ムーアの法則は従来の2年から3年のペースに減速しているがまだ死んでいないとIntelのCEOが語る

by Fortune Brainstorm TECH
1965年にゴードン・ムーア氏によって提唱された「半導体の集積密度は18~24カ月で倍増し、チップの性能が倍になってもさらなる小型化が進む」という「ムーアの法則」は、微細化技術の行き詰まりによって、法則が成り立たないことが近年指摘されていました。しかし、Intelのパット・ゲルシンガーCEOは、ムーアの法則のペースが減速していることは認めつつも、依然として一定の期間でトランジスタの数が倍増していると主張しています。
Intel's CEO says Moore's Law is slowing to a three-year cadence, but it's not dead yet | Tom's Hardware
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Intel CEO Pat Gelsinger on Intel's place in the semiconductor industry - YouTube

ムーア氏によって1965年に提唱された「ムーアの法則」は「プロセッサ内のトランジスタ数は毎年2倍に増加する」というものです。しかし、近年の半導体業界での開発ペースは以前よりも低下していることから、NVIDIAのジェンセン・フアンCEOを含むさまざまな人物が「ムーアの法則は崩壊した」と指摘しています。
一方でゲルシンガー氏は「ムーアの法則は健在」という姿勢を強調しており、Intelでは「少なくとも2031年まではムーアの法則のペースを超えることが可能」と考えているとのこと。また、Intelでは裏面電力供給技術「PowerVia」などの技術を使用することでトランジスタ数を増やす「ムーアの法則2.0」を推進しています。

マサチューセッツ工科大学で行われた講演で「ムーアの法則の崩壊の可能性」について尋ねられたゲルシンガー氏は「ムーアの法則が崩壊しつつあると考えられ始めたのは30~40年前だと思います。ムーアの法則が成り立つ黄金時代は過ぎ去ってしまいましたが、今なお3年ごとにトランジスタ数は実質的な倍増を遂げています」と語りました。
また、ゲルシンガー氏は「2年ごとにトランジスタ数を2倍にできた頃は、新しいノードの開発だけで十分でしたが、最新のプロセスノードでは開発に要する時間が伸びてきています。特にIntel 7やIntel 4では、開発までに多くの時間を要しました」と述べています。
それでもゲルシンガー氏は「『ムーアの法則は崩壊した』と主張する批評家に対抗すべく、我々はさらなるチップの開発を行っています」と述べ、「Intelは2030年までに1パッケージに1兆個のトランジスタを詰め込む」という目標を掲げています。

一方でゲルシンガー氏は「2015年頃に発表したチップの開発には約100億ドル(約1兆4000億円)の費用がかかりました。今では、チップの開発に約200億ドル(約2兆8000億円)もの費用がかかるため、Intelを取り巻く経済状況には大きな変化が起こっています」と述べました。
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