TwitchがコンテンツモデレーションやAI倫理を担当する従業員を解雇していたとの報道
Amazon傘下の動画配信プラットフォーム「Twitch」がAmazonの大規模解雇の影響を受け、モデレーションを担当する従業員のうち約15%を解雇していたことが伝えられました。専門家はコンテンツ保護体制への影響を懸念しています。
Amazon’s Twitch Safety, AI Ethics Job Cuts Raise Concerns Among Ex-Workers - Bloomberg
https://www.bloomberg.com/news/articles/2023-04-11/twitch-cuts-in-safety-ai-ethics-raise-concerns-among-ex-workers
この問題に詳しい元従業員によると、Twitchで配信される虐待や違法行為の監視を担当するスタッフの約15%が解雇され、プラットフォームの安全性に関する課題に取り組むことを目的としたいくつかの機能やイニシアチブが宙に浮いた状態になってしまっているとのこと。
人員削減により、特にBANされたり停止されたりしたストリーマーからの訴えを担当していた人たちが最も大きな影響を受けたそうです。元従業員は、業務の一部は外部に委託される予定だとも話しています。
Twitchでは毎日250万時間のライブコンテンツが配信されていますが、すべてのコンテンツが直接監視されているわけではありません。2022年にニューヨーク州バッファローで起きたスーパーマーケットでの銃撃事件をはじめ、いくつかのテロ事件がTwitchでライブ配信されたこともあり、同社は高度な取り締まりツールを必要としています。
Twitchはプラットフォームが発展するにつれてAutoModなどのモデレーションツールに投資しているほか、ユーザーからの報告を評価し、利用規約や法律に違反するコンテンツを削除するために、専門家を雇うなどの対策をすでに実施しています。
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また、Twitchの幹部はイギリスの規制当局であるOfcomの代表と会談し、同プラットフォームにおける児童への性犯罪に対抗する同社の計画について議論。Twitchは追放されたクリエイターの更生を支援し、責任ある行動や著作権について教育する計画を策定していました。
こうした取り組みのさなかにモデレーションチームの人員が解雇されたことが伝えられたため、専門家は「オンライン上の虐待や嫌がらせを減らす努力を大きく妨げる可能性がある」と意見しています。また、元従業員は「TwitchはAIへの取り組みを監視する新しいチームを畳んだ」とも話しました。
Amazonは2023年1月に1万8000人以上の従業員を解雇し、同年3月にはさらに9000人以上の追加削減を行うことを発表しています。削減対象には主にAWSやTwitch、広告、人事部門の従業員が含まれており、経済停滞の影響に対応したことがCEOの口から伝えられています。
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