メモ

誤情報の真偽を確かめるために検索するとかえって誤情報を信じてしまう可能性があるとの研究結果


誤情報やフェイクニュースの真偽を確かめるためには、情報のソースとなった「元ネタ」について自分自身で詳しく調べてみるのが大切です。一方で陰謀論やイデオロギーを広める人も、「自分で調べてください」といった言葉を頻繁に繰り返します。自分自身で情報を調べることが、結果的に誤情報や陰謀論を信じてしまうことにつながっている可能性について、政治学者らが明らかにしました。

New Research Suggests Online Search Can Increase Belief in Misinformation | TechPolicy.Press
https://www.techpolicy.press/new-research-suggests-online-search-can-increase-belief-in-misinformation/


How Search Engines Boost Misinformation | Scientific American
https://www.scientificamerican.com/article/how-search-engines-boost-misinformation/

セントラルフロリダ大学のケビン・アレット氏らは、↓
合計数千人の被験者に、タイムリーなニュース記事を「真実」「虚偽」「不明瞭」のいずれかに分類してもらう複数の実験を行いました。実験において、実験群は分類の際にGoogleなどの検索エンジンを使用するよう促され、対照群は何も知らされませんでした。こうして行われた分類を6人のプロのファクトチェッカーが評価しました。

その結果、オンライン検索を推奨された実験群は、虚偽または誤解を招く情報を真実であると分類する可能性が約20%高くなったとのこと。このパターンは、新型コロナウイルス感染症のような頻繁に報道された事例であっても同様で、それなりに把握していた情報であったとしても、検索によって真偽の判断が揺らいでしまうことが明らかになりました。

この理由としては、検索エンジンが誤解を招くような情報源を表示してしまっていることが可能性として挙げられるそうです。実験群が調べた検索語句や検索結果をアレット氏らがさらに詳しく分析したところ、実験群のおよそ3分の1が誤情報を目にしていたことが明らかになり、その結果として20%の上昇につながった可能性があるとのこと。


一例として、被験者に与えられた記事の中に「新型コロナウイルスによるロックダウンとワクチン接種義務により、この冬に飢餓と不安が広がる可能性がある。この飢餓は仕組まれたものであり、アメリカは陰謀に直面している」というものがありました。実験群がこれを分類しようとして「仕組まれた飢餓」という言葉を含んで検索すると、検索結果の約63%に信頼性の低いソースが出現しました。一方で、「仕組まれた」という言葉を除外すると、誤情報が表示されることはなかったそうです。

このことから、人々が誤情報や陰謀論の真偽を確かめようとして検索をすると、情報を信じてしまう結果を招くと結論づけられました。アレット氏らは「本研究は、検索エンジンが問題の解決に投資しなければならない点を浮き彫りにしました」と述べました。


この研究では、すべての被験者に検索するかどうかを決める選択肢が与えられておらず、もし選択肢が与えられていれば人々は違った行動をとったかもしれないと指摘する声もあります。

検索結果に誤情報が含まれる問題について問われたGoogleは「品質を重視し、有害な情報、誤解を招くような情報に人々がさらされないようなシステムを設計しています」と答えたとのことです。

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in Posted by log1p_kr

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