モバイルアプリの未リリース版やプロトタイプ版が含まれる1.2TBのリークデータ「テラリーク」がTestFlightのアーカイブで発見される、ゲーム保存活動家がはるか昔のゲームを次々と発掘中

モバイルアプリのベータテストが気軽に行えるTestFlightで2012年から2015年にかけて配信されたアプリのデータが、インターネットアーカイブ上に保存されていることが明らかになりました。このデータは「テラリーク」と呼ばれ、ゲーム保存活動家たちの注目を集めています。

Game preservationists dig for lost apps in TestFlight ‘teraleak’ - The Verge
https://www.theverge.com/2023/12/18/24006406/testflight-teraleak-game-preservationists

Apple TestFlight servers from 2012 to 2015 leak, containing terabytes of data | Eurogamer.net
https://www.eurogamer.net/apple-testflight-servers-from-2012-to-2015-leak-containing-terabytes-of-data

TestFlightはアプリ開発者がテスト用のiOSアプリをリリースするためのサービスです。このTestFlightのサーバーから2012～2015年にかけて収集されたデータがWayback Machine上で公開されていることが明らかになりました。このデータ漏えいは「テラリーク」と呼ばれており、数万個のiOSアプリやゲームアプリの存在が明らかになっています。テラリークで漏えいしたデータの総量は1.2TB程度です。

テラリークのCDNアーカイブは以下のポストにまとめられています。投稿者によると、テラリークには2012年から2015年までのほぼすべてのiOSアプリのベータ版およびプロトタイプ版が含まれているそうです。海外メディアのThe Vergeは、「このデータは2015年にTestFlightのウェブサイトから収集されたもののようで、恐らく設定を間違えたクラウドストレージから削除されたものと思われます。Wayback MachineのリンクにはAmazonのCloudFrontサービスとAWS用のS3サービスについての言及が含まれていました」と記しています。

テラリークをリスト化したものも作成されています。

This is an attempt to list the .ipa files available in the archive.
https://data.nicolas17.xyz/testflight-list.html

さらに、テラリークに含まれるアプリを簡単に検索できる「TestFlight Teraleak Search」も登場。テキスト検索でテラリークに含まれるアプリを検索可能です。

TestFlight Teraleak Search
https://syrupyy.dev/testflight

2014年初頭にAppleに買収されるまで、TestFlightはiOSアプリとAndroidアプリの両方をテストできるサービスでした。Appleは2015年2月にTestFlightのウェブサイトである「TestFlightApp.com」を閉鎖しましたが、このサイトから収集されたデータがテラリークという形で明らかになったというわけです。このTestFlightApp.comのキャッシュは2015年3月にInternet Archiveによりアーカイブされたものですが、これまでほとんど注目されることはありませんでした。

テラリークにはアングリーバードの複数のプロトタイプバージョンが含まれています。

このプロトタイプバージョンの中には未リリースのものも含まれており、そのひとつが「HATCHERY」(孵化場)と呼ばれるもの。以下は孵化場を実際にプレイしている様子を撮影したもの。

テラリークに含まれるRobloxやブレイキング・バッドといったアプリを実際に動作させている動画。

なお、テラリークではアプリがipaファイル形式で公開されていますが、アプリのバージョンが非常に古いため、最新のiPhoneやiPadでこれらのアプリが動作することはありません。