キッズ系YouTuberの親に対して「収益の最大50%を子どもにわたす」ことを義務付ける法律が施行される
「子どもを動画に出演させて金銭を稼いだ場合、収益の最大50%を子どもに支払うことを義務付ける」とする法律がアメリカのイリノイ州で施行しました。
Illinois General Assembly - Bill Status for SB1782
https://www.ilga.gov/legislation/billstatus.asp?DocNum=1782&GAID=17&GA=103&DocTypeID=SB&LegID=146603&SessionID=112
Koehler law ensures child vloggers are accurately compensated
http://web.archive.org/web/20240709193628/https://www.senatordavekoehler.com/news/28-press-releases/462-koehler-law-ensures-child-vloggers-are-accurately-compensated
Illinois passes a law that requires parents to compensate child influencers | CNN Business
https://edition.cnn.com/2023/08/16/tech/kid-influencer-law/index.html
キッズ系YouTuberは「子どもがおもちゃで遊んだり菓子を食べたりする様子を撮影して編集した動画」をメインコンテンツとしています。非常に高い人気を誇るチャンネルも存在しており、例えば日本のキッズ系YouTuber「キッズライン」は1400万人もの登録者を抱えています。
キッズ系YouTuberは日本だけでなく世界中で人気で、アメリカでも多くのキッズ系YouTuberが活動しています。しかし、イリノイ州に住むシュレヤ・ナラモトゥ氏は「子どもが稼いだ金銭が子どもの手にわたることは保証されていない」と指摘。ナラモトゥ氏はこの状況を改善するべく州議会のデイブ・ケーラー議員に法案の提起を持ちかけました。
ナラモトゥ氏からの提案を受けたケーラー議員は「多くの親が子どもをデジタル環境で働かせ、子どもが稼いだ金銭を懐に入れている」という状況を重く受け止め、2023年2月に「子どもを動画に出演させて金銭を稼いだ場合、収益を子どもに支払うことを義務付ける」とする法案を議会に提出。法案は議会を通過し、2024年7月1日に法律が施行しました。
イリノイ州で施行された法律は、YouTubeなどの動画配信プラットフォームで活動する子どもの親に対して、収益の一部を子どもが成人した際に渡すことを義務付けるものです。具体的には、子どもが動画の30%以上に出演する場合は収益の30%、動画の50%以上に出演する場合は収益の50%を信託財産として保持し、子どもが18歳になった際に保持していた金額を支払う必要があります。
なお、ケーラー議員は「もちろん親も公平な立場にあるため、報酬を受けるべきだということは理解しています。それでも、子どものことを忘れてはいけません」と述べ、法律の必要性を強調しています。
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