サイエンス

モデルナのインフルエンザと新型コロナの混合ワクチンが臨床試験で有望な結果を示す


医薬品メーカーのモデルナが、インフルエンザと新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する混合ワクチン「mRNA-1083」の臨床試験で、個別にワクチンを接種するよりも高い免疫反応が誘発されたことを発表しました。

Moderna Announces Positive Phase 3 Data for Combination Vaccine Against Influenza and COVID-19
https://investors.modernatx.com/news/news-details/2024/Moderna-Announces-Positive-Phase-3-Data-for-Combination-Vaccine-Against-Influenza-and-COVID-19-/default.aspx


2-in-1 shot for flu and COVID shows promise in advanced trial | Live Science
https://www.livescience.com/health/medicine-drugs/2-in-1-shot-for-flu-and-covid-shows-promise-in-advanced-trial

モデルナによると、「mRNA-1083」は季節性インフルエンザワクチンである「mRNA-1010」と、COVID-19ワクチンである「mRNA-1283」の成分が混合されているとのこと。なお、各ワクチンはそれぞれ臨床試験において肯定的な結果を示しています。

モデルナは、それぞれ約4000人の成人からなる2つのグループに対し、片方のグループにはmRNA-1083を投与。もう片方のグループにはインフルエンザワクチンの「Fluzone High-Dose」または「Fluarix」と、COVID-19ワクチンの「Spikevax」を投与しました。


調査の結果、混合ワクチンを投与したグループでは、新型コロナウイルスの変異株「オミクロンXBB.1.5」とA型インフルエンザウイルス「H1N1」「H3N2」および一部のB型インフルエンザウイルスに対する防御抗体の発生数が有意に高く、ワクチンを別々に接種したグループよりも、優れた免疫反応が誘発されたことが明らかとなりました。

モデルナの最高医療問題責任者であるフランチェスカ・セディア氏は「混合ワクチンの大きな利点の1つは、ワクチン接種プロセスを合理化し、高い利便性で接種率を高めることです。混合ワクチンの接種によって、医師や薬剤師の注射にかかる時間を減らすことが可能になります」と述べています。また、「私たちは混合ワクチンについて考える時、接種回数が2回から1回に減るという利便性の要素しか考えていません。しかし、mRNA-1083の本当に画期的な面は、接種回数が減るという利点だけでなく、臨床的にも優れているという事実です」と語りました。


一方で、mRNA-1083は既存のインフルエンザワクチンやCOVID-19ワクチンの接種と同様に、注射部位の痛みや疲労感、筋肉痛、頭痛などの副作用が現れるとのこと。それでも、モデルナの担当者は報道機関に対し、今後の医学会議で臨床試験データを発表し、2025年秋までに規制当局による承認を得ることを目指しているそうです。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
約2年半で217回も新型コロナワクチンを接種した男性が報告される - GIGAZINE

新型コロナウイルスの遺伝情報を初めて公開した中国人研究者が研究室からの立ち退き命令を受けていたことが判明 - GIGAZINE

発見されていない未知のコロナウイルスにまで対応できる可能性を持つコロナウイルスワクチンが開発される - GIGAZINE

ワクチン接種で過去50年間に1億5400万人の命が救われたことが明らかに - GIGAZINE

「次のパンデミックはインフルエンザの可能性が高い」と専門家が警鐘を鳴らす - GIGAZINE

in サイエンス, Posted by log1r_ut

You can read the machine translated English article here.