イーロン・マスク氏が「トランプ氏の支援団体に月4500万ドルの献金をする予定」という報道を否定するも献金自体は認める
by NASA HQ PHOTO
2024年7月に大統領候補のドナルド・トランプ氏が狙撃された事件を受け、テスラやSpaceXのCEOを務める実業家のイーロン・マスク氏が、トランプ氏の支援団体に毎月4500万ドル(約70億円)の献金をする方針だと報じられました。この報道についてマスク氏は「完全に偽り」だと否定しましたが、共和党を支援する団体に寄付していることは認めました。
This is beyond dumb.
— Elon Musk (@elonmusk) July 24, 2024
I never said was donating $45M/month to Trump – that was a totally fake @WSJ article!
How can back down from something that never happened!!??
Elon Musk denies reported $45 million a month pledge to Trump, says he doesn't 'subscribe to cult of personality’ | Fortune
https://fortune.com/2024/07/23/elon-musk-backs-down-from-45-million-a-month-pledge-to-trump-says-he-doesnt-subscribe-to-cult-of-personality/
Super PAC Tied to Elon Musk Is Being Guided by Ex-DeSantis Aides - The New York Times
https://www.nytimes.com/2024/07/23/us/politics/elon-musk-super-pac-desantis.html
アメリカでは企業や団体が政党および政治家へ直接献金することが禁じられており、政治行動委員会(political action committee:PAC)と呼ばれる政治資金団体を通じ、献金を集める仕組みとなっています。特定の政党や政治家を支持するPACへの個人献金額は、1人あたり年間5000ドル(約77万円)に抑えられています。
しかし近年では、言論の自由の観点から「候補者や政党との直接的な協力関係がない政治活動であれば、献金額に限度を設けなくてもよい」という司法判断が下されたことを受け、候補者から独立したPACである「スーパーPAC」が台頭しています。
日刊紙のウォール・ストリート・ジャーナルは2024年7月、マスク氏がスーパーPACの「America PAC」に毎月4500万ドルを献金する計画だと報じました。America PACはマスク氏が設立に携わったというスーパーPACであり、直接的にトランプ氏の活動を支援しているわけではないものの、共和党の候補者に資金を提供しているとのこと。
イーロン・マスクがトランプ前大統領の支援団体に毎月4500万ドル献金へ - GIGAZINE
ウォール・ストリート・ジャーナルの報道に対しマスク氏は、「この報道はまったく愚かなものです。私はトランプ氏に毎月4500万ドルの献金をするとは一言も言っていません。あれは完全にウォール・ストリート・ジャーナルのフェイク記事です!」と否定しました。
一方でマスク氏は、「私はAmerica PACにいくらかの寄付をしていますが、金額ははるかに低く、PACの主要な価値観は実力主義と個人の自由を支持することです。共和党員の全員ではありませんが、大部分は実力と自由の側に立っています」と述べ、America PACに寄付をしていること自体は認めています。具体的にマスク氏がいくらの寄付を行っているのかは明言されていません。
Yeah, it’s ridiculous.
— Elon Musk (@elonmusk) July 24, 2024
I am making some donations to America PAC, but at a much lower level and the key values of the PAC are supporting a meritocracy & individual freedom.
Republicans are mostly, but not entirely, on the side of merit & freedom.
マスク氏は7月22日にX(旧Twitter)上で行われた保守系コメンテーターとのインタビューで、自身がAmerica PACの設立に関与していることを認め、政治に対する穏健な影響力として機能することを目的としていると主張。マスク氏は、「私は個人崇拝を方針にしていません」と述べつつも、狙撃事件の直後にトランプ氏が見せた姿はアメリカの敵を威嚇する役に立ったと付け加えました。
なお、トランプ氏は当選したらメキシコ製自動車の輸入に高関税をかけると発言しており、これを受けてマスク氏はテスラのメキシコ工場に対する投資を取りやめています。このように、トランプ氏の政策が必ずしもマスク氏のビジネスに好影響をもたらすとはいえない状況です。
Elon Musk: Trump presidency could harm Tesla competitors | Fortune
https://fortune.com/2024/07/23/elon-musk-trump-presidency-devastating-campaign-millions/
イーロン・マスク氏、テスラのメキシコEV投資「一時停止」トランプ氏発言で - 日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN240MT0U4A720C2000000/
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