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スマートフォンのバッテリー寿命を節約するためにバックグラウンドでアプリを終了させてしまうメーカー14選


スマートフォンの性能が年々向上する一方で、バッテリー容量はスマートフォンの登場以来大きく変化していません。そのため、各種スマートフォンメーカーはバッテリー節約機能をファームウェアに組み込むことで、バッテリー寿命を伸ばそうと工夫しています。しかし、一部のシステムはバックグラウンドでの起動が重要になるアプリを強制的に終了させ、ユーザーに不都合を与えるとされています。「Don't kill my app!」というサイトは、該当するようなシステムを導入するメーカーを具体的に14社挙げています。

Don’t kill my app! | Hey Android vendors, don’t kill my app!
https://dontkillmyapp.com/


◆1:Samsung
2018年にリリースされたAndroid 9以降のSamsung端末では、3日間過ぎたアプリが強制終了されてしまい、バックグラウンドでの起動ができなくなっています。Don't kill my app!は「3連休を取った際、平日の普段の時間通りスマートフォンのアラームを使う人は少ないでしょう。その結果、3日過ぎた後の平日にアラームが鳴ることはなく、仕事に遅刻することになります」との例を挙げています。

Don't kill my app!は「業界で最も厄介なバッテリー節約技術をユーザーのスマートフォンに導入しています」と指摘しています。また、ユーザーが取れる回避策として、アプリごとの設定からバッテリー使用量の最適化を行う、バッテリーの劣化を防止する「バッテリー充電の最適化」の設定、「未使用のアプリをスリープ状態にする」項目の変更を行うことをDon't kill my app!は推奨しています。


◆2:OnePlus
OnePlusのスマートフォンでは、アプリを適切に動作させるために、ユーザーは追加の設定を有効にする必要があるとのこと。また、それらの設定はファームウェアの更新ごとにリセットされるそうです。そのため、アプリごとのバックグラウンドプロセス設定はファームウェアの更新ごとに機能しなくなり、ユーザー側でこれらの設定を定期的に有効化する必要があります。

回避策としてDon't kill my app!は、「最近使ったアプリ」の欄からアプリのロックを行うことで、アプリがバックグラウンドで強制終了されることがなくなることを挙げています。これによってファームウェアの更新でシステムがリセットされることがなくなるとされていますが、定期的にシステム設定を見直すことをDon't kill my app!は推奨しています。

◆3:Huawei
Nexus 6Pを除くHuaweiスマートフォンでは、アプリが60分以上バックグラウンドに置かれた場合、自動的に処理が終了する機能が搭載されています。なお、この機能は「PowerGenie」と呼ばれるカスタムサービスで、ユーザーが無効にすることはできません。

Don't kill my app!はアプリの手動管理の有効化やスタートアップマネージャーの利用、PowerGenieのアンインストールを行うことを提案しています。

◆4:Xiaomi
XiaomiによるAndroidのカスタマイズは、非標準のバックグラウンドプロセスの制限と非標準の権限に関して、スマートフォン市場で最も問題のあるグループに属しているとのこと。デフォルト設定では、バックグラウンド処理は正しく機能せず、バックグラウンド処理が必要なアプリでは問題が生じるとされています。

「アプリのピン留め」や「自動起動権限の設定」「バッテリーマネージャーの見直し」などを行うことで状況が改善する可能性をDon't kill my app!は示唆しています。


◆5:Meizu
MeizuもHuaweiやXiaomiと同様に、バックグラウンドプロセスの制限について問題があるとされています。そのため、Don't kill my app!は「デバイス設定」から電源プランの「パフォーマンス」への変更や「保護されたアプリ」の有効化、「電力を大量に消費するプロンプト」と「画面をオフにした後もアプリの実行を続ける」をオンにすることを推奨しています。

◆6:Asus
Asusのデバイスには「Power Master」と呼ばれるバッテリー最適化アプリがプリインストールされています。このアプリは画面がオフになった時にアプリの機能をブロックしたり、バックグラウンドタスクを強制終了したりするなどの機能がデフォルトで搭載されています。そのため、ユーザーは状況に応じてPower Masterを無効化することが求められます。

◆7:Wiko
Don't kill my app!はWikoについて「現在Wikoデバイスに関するフィードバックを収集中です」と述べる一方で、「非標準のバックグラウンドプロセスの最適化と、アプリを適切に機能させるために設定を調整する必要があるため、間違いなく問題を抱えています」と指摘しています。

◆8:Lenovo
Don't kill my app!はLenovoについて「Lenovo P2のバッテリー節約機能については、依然として情報収集中です」と述べ、バックグラウンドでアプリを動作させるための手順を紹介しています。

◆9:Oppo
Oppo F1sに関する情報しかありませんが、他のモデルでも似たような状況である可能性があります」とDon't kill my app!は推測しています。具体例として、Oppo F1sでは画面をオフにする度にバックグラウンドで起動されているアプリが強制終了されるとのこと。対応策としてDon't kill my app!は、アプリを「最近使ったアプリ」欄にピン留めすることやセキュリティアプリの設定、バッテリーの最適化のオフ、サービスに永続的な通知を提供することを推奨しています。


◆10:Vivo
Don't kill my app!によると、バックグラウンドで読み込まれるアプリには自動起動のための特別な権限が必要とのこと。そのため、「アプリの切り替え」を有効化または無効化を行うことや、タスクバーでのアプリのロック、電力消費が激しい場合でもアプリの動作を続ける設定をオンにすることをDon't kill my app!は推奨しています。

◆11:Realme
Realm製スマートフォンでのシステム制限について、詳細は明らかになっていませんが、Don't kill my app!は「システム設定」の「バッテリー」セクションから省電力オプションの変更やアプリごとのバッテリー管理、パフォーマンスモードの設定を変更することを推奨しています。


◆12:Blackview
ユーザー向けソリューションとしてDon't kill my app!は「バッテリーの最適化」や「最近使ったアプリのロック」の設定、スマートアシストの「Duraspeed」のオフなどを行うことを提案しています。

◆13:Sony
Sony製のスマートフォンには、「スタミナモード」と呼ばれる、全てのバックグラウンドプロセスとアラームを即座に停止する機能が搭載されています。Don't kill my app!は「バックグラウンドで何かアプリを起動したい場合、絶対に無効にしてください」と述べています。また、アダプティブバッテリー機能や省電力設定を見直すことを推奨しています。

◆14:Unihertz
UnihertzのAtom LAtom XLJelly 2にはサードパーティ製のアプリのバックグラウンドでの動作をブロックする機能が搭載されています。そのため、Androidの機能としてのバッテリー最適化機能と組み合わせることで、アプリが期待通りに機能しなくなる可能性があります。

Don't kill my app!は、デバイスの設定から「インテリジェントアシスタンス」、「アプリブロッカー」を開いてアプリごとにバックグラウンドでの動作を設定することや、ブートブロッカーやスタートブロッカー、バックグラウンドブロッカー、バックグラウンドクリーンアップを含む各種機能を無効化することを推奨しています。

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in モバイル,   ソフトウェア,   ハードウェア, Posted by log1r_ut

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