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中国がStarlink対抗の衛星インターネット「G60 Starlink」向けの人工衛星をついに打ち上げ


現地時間の2024年8月5日(月)、中国の国有企業である上海垣信衛星科技がSpaceXStarlinkと同規模の衛星インターネットサービスを構築するべく、人工衛星群第1弾の打ち上げに成功したことが報じられています。

China launches first satellites of constellation to rival Starlink, newspaper reports | Reuters
https://www.reuters.com/technology/space/china-launches-first-satellites-constellation-rival-starlink-newspaper-reports-2024-08-05/


上海垣信衛星科技はSpaceXが提供する衛星インターネットサービス「Starlink」の中国版とも言える、「G60星鏈(G60 Starlink)」と呼ばれる衛星インターネット網の構築を進めています。G60 Starlink用のインフラとして、上海垣信衛星科技は地球低軌道(LEO)に人工衛星を打ち上げることを予定しており、この打ち上げの第1弾がついに実施されました。

中国の国有メディアである中国証券報の報道によると、上海垣信衛星科技は中国北部の山西省にある衛星・ミサイル発射センターのひとつである太原衛星発射センターで人工衛星を打ち上げたそうです。上海垣信衛星科技は、G60 Starlinkの構築に向けて1万5000基もの人工衛星を低軌道に配備する予定です。

人工衛星を低軌道に配備する理由は、「より高い軌道に配備するよりもコストが安価」で「通信用電波をより効率的に伝送できる」ためです。


先行サービスであるStarlinkは、すでにアメリカ国内に数万人規模のユーザーを抱えており、今後もさらなる人工衛星を低軌道上に配備する予定です。中国人民解放軍の研究者はロシアによるウクライナ侵攻以降、ウクライナで活躍するStarlinkに着目しており、「中国がアメリカと軍事衝突した場合にStarlinkが中国にもたらすリスク」について研究してきました。

2024年1月には中国人民解放軍の機関紙で「Starlinkの展開は、各国の宇宙資源の安全に対する深刻な脅威である」という論説が掲載されており、上海垣信衛星科技のG60 Starlinkは中国が独自のStarlinkを構築することで、Starlinkの脅威に対抗しようというプロジェクトであるわけです。


上海垣信衛星科技は2024年中に108基、2025年末までに648基の人工衛星を打ち上げ予定。2027年には地球規模のネットワークカバレッジを構築し、2030年までに1万5000基の人工衛星を配備する予定としています。

なお、アメリカでもStarlink対抗の衛星インターネット網の構築が進められており、日本の楽天モバイルと提携するAST SpaceMobileが、アメリカにおける放送通信事業の規制監督を行う連邦通信委員会(FCC)からスマートフォン向け衛星通信システムの運用に関する限定的な権限を受けています。今回の承認により、AST SpaceMobileは2024年9月に打ち上げ予定の人工衛星「BlueBird」5基を運用する権限を取得したこととなるそうです。

AST SpaceMobile Receives Only Partial FCC Approval for Its Starlink Rival | PCMag
https://www.pcmag.com/news/ast-spacemobile-receives-only-partial-fcc-approval-for-its-starlink-rival

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in メモ, Posted by logu_ii

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