メモ

2025年までに毎日7800万個のバッテリーが廃棄されると研究グループが提言していた


世界に存在するIoTデバイスの数は、スマート家電やスマートフォン、そのためのセンサーなど、合計で2025年には1兆個以上になると推定されますが、製品の耐用年数に比べてバッテリーは寿命の短いものが使われています。数年に1回のペースで交換すると、廃棄されるバッテリーの数は1日あたり7800万個にも及ぶことになるので、もっと持続可能な方法が必要だと研究グループ「EnABLES」が提言しました。

Position Paper – Access to facilities & expertise
https://www.enables-project.eu/outputs/position-paper/


Research Infrastructure Position Paper
(PDFファイル)https://www.enables-project.eu/wp-content/uploads/2021/02/EnABLES_ResearchInfrastructure_PositionPaper.pdf


Up to 78 million batteries will be discarded daily by 2025, researchers warn
https://cordis.europa.eu/article/id/430457-up-to-78-million-batteries-will-be-discarded-daily-by-2025-researchers-warn

「EnABLES」はアイルランドのティンダル国立研究所を中心とした、複数の大学が参加する研究グループです。ティンダル国立研究所のICT責任者でEnABLESのプロジェクトコーディネーターを務めるマイク・ヘイズ氏によると、IoTは緊急事態ともいえるような気候への取り組みから人々の健康管理まで、世界的にさまざまな用途に使われますが、社会に本当に利益をもたらすためには、増加するIoTデバイスへの電力供給の「ずれ」に対応する、中長期的な科学技術革新が必要だとのこと。


具体的には光、熱、振動などの微弱な環境エネルギーを収集して電気に変換し、センサーによるエネルギー消費を最小限に抑える「Power IoT」対策などが提唱されており、たとえばクレジットカードの半分のサイズのソーラーパネルがあれば、オフィスにある温湿度センサーを無期限で動かすことができます。

ティンダル国立研究所のEUプログラム責任者であるヨルゴス・ファガス博士は「EnABLESとそのパートナーのおかげで、EUはこの分野の科学技術のリーダーとしての地位をすでに確立しています。Power IoTの課題を克服することは、IoTの可能性を解き放ち、欧州グリーンディールの目的に貢献し、大きな経済的・社会的利益をもたらします。IoTは環境に優しいソリューションを提供しますが、より持続可能である必要があります」と述べました。

また、ヘイズ氏は「EUとアイルランドは、IoTを持続可能にするという課題克服のために、将来の技術開発をリードする機会を得ました。しかし、我々がEnABLESで実証したように、技術開発は分野を超えて協力して行う必要があります」と提言しています。

なお、これらの提言は2021年刊行のレポートで行われたもので、EnABLESは2022年にプログラムを終えています。

Access to facilities & expertise – European Infrastructure Powering the Internet of Things
https://www.enables-project.eu/

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in メモ, Posted by logc_nt

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