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AppleがChatGPTを利用した「大規模言語モデル搭載のSiri」のテストを行っていることが報じられる、iOS 17.4のベータ版のコードからその存在が明らかに


Appleが2024年1月26日に公開したiOS 17.4のベータ版に、OpenAIのチャットボット「ChatGPT」のAPIを呼び出す「SiriSummarization」と呼ばれるAIモデルのコードが含まれていることが明らかになりました。AppleはiPhone向け次世代OSの「iOS 18」に自社開発AIを搭載するとみられており、ChatGPTなどの力を借りてAppleがAIの開発を行っている可能性が示唆されています。

iOS 17.4: Apple continues work on AI-powered Siri and Messages features, with help from ChatGPT - 9to5Mac
https://9to5mac.com/2024/01/26/apple-siri-chatgpt-ios-18-development/


Apple is testing its in-house Chatbot Siri against ChatGPT
https://appleinsider.com/articles/24/01/26/ios-174-beta-has-signs-of-an-ai-improved-siri-ahead-of-wwdc-2024

SiriSummarizationに関するコードを発見した海外メディアの9to5Macによると、SiriSummarizationはAI機能のテストのためにOpenAIのChatGPTのAPIを呼び出し、文章の要約や質問への回答を行わせているとのこと。


また、実際にコードの中には「与えられたテキストについて要約してください」「この質問に答えてください」といった記載があることが確認されています。


さらに、SiriSummarizationのシステムプロンプトには、iMessageやSMSで命令が入力された場合の対応についての記述も含まれています。なお、海外メディアのBloombergは2023年10月に「Appleが質問に回答し、文章を自動で完成させる機能を備えたAIを開発している」と報じており、今回のSiriSummarizationの機能はこの報道に合致しています。

9to5Macは「iOS 18に搭載予定のAppleのAIはChatGPTを用いて動作するのではなく、プロンプトに対するSiriSummarizationとChatGPTの回答を比較し、開発に活用する目的でしょう」と推測しています。


また、9to5MacはiOS 17.4のコードから、Appleが4つのAIモデルのテストを行っていると指摘しています。そのうち2つはApple独自の大規模言語モデル「Ajax」と呼ばれるモデルを用いたチャットボット「AjaxGPT」で、iPhone上でローカルに動作するオフライン版とオンライン版の2つのバージョンが存在するとのこと。残りの2つはChatGPTと、Googleの大規模言語モデルである「FLAN-T5」です。

Appleによるこれらのコードから、Appleが大規模言語モデルをiOSに統合する取り組みを強化していることが明らかになりました。また、AppleはAjaxを用いた独自のAIシステムを同時に開発しており、そのシステムのテスト結果をChatGPTやFLAN-T5と比較していることも示されています。


なお、Appleが自社のAI技術をSIriなどのサービスに統合する計画が報じられているiOS 18は、例年どおりなら2024年6月に行われる開発者向け発表会「WWDC」で発表されると予想されています。

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in ソフトウェア,   ネットサービス, Posted by log1r_ut

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