銀河系が宇宙人の植民地になることはあり得るのか?
太陽系を含む天の川銀河には、記事作成時点までに銀河系内で知的生命体の存在は確認されていませんが、「実際は宇宙に生命があふれているのではないか」との仮定で、「エイリアンの植民地が広がっている可能性」や「なぜ地球では他の生命体を発見できないのか」について科学をアニメーションで解説するYouTubeチャンネル・Kurzgesagtが説明しています。
There Are Thousands of Alien Empires in The Milky Way - YouTube
太平洋に浮かぶオセアニアの島々は、まるで銀河系のように、数万平方キロメートルのうちに数万もの島々が点在しています。
約5000年前にポリネシア人は、自分たちが定住できる新たな土地を発見するためにこれらの島々を訪れたという歴史があります。
一部の島はただの岩礁だったり、ただヤシの木が生えているだけだったりと、生活には向かない土地が数多く見つかりました。
それでも、定住に向いた一部の島を発見したポリネシア人はそこを次々と植民地化しました。
こうしてポリネシア人の文化や社会がさまざまな島に広がっていきました。
植民地化された島々では、たとえ数千キロ離れていたとしても島同士での活発な交易や交流が行われていたとのこと。
実際に、オセアニアのピトケアン諸島の周囲500キロメートルには他の有人島がありませんでしたが、ピトケアン諸島の住民は他の島々との交易を行っていました。
しかし、ピトケアン諸島の住民は突然消滅。はっきりとした理由は不明ですが、持続不可能になるまで天然資源を使い果たしてしまったと推測されています。
オセアニア諸島で行われた植民地化や交易は銀河系でも起こり得るのでしょうか。
2000億から4000億もの恒星を抱える銀河系には、岩石でできた地球のような惑星が3億から数百億個存在すると考えられています。
さらに、銀河系に存在する一部の惑星は水が存在する可能性がある「ハビタブルゾーン」と呼ばれる位置に属しています。
しかし、ハビタブルゾーンに属する惑星の全てが地球のような住みやすい環境であるとは限りません。
金星や火星も「地球に似ている惑星」と呼ばれていますが、実際には容易に人間が住めるような環境ではありません。
また、別の惑星の環境を自分たちが住みやすい環境へと変える「テラフォーミング」も、経済的、資源的な面で不可能とされています。
銀河系をまたにかけて他の惑星に移住する文明が現れないのはこうした理由が考えられます。
それでも、無限の資源と科学技術を持った高度な知的生命体なら、惑星の探査やテラフォーミングといったプロセスを自動化することができるかもしれません。
しかし、宇宙はそう簡単なものではありません。全ての恒星は銀河系内を独自の軌道で移動し、近隣だと思っていた恒星の位置関係も一時的なものにすぎません。
また、地球のように移住に向いた惑星が発見されても、他の住みやすい惑星から何十光年も離れた孤立した環境である可能性もあります。
このような隔絶が要因で、地球で別の惑星の生命体を発見することができないとのこと。
一方で住むのに適した環境を持つ一部の惑星同士が集まって植民地化が進むと、オセアニアの島々のように盛んな交易が行われるかもしれません。
しかし、たとえ同じ遺伝子を持った生命体でも、それぞれの惑星に移住して長い年月を経ることで個体が変化し、異なる種になることも考えられます。
そのため、やがて交易が行われなくなり、滅びていく可能性も指摘されています。
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