最初のインターネット検索エンジン「Archie」のソースコードが発見され現代に復元される

1989年に開発された世界初のインターネット検索エンジンが「Archie」です。Archieは長らくインターネット上から消え去っていたのですが、テクノロジー関連YouTubeチャンネル「The Serial Port」がArchieのソースコードを入手して「Archieを用いた検索サイト」を構築することに成功しました。

We brought back the internet's first search engine - YouTube

Archieはコンピューター科学者のアラン・エムテージ氏が1989年に開発したインターネット検索エンジンで、FTPサーバーやWorld Wide Web(WWW)上の情報を検索できます。Archieは世界初のインターネット検索エンジンと見なされており、エムテージ氏はArchie開発などの功績が認められて2017年に「インターネットの殿堂」入りを果たしています。

しかし、2024年時点ではArchieを用いた検索システムは残存していません。そこで、The Serial PortはArchieのソースコードやバイナリデータを探し出してArchieを復元する計画を立てました。

エムテージ氏は「Archieのデータが入ったテープをコンピューター歴史博物館に寄贈した」と証言していますが、コンピューター歴史博物館のデータベースを検索してもArchieに関する情報は見つからなかったそうです。そこで、エムテージ氏が運営していたソフトウェア企業「Bunyip」の公式サイトのアーカイブをWayback Machineで検索。その結果、Archieに関するいくつかの情報が得られました。

例えば、Archieの製品ページには「Archieはもともとanonymous FTPの追跡用に開発したが、WWWにも使えるように拡張した」「Archieのメイン機能はデータ収集、データ共有、インデックス作成、検索の4つだが、特定のデータの種類に対応するように拡張することも可能」といった内容が記されています。

また、Archieの価格ページには、通常価格が6000ドルで、教育機関向けの価格は4000ドルと記されています。

しかし、Wayback MachineにもArchieのソースコードは残されていませんでした。The Serial PortはArchie関連製品の開発者やFacebook上のコミュニティなどにも連絡を取りましたが、成果は得られなかったとのこと、The Serial Portは最終手段として、Bunyip公式サイトのアーカイブに残されていた「Archieが動作しているサーバー一覧」に含まれるサーバーの管理者たちに問い合わせることにしました。

サーバー管理者たちに問い合わせた結果、「archie.icm.edu.pl」というサーバーを管理していたワルシャワ大学の「数理計算モデル学際センター」にArchieのソースコードやバイナリファイルが残されていたことが判明。The Serial Portは当該ファイルを受け取り、エムテージ氏から許可を得て「Archieを用いた検索サイト」を構築することに成功しました。

「Archieを用いた検索サイト」は以下のリンク先で公開されています。

Archie www interface
https://archie.serialport.org/

実際にArchieを用いた検索を試すには、「Text to serch for」と記された部分に検索ワードを入力して「Search」をクリックすればOK。

検索結果は以下のように表示されます。

なお、The Serial PortはArchieのドキュメントを以下のリンク先で公開しています。

Index of /archie/archie-3.5-docs
https://files.serialport.org/archie/archie-3.5-docs/

◆フォーラム開設中
本記事に関連するフォーラムをGIGAZINE公式Discordサーバーに設置しました。誰でも自由に書き込めるので、どしどしコメントしてください！Discordアカウントを持っていない場合は、アカウント作成手順解説記事を参考にアカウントを作成してみてください！

• Discord | "初めて触ったインターネット検索エンジンは何？" | GIGAZINE(ギガジン)
https://discord.com/channels/1037961069903216680/1240956899017490462