IntelがAI時代に適応した拡張プロセスロードマップやエコシステムパートナーの拡大を発表、2030年までに世界2位のファウンドリを目指す
Intelが2030年までに世界第2位のファウンドリになるという目標を実現するための拡張プロセスロードマップや顧客、エコシステムパートーナーの拡大を発表しました。
Intel Launches World’s First Systems Foundry Designed for the AI Era :: Intel Corporation (INTC)
https://www.intc.com/news-events/press-releases/detail/1675/intel-launches-worlds-first-systems-foundry-designed-for
IFS Reborn as Intel Foundry: Expanded Foundry Business Adds 14A Process To Roadmap
https://www.anandtech.com/show/21271/intel-foundry-future-14a-foveros-direct-beyond
A Peek at Intel’s Future Foundry Tech - IEEE Spectrum
https://spectrum.ieee.org/intel-18a
Intel Updates Roadmap With New 14A Node and Upcoming 'Process Evolutions' | Extremetech
https://www.extremetech.com/computing/intel-updates-roadmap-with-new-14a-node-and-upcoming-process-evolutions
Intel Foundry Reveals New Roadmap Details And Partnerships For The Age Of AI | HotHardware
https://hothardware.com/news/intel-foundry-services-for-the-era-of-ai
The Intel IFS Direct Connect 2024 Keynote (Starts at 8:30am PT/16:30 UTC)
https://www.anandtech.com/show/21272/the-intel-ifs-direct-connect-2024-keynote-starts-at-830am-pt1630-utc
2024年2月21日、IntelはAI時代に向けて設計されたより持続可能なシステムファウンドリビジネスとして「Intel Foundry」を立ち上げ、AI時代の後半に向けてリーダーシップを確立するために設計された拡張プロセスロードマップを発表しました。さらに、IntelはSynopsys、Cadence、Siemens、Ansysを含むエコシステムパートナーからのサポートを強調し、Intelの高度なパッケージングとIntel 18Aプロセスで検証されたツール、設計フロー、IPポートフォリオを使用して、Intel Foundryの顧客用チップ設計を加速していく準備が整っていることを概説しています。なお、Intel FoundryはこれまでIntel Foundry Services(IFS)と呼ばれてきたファウンドリ(製造受託)事業が改名された形です。
以下が発表された拡張プロセスロードマップで、Intelが開発中のプロセスルールである「Intel 14A」「Intel 18A」「Intel 3」「Mature Nodes」の進化ロードマップとなっています。この中には高度な3Dパッケージング設計向けのシリコン貫通ビアで最適化された「Intel 3-T」が含まれており、これは間もなく製造準備が整う予定です。この拡張プロセスロードマップによると、Intel Foundryは2年ごとに新しいノードを計画し、その過程でノードの進化を計画していることがわかります。
拡張プロセスロードマップの中でも特筆すべきなのが、Intel 18Aの後継プロセルルールとなることが目されている「Intel 14A」の存在です。Intel 14Aは次世代の極端紫外線リソグラフィ(EUV)である高開口数(高NA)EUVをIntelが初めて量産するもので、さらなる微細化を実現してくれます。
他にも、IntelはFCBGA 2D、EMIB、Foveros、Foveros Directを含むASAT製品の包括的なスイートにIntel Foundry FCBGA 2D+を追加すると発表。
さらに、Microsoftのサティア・ナデラCEOは、同社がIntel 18Aプロセスを用いて独自開発のチップを製造すると発表しました。ナデラCEOは「私たちは現在、個々の組織と業界全体の生産性を根本的に変える、非常にエキサイティングなプラットフォームの変革の真っ只中にいます。このビジョンを達成するには、最先端・高性能・高品質の半導体を確実に供給する必要があります。だからこそ、我々はIntel Foundryと協力することに非常に興奮しており、Intel 18Aプロセスで生産する予定のチップ設計を選択しました」と語っています。
これを受け、各メディアは「Microsoftが次世代チップの製造でIntelを利用」「Microsoftが新世代のチップ製造パートナーにNVIDIAではなくIntelを選ぶ」などと報じました。
Microsoft Will Use Intel to Manufacture Home-Grown Processor - Bloomberg
https://www.bloomberg.com/news/articles/2024-02-21/microsoft-will-use-intel-to-manufacture-home-grown-processor
Intel Stock: Chipmaker Building Foundry For AI Era | Investor's Business Daily
https://www.investors.com/news/technology/intel-stock-chipmaker-building-foundry-for-ai-era/
Microsoft turns to Intel, not Nvidia, to make new chip
https://qz.com/intel-microsoft-new-chip-semiconductor-nvidia-1851275354
Intel to manufacture chips for Microsoft as AI drives demand
https://www.ft.com/content/be22fa9d-d5ff-415d-b7d0-1b756751e344
Microsoft will use Intel Foundry to make its own chip using the Intel 18A process - Neowin
https://www.neowin.net/news/microsoft-will-use-intel-foundry-to-make-its-own-chip-using-the-intel-18a-process/
なお、Intelのパット・ゲルシンガーCEOはIntelの長年のライバルであるAMD向けのチップも開発したいと語ったことも報じられています。ゲルシンガーCEOはファウンドリチームの目標について、「目標は単純で、地球上で最も幅広い顧客にサービスを届けることです。顧客の中にはNVIDIAやQualcomm、Googleが含まれることを願っています。今日はMicrosoftがファウンドリの顧客となることを発表しましたが、将来的にはAMDも含まれることを願っています。我々は世界のファウンドリになりたいと考えており、西洋だけでなくあらゆる地域の顧客のファウンドリになりたいと考えています」と語っています。
Intel CEO Pat Gelsinger: I hope to build chips for Lisa Su and AMD | Tom's Hardware
https://www.tomshardware.com/pc-components/cpus/intel-ceo-pat-gelsinger-i-hope-to-build-chips-for-lisa-su-and-amd
Why Intel CEO is betting so much on chip manufacturing | Pat Gelsinger interview | VentureBeat
https://venturebeat.com/ai/why-intel-ceo-is-betting-so-much-on-chip-manufacturing-pat-gelsinger-interview/
この他、知的財産および電子設計自動化(EDA)パートナーであるSynopsys、Cadence、Siemens、Ansys、Lorentz、Keysightが、ファウンドリ業界初の裏面電源ソリューションを提供するファウンドリ顧客がIntel 18Aで高度なチップ設計を加速できるようにするためのツール適格性とIP対応状況を明らかにしました。これらの企業はIntelノードファミリ全体でのEDAとIPの有効化も確認しています。
さらに、複数のベンダーがIntelの組み込みマルチダイインターコネクトブリッジ(EMIB)2.5Dパッケージングテクノロジーのアセンブリテクノロジーと設計フローで協力する計画も発表しました。これらのEDAソリューションはファウンドリの顧客向けに高度なパッケージングソリューションのより迅速な開発と提供を保証します。
また、IntelはArmベースのSoC向けの最先端ファウンドリサービスを提供するArmとの協力を紹介する新興ビジネスイニシアチブも発表しました。この取り組みはIntelとArmにとって、Armベースのテクノロジーの開発・イノベーション・成長を促進するための重要な知的財産・製造サポート・資金援助におけるスタートアップをサポートする重要な機会となります。
Intelのシステムファウンドリアプローチは、工場のネットワークからソフトウェアに至るまでのフルスタックの最適化を提供します。Intelとそのエコシステムは継続的なテクノロジーの改善、リファレンス設計、新しい標準を通じて顧客がシステム全体にわたって革新できるようにします。Intel Foundry担当ヴァイスプレジデントのスチュアート・パン氏は、「Intelは回復力があり、より持続可能で安全な供給源から提供される、比類のないチップ機能システムによって補完された世界クラスのファウンドリを提供しています。これらの強みを組み合わせることで、最も要求の厳しいアプリケーション向けのソリューションを設計および提供するために必要なすべてを顧客に提供できます」と語りました。
この他、Intelは2023年にファウンドリで使用する電力の99%が再生可能エネルギーであると発表していました。しかし、Intelは2030年までに世界中の製造拠点で利用する電力の100%を再生可能エネルギーとし、埋め立て地への廃棄物ゼロなどを達成するとい環境分野への取り組みについても発表しています。なお、Intelは2040年までにスコープ1およびスコープ2の温室効果ガス排出量をゼロにし、2050年までに上流のスコープ3の温室効果ガス排出量を実質ゼロにすることを掲げています。
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