動画

140億年以上膨張し続けている宇宙はどのような終わりを迎えるのか?


宇宙は約140億年前のビッグバンで誕生してから膨張し続けているといわれていますが、そんな宇宙はどうやって滅んでしまうのかについてはいまだにわかっておらず、さまざまな説が唱えられています。科学をアニメーションで解説するチャンネル・Kurzgesagtが宇宙の滅亡について提唱されている仮説をまとめました。

How To Destroy The Universe - YouTube


宇宙はおもに銀河、ガス、ダークマター(暗黒物質)で構成されています。


これらは重力・電磁力・弱い力・強い力という相互作用で構成されており、互いに引き寄せ合っています。この重力が宇宙の膨張にブレーキをかけている状態といえます。


これに対して、宇宙を加速膨張させるエネルギーとしてダークエネルギーの存在が考えられています。いわば反重力ともいえるダークエネルギーの正体は未だ不明ですが、宇宙空間の中に「偽の真空」と呼ばれるエネルギー状態があり、この偽の真空がもつ真空エネルギーがダークエネルギーではないかという説があります。


ダークエネルギーは計算上存在するエネルギーではありますが、このダークエネルギーと相互作用のパワーバランスによって、宇宙の死は大きく分けて3パターンにわけられます。


1つ目は「熱的死」あるいは「ビッグフリーズ」です。


熱力学第2法則では、エントロピーの増大が示されています。これは熱やエネルギーの偏りは常に均一化する方向に流動し、逆に偏りが生まれるような状態にはならないということを意味します。


カップに角砂糖を入れてからお茶を注ぐと、どんどんと砂糖が溶けて薄まり、カップ全体に広がっていくように、宇宙全体の物質やエネルギーもどんどんと薄まっていきます。


宇宙は指数関数的な速度で膨張を続けます。すべての星や銀河は孤立していき、何千億年にもわたって静かに星が死んでいきます。


白色矮星中性子星もゆっくりと冷えていき、宇宙から光が消えていきます。


そのまますべての星や惑星がゆっくりと分解されてばらばらになり、最終的に何もなくなってしまいます。ただし、「宇宙全体のエネルギーが有限である」「宇宙全体が永遠と膨張する」という考え方が前提となっており、必ずしも熱的死を迎えるかどうかは定かではありません。


2番目の説が「ビッグリップ」です。


ダークエネルギーがすべての相互作用よりもさらに強くなった場合、ダークエネルギーがありとあらゆる空間に偽の真空を作り始め、突如としてすべての構造がバラバラになってしまうというわけです。


宇宙全体が膨張する速度が加速するあまり、時空自体が引き裂かれてしまい、宇宙が死んでしまうという、かなり衝撃的な終わり方です。


3つ目が「ビッグクランチ


これは逆に重力がダークエネルギーに打ち勝ち、宇宙全体の膨張が収縮に転じるというもの。


宇宙にあるすべての物質と時空は収縮していきます。


宇宙はビッグバンを起こした直後と同様に大きな1つの火の玉になり、さらに1つの特異点に収束していきます。


特異点に収束した宇宙は完全に消失するのか、あるいは再び膨張して新しい宇宙が誕生するかのどちらかの運命。私たちの宇宙がもしビッグクランチに至ったとして、果たしてどちらになるのかは神のみぞ知るというところです。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
超新星爆発が地球の近くで発生すると何が起こるのか? - GIGAZINE

ダークマターは独自の不可視な元素周期表を持っている可能性、鍵はビッグバン直後の「原始ブラックホール」 - GIGAZINE

宇宙で生命はいかにして誕生したのか? - GIGAZINE

この宇宙は丸ごとブラックホールの中にあると主張する「シュワルツシルト宇宙論」とは? - GIGAZINE

ビッグバン直後から10億年ほどの初期宇宙の時間の流れは極端なスローモーション状態だった - GIGAZINE

in サイエンス,   動画, Posted by log1i_yk

You can read the machine translated English article here.