IntelやQualcommのHuawei向けチップ輸出ライセンスをアメリカ政府が取り消す
![](https://i.gzn.jp/img/2024/05/09/intel-qualcomm-huawei-licenses/00_m.jpg)
アメリカ政府が2024年5月7日、IntelやQualcommが持つ中国の通信機器メーカー「Huawei」へのチップ輸出ライセンスを取り消したことが明らかになりました。この動きは2024年4月にHuaweiが初のAI PCである「MateBook X Pro」を発表したことを受けて行われたとのことです。
intc-20240508
https://www.intc.com/filings-reports/all-sec-filings/content/0000050863-24-000086/intc-20240508.htm
US revokes Intel, Qualcomm's export licenses to sell to China's Huawei, sources say | Reuters
https://www.reuters.com/technology/us-revoked-some-export-licenses-chinas-huawei-2024-05-07/
![](https://i.gzn.jp/img/2024/05/09/intel-qualcomm-huawei-licenses/01_m.png)
US Revokes Intel, Qualcomm Licenses to Sell Chips to Huawei - Bloomberg
https://www.bloomberg.com/news/articles/2024-05-07/us-revokes-intel-qualcomm-licenses-to-sell-chips-to-huawei
アメリカ政府は2019年、通信内容を傍受して中国のサーバーに送信しているという懸念から、Huaweiを情報通信上のリスクがある外国製品の取引を禁止するための貿易制限リストに加えていました。
それでも、Huaweiのサプライヤーは、Huaweiの製品や技術を販売するために数十億ドル(数千億円)相当のライセンスを取得しています。このライセンスには2020年以降、IntelがHuaweiのラップトップ向けのチップ輸出を許可する項目も含まれていました。
Qualcommも同様に、2020年からHuaweiに対し4Gチップの販売や5G技術のポートフォリオをHuaweiにライセンス供与していました。Qualcommによると、Huaweiとのライセンス契約は2025年度に終了し、契約更新に向けた交渉を行っていた最中だったとのこと。
こうしたライセンスによって、Huaweiは貿易制限下でも複数の高性能デバイスを発売することに成功。その中には独自の5G技術を搭載しているとされるスマートフォン「Mate 60 Pro」も含まれています。また、2024年4月にはIntelの「Meteor Lake」世代のプロセッサを搭載したHuawei初のAI PC「MateBook X Pro」も発表されています。
HuaweiがIntelの「Meteor Lake」プロセッサを搭載したノートPC「MateBook X Pro」を発表 - GIGAZINE
![](https://i.gzn.jp/img/2024/04/15/huawei-matebook-x-pro/00_m.png)
一方で、こうしたHuaweiによる高性能デバイスの販売に懸念を示す議員もいて、一部の共和党議員から非難が殺到。共和党のマイケル・マコール下院議員は「IntelとQualcommの2社は、中国に少し近づきすぎではないかと常に心配していました」と述べています。
そしてアメリカ政府は2024年5月7日、IntelとQualcommに対するHuawei向けのチップ輸出に関するライセンスを取り消したことを発表。共和党のエリス・ステファニク下院議員は「この行動はアメリカの国家安全保障を強化しつつ、中国共産党の技術進歩能力を弱めることができるでしょう」と語りました。
![](https://i.gzn.jp/img/2024/05/09/intel-qualcomm-huawei-licenses/02_m.jpg)
これを受けてIntelは「2024年第2四半期の収益が125億ドル(約1兆9450億円)から135億ドル(約2兆1000億円)という以前の推測の範囲の中間点を下回ると予想しています」と報告。Qualcommは「今回適用された全ての輸出管理規制を引き続き順守します」と述べています。
中国外務省は「我々は、アメリカが国家安全保障の概念を過度に拡大し、輸出管理規制を乱用して正当な理由なく中国企業を抑圧することに断固として反対します」と批判しました。
・関連記事
Huawei制裁緩和にはチップメーカー各社のロビー活動が大きく影響している - GIGAZINE
中国政府が2600億円以上を半導体の国内製造に投資するもことごとく失敗、いったいなぜ? - GIGAZINE
IntelとAMDがロシアへの半導体販売を停止、TSMCも制裁に参加でロシアの国産チップにも影響する可能性 - GIGAZINE
中国のHuaweiがAMDのZen 3世代CPUに匹敵する性能のCPUを開発していることが判明 - GIGAZINE
AMDが「IntelだけがHuaweiと数億ドル規模の取引をするライセンスを取得していたのは不公平だ」と主張 - GIGAZINE
・関連コンテンツ
in モバイル, ハードウェア, Posted by log1r_ut
You can read the machine translated English article US government revokes Intel and Qualcomm….