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22億円超の損害賠償をCall of Dutyのチートツール販売元が支払うよう命じられる


シューティングゲーム「Call of Duty(CoD)」シリーズのチートツールを販売して利益を得ていたとして、ドイツのソフトウェアメーカーらに1446万5600ドル(約22億7700万円)の賠償金支払いが命じられました。

Case No. CV 22-51-MWF (JCx)
(PDFファイル)https://s3.documentcloud.org/documents/24698335/la22cv00051-mwf-o12.pdf

Activision Wins $14.5m Judgment After EngineOwning Cheat Makers Bailed Out * TorrentFreak
https://torrentfreak.com/activision-wins-14-5m-judgment-after-engineowning-cheat-makers-bailed-out-240529/

Activision wins $14.4M judgment against Call of Duty cheat vendor | VentureBeat
https://venturebeat.com/games/activision-wins-14-4m-judgment-against-call-of-duty-cheat-vendor/

Activision is awarded $14.5 million in a Call of Duty cheating lawsuit - The Verge
https://www.theverge.com/2024/5/29/24166932/activision-call-of-duty-cheat-creator-lawsuit-engineowning

2022年1月、CoDの販売元であるActivision Blizzardが、CoD向けのチートツールを販売したとして、ドイツのソフトウェアメーカーであるEngineOwningと、関連する複数の個人・団体を訴えました。Activision Blizzardは、EngineOwningの行動はコンピューター詐欺・乱用防止法違反やデジタルミレニアム著作権法(DMCA)規定違反に当たると主張しています。


EngineOwning側は「巨大企業による企業いじめである」として反発し、アメリカで雇った弁護士を通じて訴訟の棄却を求めていましたが、1ヵ月もたたない間に被告のうち2人が仲間割れし、Activision Blizzardと和解しました。裁判記録によると、1人は200万ドル(約315万円)、もう1人はその約半額の和解金の支払いで合意しています。その後、Activision Blizzardは引き続き残りのメンバーに対する訴えを継続していました。

Activision Blizzard側は、EngineOwningの内部通信記録と思われる証拠を武器に、被告らが不正な税金逃れに従事しつつ、違法に資金洗浄する方法について話し合っていたことや、日常的に詳細な指示を取り交わしていたことを指摘。また、被告らがチューリッヒのホテルのプレジデンシャル・スイートで数週間過ごすなど海外でぜいたくしていた疑惑や、弁護人に報酬を払うかコカインを買うかで悩んでいたなどの疑惑も突きつけていました。


ニュースメディアのTorrentFreakによると、訴訟が25人以上の被告に拡大したため、EngineOwningとアメリカの弁護士との間のコミュニケーションは停止状態に陥り、次第に弁護士が本件から手を引いていったとのことです。

本件を担当したマイケル・W・フィッツジェラルド連邦地裁判事は、Activision Blizzardが被告の手によって利益と営業権を失ったことを認め、DMCA違反等、原告の主張はすべて適格であると結論づけました。

これに伴い、判事はEngineOwningに対して総額1446万5600ドルの法定損害賠償を支払うよう命じました。これは、違反1件につき200ドルという最低法定損害賠償額に、チートツールの推定ダウンロード数である7万2328件をかけた金額です。

通常であれば、このような高額な支払いは免除されることが多いそうですが、原告が法廷に出頭しなかったことなどが不利に働き、全額の支払いが命じられているそうです。損害賠償に加え、Activision Blizzard側弁護士費用の29万2912ドル(約4600万円)の支払いもEngineOwningに求められています。


判決が言い渡された後もEngineOwningでは通常通りの業務が行われていて、「Call of Duty: Modern Warfare 2」などのチートツールがいまだに販売されていますが、いつまで業務が継続するのかは不明。なお、EngineOwningのサイトには差止命令が出されているとのことです。

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in ソフトウェア,   ゲーム, Posted by log1p_kr

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