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なぜインターネットはどんどん劣化しているのか、昔の良かった頃に戻す方法はあるのか?


「近年のインターネットは昔ほど楽しいものではなくなった」という意見について、メルボルン大学のコンピューティングおよび情報システム学部の情報システム上級講師であるマーク・チャン氏、メルボルン大学のメディアおよびコミュニケーション学者であるウォンスン・シン准教授が解説しています。

The internet is worse than it used to be. How did we get here, and can we go back?
https://theconversation.com/the-internet-is-worse-than-it-used-to-be-how-did-we-get-here-and-can-we-go-back-236513


インターネットにアクセスすることでさまざまな情報に瞬時にアクセスしたり、離れたところにいる見知らぬ他人と簡単にコミュニケーションをとったりすることができるようになりました。かつてのインターネットは、自由で平等な空間として始まり、知識の共有や創造性の発揮、多様な視点の交換が可能な場所だったとチャン氏らは述べています。

「インターネット上では誰も君が犬だとは分からない」というジョークが示すように、かつてのインターネットは匿名性が高く、個人情報の保護が比較的容易でした。しかし、時間の経過とともに過剰な商業化が進み、金銭的動機が多くのコンテンツを支配し、情報の質よりも話題性が優先されるようになりました。

例えば、GoogleやMetaなどの巨大テクノロジー企業は、高度な追跡技術と不透明なアルゴリズムを用いて、個人情報からターゲティングしたコンテンツを生成しています。これにより、フィルターバブルやエコーチェンバーが形成され、ユーザーが限られた視点のコンテンツにのみ触れる状況が生まれるようになりました。さらに、AIの発展により、低品質なコンテンツや誤解を招く情報が大量に生成されるようになり、この傾向に拍車をかけています。


一方で、チャン氏やシン准教授は「良かった頃のインターネット」の特徴として、知識共有の精神や創造性、多様な視点との出会いの場としての役割を挙げ、これらの価値を保持することの重要性を強調しています。


インターネットの劣化に対する改善策として、チャン氏やシン准教授は「ユーザーが主体的に行動を起こすこと」を提案しています。例えば、問題のあるプラットフォームから離れたり、代替サービスを選択したりすることで変化がもたらされ、分散型システムへの移行や独占的企業の解体がより健全なインターネット環境の構築につながると両氏は主張しました。

チャン氏やシン准教授はプライバシーの本質的な要素として「自分に関する情報を誰が見たり使用したりできるかをコントロールできること」を挙げています。特に、大手テクノロジー企業が利益を得る可能性のある個人情報について、ユーザーが少なくともその利用をコントロールできるべきだと主張しています。同時に、両氏はユーザーが自身のプライバシーに対して警戒心を持ち続けることの重要性を強調し、特にオンラインの脅威に最もさらされやすい子供や高齢者に対して、インターネットの潜在的な危険性について教育することが求められるとしています。


チャン氏やシン准教授は「インターネットはユーザーの最善の利益のために最適化されているわけではありません」と述べ、大手テクノロジー企業にどれだけの力を与えるかを決めるのは、結局のところユーザー自身であると主張しました。

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in メモ, Posted by log1i_yk

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