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超音速機「コンコルド」のアフターバーナー付きエンジンが1億円で売れる


超音速旅客機「コンコルド」のアフターバーナー付きのエンジンがeBayに出品されました。「空を飛ぶことはできませんが、解体して家具やアートに転用するには最適です」という使用済みの状態で、56万5000ポンド(約1億200万円)の値付けでしたが、無事に売れています。

Concorde Turbo-Jet Engine, Complete with Afterburner | eBay
https://www.ebay.co.uk/itm/116001533010


There’s A Concorde Engine Complete With Afterburner For Sale On eBay
https://simpleflying.com/concorde-engine-for-sale-ebay/

「コンコルド」は1976年から2003年まで大西洋航路で用いられ、ニューヨークとロンドン、パリをわずか3時間台で結んだ超音速旅客機です。しかし、経済的事情や機材の老朽化などさまざまな事情が重なり、2003年に全機が退役しています。


生産機数はプロトタイプから合わせたとしても合計20機と少なく、2000年に1機が墜落事故によって失われたほかは、全機体が航空博物館や空港で保管・展示されています。唯一、1982年に引退した機体「F-BVFD」(量産型の11号機)だけが、他の機体との共食い整備に用いられたのち、1994年に400万フラン(約6億6400万円)で売却され解体されました。

eBayに出品されたエンジンは「F-BVFD」のものではなく、量産型14号機「G-BFKW」の第3エンジンとして使用されていたもの。


G-BFKWは1978年4月に就航しましたが、わずか2年後の1980年にエンジントラブルに見舞われ、修理に100万ポンド(約1億8000万円)が費やされています。復帰後は「G-BOAG」として再登録され、2003年10月の最終フライトまでに5066回の超音速飛行を実施。飛行時間は1万6239時間に達しています。

元所有者であるブリティッシュ・エアウェイズによる真正性証明書が付属するホンモノですが、ブリティッシュ・エアウェイズによる「静的展示にのみ使用可」との制限があるため、自作飛行機に取り付けて空を飛ばすことはできません。

大きさは6m×1.5mほどで、重さはスタンドと合わせて5.5トン。

56万5000ポンド(約1億200万円)が破格なのかどうなのか、なんとも判断のつかないところですが、すでに売約済みとなっています。どんな人が購入したのかは不明です。

なお、コンコルドは意外といろいろなパーツが世の中に流出していて、たとえばF-BVFDの機首部分はカンザスシティ近郊に住むファルハド・アジマ氏が入手して、庭に置いています。1990年代にオークションで落札したものだとのことで、「なぜこれを買ったのですか?」とよく聞かれるというアジマ氏は「この中に埋葬されたい」と答えています。

What’s Behind the Plane Behind the House Off Ward Parkway?
https://flatlandkc.org/curiouskc/question-everything/questions-answered/whats-behind-the-plane-behind-the-house-off-ward-parkway/

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in メモ,   乗り物, Posted by logc_nt

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