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AI生成の外務省報道官「ヴィクトリア・シー」をウクライナが発表、まるで本物の人間のように話す紹介動画も公開中


ウクライナ外務省は現地時間の2024年5月1日、外務省を代表してメディアに向けて公式声明を発信するAI報道官「Вікторія Ші(ヴィクトリア・シー)」を発表しました。報道にAI生成のデジタルパーソンを使用することにより、人間の外交官の時間を節約するのが狙いとのことです。

The Ministry of Foreign Affairs of Ukraine has appointed a digital person to inform on consular issues | Ministry of Foreign Affairs of Ukraine
https://mfa.gov.ua/en/news/mzs-ukrayini-priznachilo-cifrovu-osobu-dlya-informuvannya-shchodo-konsulskih-pitan

Ukraine unveils AI-generated foreign ministry spokesperson | Artificial intelligence (AI) | The Guardian
https://www.theguardian.com/technology/article/2024/may/03/ukraine-ai-foreign-ministry-spokesperson

ウクライナ外務省が公開したAI報道官が実際に話す様子は、以下の公式動画で確認できます。

Вікторія Ші — цифрова особа МЗС України з консульських питань - YouTube


ウクライナ国旗が掲げられた壁を背に話しているのが、ウクライナ外務省のAI報道官です。話している様子はかなり自然で、事前にAI生成のデジタルパーソンだという情報がなければ違和感を抱かない人も多そうです。


「Вікторія Ші(ヴィクトリア・シー)」という名前は、「Вікторія(ウクライナ語で『勝利』を意味する)」と、「Ші(ウクライナ語で『人工知能(AI)』を意味する『Штучний інтелект』の略)」を組み合わせたものだそうです。

また、AI報道官の見た目は実在するウクライナの歌手であり、恋愛リアリティ番組の出演者としても人気を博したロザリー・ノンブレ氏を基に作成されました。ノンブレ氏はウクライナ外務省のプロジェクトに無償で参加し、自身をプロトタイプとしてAI報道官を作成することに同意したとのこと。ウクライナ外務省は、AI報道官とノンブレ氏はあくまで2つの異なる人格であり、外務省を代表してコメントするのはデジタルパーソンであるAI報道官だけだと説明しています。

AI報道官が話す内容はAIが生成したものではなく、実在する人間の担当者が執筆・確認したものに限られます。偽物が発生するのを防ぐため、AI報道官が登場する動画にはすべてウクライナ外務省の公式声明ページにリンクするQRコードが添付される予定です。


ウクライナのドミトロ・クレーバ外務大臣は、「領事館のコメントにAIが生成したデジタルパーソンを使うのは、主に外務省の時間とリソースを節約するためです。本物の外交官はより効果的に、市民を助けるための他の仕事に集中できます」「外交は、ウクライナだけでなく世界中で常に保守的な領域であり、革新が最も遅れていました。私たちはこれを変えようとしています」とコメントしました。

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in ソフトウェア,   動画, Posted by log1h_ik

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