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NVIDIAが対中国輸出規則を回避する高性能AIチップ「H20」の発売を2024年第1四半期まで延期すると報じられ株価が下落


アメリカは中国に対する高性能半導体の輸出を厳しく制限していますが、NVIDIAなどの半導体企業は輸出規制に抵触しないギリギリの性能の半導体を製造して中国への輸出を続けていました。ところが、2023年11月24日に大手通信社のロイターが「NVIDIAが中国向け高性能チップの発売を延期予定」と報道したところ、NVIDIAの株価が下落する事態に発展しています。

Exclusive: Nvidia delays launch of new China-focused AI chip -sources | Reuters
https://www.reuters.com/technology/nvidia-delays-launch-new-china-focused-ai-chip-sources-2023-11-24/

Nvidia stock down as it reportedly delays new China AI chip
https://www.cnbc.com/2023/11/24/nvidia-shares-fall-as-it-reportedly-delays-new-china-ai-chip.html

アメリカは中国におけるAIの研究開発を軍事上の脅威と認識しており、2022年には一定の性能を超えるAIチップの輸出制限を始めました。NVIDIAなどの半導体企業は中国への販売を続けるために「高性能AIチップの性能を輸出規制に引っかからない程度まで抑えたバージョン」を開発していたのですが、2023年10月にはさらなる規制強化が発表され、中国向けの性能制限版の販売も困難となりました。

アメリカが中国へのAIチップ輸出制限を強化しNVIDIA製チップの輸出が困難に - GIGAZINE


それでもNVIDIAは一定の性能を保ちつつ規制を回避できるAIチップの開発を進めており、2023年11月9日にはAIチップ「H20」「L20」「L2」を中国向けに投入予定であることが報じられました。投入予定のAIチップの中でも「H20」は2022年に輸出が規制されたAIチップ「H100」と比べてLLM推論性能が20%向上しているとされており、NVIDIAが規制回避に成功するのか否かに注目が集まっていました。

NVIDIAが数日以内に3つの新しいH100ベースのAIチップを中国に投入する予定との報道、輸出規制回避に必死な姿が浮き彫りに - GIGAZINE


そんな中、2023年11月24日にロイターが関係筋2名からの情報として「NVIDIAが中国の顧客に対してH20の発売を2024年第1四半期まで延期予定と伝えた」と報じました。ロイターによると、発売延期の理由は「サーバーの製造者がチップの統合に関する問題を抱えているから」とのこと。またL20は延期されずに発売予定でL2に関しては情報が得られなかったとされています。

なお、報道を受けてか、NVIDIAの株価は2023年11月24日の取引終了時点で前日比1.9%下落しています。

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in ハードウェア, Posted by log1o_hf

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