ハードウェア

硬貨サイズで50年動く超小型原子力電池を中国企業が開発


直径20mmの1円玉よりさらに小さい15mm×15mm×5mmというサイズで、100マイクロワットを50年にわたり供給可能だという超小型原子力電池を開発したことを、中国の北京貝塔伏特新能科技有限公司(Betavolt Technology)が発表しました。

北京贝塔伏特新能科技有限公司
https://www.betavolt.tech/


贝塔伏特公司成功研制民用原子能电池
https://www.betavolt.tech/359485-359485_645066.html

Chinese Firm developed Nuclear Battery that can Produce Power for 50 years – Sri Lanka Guardian
https://slguardian.org/chinese-firm-developed-nuclear-battery-that-can-produce-power-for-50-years/

Betavolt Technologyが開発した原子力電池は、ニッケル63同位体と中国では初となるダイヤモンド半導体(第4世代)モジュールを組み合わせたもの。原子力電池のアイデア自体は1960年代にアメリカとソ連によって広く研究されていますが、巨大で重く高価と難点が多く、航空宇宙用途での利用が中心で、民生用製品は普及していません。

今回、Betabolt Technologyは、2つのダイヤモンド半導体の間に厚み2マイクロメートルのニッケル63薄膜を配置して独立したモジュール式ユニットとすることで、放射線源であるニッケル63の崩壊エネルギーを効率的に電気に変換。生産コストを低く維持しつつ電池本体の大幅な小型化を実現しています。


発電量は1日8.64ジュール、1年間で3153ジュール。モジュール設計なので、複数の電池を組み合わせてより高い出力を実現できます。

すでにこの電池は試験生産段階にあり、規制当局の承認が得られれば、最初の製品が2025年に登場する見込みです。


なお、Betavolt Technologyはこの技術の特許を中国で取得しているほか、PCT国際特許の登録手続きを進めているとのこと。また、さまざまな研究機関や大学と協力して、ストロンチウム90やパラジウム147、重水素などの同位体を利用した、耐用年数が20年から30年の電池開発を目指しているそうです。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
10年以上交換不要な原子力電池を自作して携帯ゲーム機に組み込んだ猛者が登場 - GIGAZINE

脱炭素に向けた次世代の発電方式「小型モジュール式原子炉」の設計をアメリカの原子力規制委員会が承認 - GIGAZINE

ソ連崩壊から未完成のまま30年以上放置されているキューバの原子力発電所とは? - GIGAZINE

in ハードウェア, Posted by logc_nt

You can read the machine translated English article here.