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ついにiOS 17.4からEUの規制対応で代替アプリストアが解放されるもAppleが警告


AppleがiOS 17.4を2024年3月5日にリリースしました。iOS 17.4では、欧州連合(EU)のデジタル市場法に従うためにサードパーティーによる代替アプリストアへの対応が導入されましたが、EU圏以外に移動すると代替アプリストアを一切使えなくなるとAppleが説明しています。

About alternative app marketplaces in the European Union – Apple Support (UK)
https://support.apple.com/en-gb/118110

iOS 17.4 alternative iPhone app stores will stop working if you travel outside the EU - 9to5Mac
https://9to5mac.com/2024/03/05/ios-17-4-app-stores-stop-working-travel/

Parents can block 'unsafe' apps from outside of the App Store from being installed, here's how - 9to5Mac
https://9to5mac.com/2024/03/05/block-iphone-alternative-app-store-eu/

デジタル市場法は、AppleやGoogle、Metaなどの大手IT企業を厳しく規制する目的で2022年11月に発行し、2023年5月に施行されたEUの法律です。このデジタル市場法では、コアプラットフォームサービスを提供する企業が「ゲートキーパー」と定義されており、Googleの親会社であるAlphabet、Apple、Amazon、ByteDance、Meta、Microsoft、Samsungがゲートキーパーと認定されています。

Amazon・Apple・Google・Microsoftなど大手テクノロジー企業7社がEUのデジタル市場法における「ゲートキーパー」であることを認める - GIGAZINE


これを受けて、AppleはiOS向けの公式アプリストアであるApp Storeに新規約を追加し、アプリ開発者がサードパーティー製の代替アプリストアでアプリを配信したり、サードパーティー製の決済サービスを使うことを認めました。

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Appleによると、代替アプリストアを使う資格を得るには、ユーザーのApple IDがオーストリア・ベルギー・ブルガリア・クロアチア・キプロス・チェコ・デンマーク・エストニア・フィンランド・フランス・ドイツ・ギリシャ・ハンガリー・アイルランド・イタリア・ラトビア・リトアニア・ルクセンブルク・マルタ・オランダ・ポーランド・ポルトガル・ルーマニア・スロバキア・スロベニア・スペイン・スウェーデンのいずれかに設定されている必要があります。

さらに、物理的にも欧州連合内に居住している必要があり、デバイスの地理位置情報が上記のいずれかの国内である必要があります。その場合、ブラウザ経由で代替アプリストアをインストールし、App Store外からアプリをiPhoneにダウンロードできるようになります。


ただし、もしiPhoneの所在地が変更された場合、ユーザーに与えられた資格は失われる可能性があるとのこと。Appleは「短期間の旅行である場合は猶予があるが、EU圏外に長期間滞在する場合は代替アプリストアへのアクセス資格が取り消されます」と述べています。この「長期間」がどれぐらいの期間なのかは明記されていません。

資格を失うと、代替アプリストアをインストールできなくなり、代替アプリストアからダウンロードしたアプリは自動的に更新できなくなります。そのため、EU圏内に戻るか、アプリを削除してApp Storeから同じアプリをインストールする必要があります。


また、Appleは、App Store以外からダウンロードしたアプリにはヘイトスピーチ・極度の暴力、違法薬物摂取の奨励、ポルノコンテンツが含まれる可能性があると警告しています。そのため、AppleはiOSのペアレンタルコントロールによって、保護者が代替アプリストアをインストールできるかどうかを選択できるようにしたと発表しました。

ウェブ上のリンクをクリックして代替アプリストアをインストールしようとすると、以下のような警告文が表示されるとのこと。ペアレンタルコントロールで代替アプリストアのインストールを認めない場合、この警告から先に進むことができないとのこと。


加えて、ペアレンタルコントロールから代替アプリストアの年齢制限を設定することも可能だそうです。

さらに、代替アプリストアの開発者の資格を得るには、格付けAクラス以上の金融機関から100万ユーロ(約1億6000万円)以上のスタンバイ信用状を発行してもらい、これをAppleに提出することが義務付けられていました。しかし、新たにAppleは「Apple Developer Programで2年以上継続して契約して良好な地位を維持しているメンバー」かつ「2023年にEU内のiOSで年間インストール数が100万件を超えたアプリを所有している」という条件を満たせば資格が得られるとし、スタンバイ信用状を免除する条件も追加したことを発表しています。

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in モバイル,   ソフトウェア,   ネットサービス, Posted by log1i_yk

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