Twitchが性的コンテンツに関するポリシーを大幅緩和、乳首のイラストはOKだがVTuberの下乳はNG
ライブストリーミング配信プラットフォーム・Twitchが、性的コンテンツに関するこれまでのポリシーがわかりにくく、特に女性ストリーマーが不当にペナルティを受ける結果を招いたとして、2023年12月14日にポリシーを更新したと発表しました。
Updating our Approach to Sexual Content and Content Classification Labels
https://safety.twitch.tv/s/article/Updating-our-Approach-to-Sexual-Content-and-Content-Classification-Labels
Twitch’s new nudity policy allows illustrated nipples, but not human underboob | TechCrunch
https://techcrunch.com/2023/12/13/twitchs-new-nudity-policy-allows-illustrated-nipples-but-not-human-underboob-sexual-content-update/
‘Topless’ streamer Morgpie praises Twitch for new sexual guidelines changes - Dexerto
https://www.dexerto.com/entertainment/topless-streamer-morgpie-praises-twitch-for-new-sexual-guidelines-changes-2430425/
今回Twitchが行ったコンテンツポリシーの見直しは大きく分けて2つあり、そのうちの1つは性的コンテンツに関するポリシーの合理化です。Twitchによると、これまで許可されているコンテンツの基準がわかりにくかった原因として、性的コンテンツを扱う2つのポリシーが個別に存在していた点が挙げられるとのこと。
この問題を解消するため、Twitchは「性的描写のあるコンテンツ(Sexually Suggestive Content)」と「露骨な性的コンテンツ(Sexually Explicit Content)」のポリシーを性的コンテンツポリシーに統合し、重複する文言を削除しました。
これまで禁止されていたコンテンツのうち、今後はラベルを付けることで以下のようなコンテンツが許可されるようになります。
・服を着た状態で「胸、尻、骨盤のあたり」を意図的に強調したコンテンツ
以前は、服を着用していても胸や尻などを強調したコンテンツは禁止されていましたが、ストリーマーにとっては何がこの基準に該当するかわかりにくく、判断基準が主観的になりやすいという問題がありました。特に、以前あった「性的描写のあるコンテンツ」のポリシーは業界標準から外れており、その結果として女性ストリーマーが不当な罰則を受けることがあったとTwitchは述べました。
・完全に露出した女性の乳房、および性別に関係なく性器、臀部をフィクション化(描画、アニメーション、または造形)したもの
具体例として「裸婦を描く練習」や「キャラクターの裸の臀部が見えるイラストのクローズアップ」が挙げられており、この変更によりイラストであれば乳首が解禁されたことになります。
このほか、ストリップなど服を脱いだり脱ぐようなジェスチャーを行ったりするエロティックなダンスも許容されるとのこと。
ただし、「現実の動作をデジタルキャラクターで再現する拡張現実アバター」、いわゆるVTuberは通常のストリーマーと同じ服装に関する基準を守らなければならないとのこと。そのため、実写の女性ストリーマーと同様にVTuberも乳首を隠す必要があります。また、胸の谷間はこれまでと同様に無制限な一方でアンダーバスト、いわゆる「下乳」は依然として禁止されているほか、乳房の側面、いわゆる「横乳」の扱いも不明瞭なままだとIT系ニュースサイトのTechCrunchは指摘しました。
こうした点について、TechCrunchは「新しいポリシーは細心の注意を払って詳細に説明されており、さまざまな状況を考慮していますが、矛盾しているようにも見えます」とコメントしています。
変更点の2つ目は、トップページにおすすめとして表示されるコンテンツの扱いです。これまでは、過激なコンテンツのサムネイルがトップページに並んでしまい、不快な思いをするユーザーもいたとのこと。そのため、今後は「薬物、酩酊(めいてい)、過度の喫煙」「暴力的で生々しい描写」「ギャンブル」「性的テーマ」のラベルが付いたコンテンツはトップページに表示されなくなります。
ただし、「成人向けゲーム」や「冒瀆(ぼうとく)的な内容を含む」とラベル付けされたストリームは、上記のラベルが入っていない限り引き続きトップページに表示されるとのことです。
Twitchが今回実施したポリシー変更の背景には、女性ストリーマーがトップレスもしくはトップレスに見える服装をしつつ、首から上しか映さないことで規約に抵触しないようにした「トップレスメタ」と呼ばれる配信スタイルの流行があると指摘されています。
上半身裸の女性ストリーマーによる過激な配信の流行が物議を醸した一方、コンテンツポリシーに違反していないもかかわらずそのような配信を行ったストリーマーが追放処分を受けたことに対する不満も出ており、Twitchにはポリシーを明確化するよう求める声が相次いでいました。
「トップレスメタ」の火付け役とされているストリーマーのMorgpieさんは、ゲーム系メディア・Dexertoに対して「利用規約のアップデートにより、成人向けテーマを含むTwitch上のコンテンツが許可された一方で、サイトのトップページでプッシュされることはなくなりました。これは考えられる限り最良の結果だと思います。なぜなら、そうしたコンテンツがそれを望まない視聴者の元に届くことを防ぎながら、クリエイターに大きな自由が与えられたからです。ブラボー、Twitch!」と話しました。
なお、MorgpieさんのTwitchアカウントはアクセス禁止となっており、記事作成時点でも解除されていませんが、Morgpieさんは大々的な復帰を計画しているとのことです。
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