分ごとに記録してグラフ化したものが以下。バッテリー容量10090mAhのGalaxy Tab S10+とGalaxy Tab S9+は、100分間でフル充電できました。時間ごとの充電量は似た傾向ですが、旧モデルのGalaxy Tab S9+のほうがわずかに速く充電できています。

バッテリー容量11200mAhのGalaxy Tab S10 UltraとGalaxy Tab S9 Ultraの場合、時間ごとの充電量はほぼ同一で、100分間でフル充電できました。

◆まとめ
Galaxy Tab S10+とGalaxy Tab S10 Ultraの性能を検証した結果、ベンチマークテストではCPUとGPUの双方で旧世代モデルよりも高いスコアを記録しました。MediaTek製SoCにはミドルレンジデバイスに搭載されがちな印象がありますが、Galaxy Tab S10+とGalaxy Tab S10 Ultraに搭載されているDimensity 9300+はQualcomm製のSnapdragon 8 Gen 2と比べて高い性能を備えており、フラッグシップ端末として文句ない性能に仕上がっています。また、Galaxy Tab S10+とGalaxy Tab S10 Ultraの性能差はわずかなため、どちらのタブレットにするか迷った場合は単純に画面の大きさとバッテリー持続時間を基準に選択すればOKです。
なお、Galaxy Tab S10+はAmazon.co.jpで256GBモデルが18万9327円で販売されています。また、Galaxy Tab S10 Ultraは256GBを22万1327円で入手できます。
Amazon.co.jp: Tab S10+ 256GB|Galaxy AI対応|ムーンストーングレー|タブレット|Samsung純正 国内正規品|2024年発売|防水防塵|Sペン付き|12.4インチ|大容量バッテリー 10,090mAh|571g|Android|有機ELディスプレイ|SM-X820NZAAXJP : 家電&カメラ


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