「骨なしチキン」に骨が入っているのは当然と最高裁判所が判決を下す
アメリカ・オハイオ州で「骨なし」と宣伝されている手羽先を食べたところ実際には骨が付いており、骨を飲み込んでしまった結果感染症に苦しんだ顧客がレストランに対し裁判を起こしました。しかし、裁判所は「骨なし手羽先には骨がある可能性がある」として、顧客の訴えを退けました。
Chicken wings advertised as 'boneless' can have bones, Ohio Supreme Court decides | AP News
https://apnews.com/article/boneless-chicken-wings-lawsuit-ohio-supreme-court-231002ea50d8157aeadf093223d539f8
Lawmaker takes action after court rules 'boneless' chicken wings can have bones
https://www.news5cleveland.com/news/politics/ohio-politics/lawmaker-takes-action-after-ohio-supreme-court-rules-boneless-chicken-wings-can-have-bones
2017年にオハイオ州のレストラン「Wings on Brookwood」で家族や友人と共に食事をしていた常連客のマイケル・バークハイマー氏は、いつも通り「骨なし手羽先 パルメザンガーリックソース付き」を注文。しかし、何かを誤飲したバークハイマー氏は、その後数日間にわたって高熱や吐き気に苦しめられたとのこと。
食事から3日後にはバークハイマー氏は緊急治療室に搬送されました。医師による検査の結果、バークハイマー氏の食道から約2.5cmと約9.5mmの鶏の骨2本が見つかりました。
医師によると、飲み込んだ骨がバークハイマー氏の食道を傷つけ、感染症を引き起こしたとのこと。バークハイマー氏らは「数週間にわたる入院生活の中で何度も手術を受けることになりました」と主張しています。
バークハイマー氏は、「骨なし手羽先に骨があることを警告しなかった」と述べ、レストラン側の過失が自身の病気につながったと主張し、Wings on Brookwoodと鶏肉業者を訴えました。
この訴訟を巡っては、一般訴訟裁判所と第12地区控訴裁判所が「肉料理に骨があるかもしれないというのは常識である」と述べ、バークハイマー氏の訴えを棄却しています。さらに2024年7月25日にはオハイオ州最高裁判所が「『骨なし手羽先』はあくまで調理スタイルを指しており、ニワトリに骨があることは常識であるため、バークハイマー氏は骨の存在に対して警戒すべきでした」と主張し、訴えを棄却しました。
オハイオ州最高裁判所のジョセフ・デターズ判事は「『チキン・フィンガー』を頼んだ客が実際にフィンガー(指)を提供されたとは考えていないように、レストラン側が『骨なし』を保証してくれているとは考えないでしょう」と述べています。一方でマイケル・ドネリー判事は「顧客が『骨なし手羽先』という単語を見た際、一般的には『この手羽先には骨が含まれていない』と思うはずです。幼い子どもたちにチキンを食べさせている親は、まさか骨なし手羽先に骨が含まれているとは考えないはずです」と批判しています。
民主党のビル・デモラ上院議員は「この判決は正気の沙汰ではありません」と述べ、「バークハイマー氏や他のオハイオ州民を守るために『骨なしチキンには骨が入っていないことを意味する』という法律の制定を目指しています」と語っています。
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