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OpenAIの経営陣がサム・アルトマンCEOに復帰を打診するも「もう遅い」可能性、新AI企業創設のウワサも

by TechCrunch

OpenAIのCEOを務めていたサム・アルトマン氏が2023年11月17日に、突然解任されました。そのわずか1日後、投資家やアルトマン氏の支持者からの圧力によりOpenAIはアルトマン氏と復帰について協議を進めているものの、アルトマン氏がOpenAIに戻るかどうかは未知数だと報じられています。

OpenAI board in discussions with Sam Altman to return as CEO - The Verge
https://www.theverge.com/2023/11/18/23967199/breaking-openai-board-in-discussions-with-sam-altman-to-return-as-ceo

OpenAI board attempts to hit “Ctrl-Z” in talks with Altman to return as CEO | Ars Technica
https://arstechnica.com/information-technology/2023/11/breaking-sam-altman-reportedly-in-talks-for-potential-return-as-openai-ceo/

テクノロジー業界に激震をもたらしたアルトマン氏の解任からわずか1日後の2023年11月18日、OpenAIの取締役会がアルトマン氏と復職について協議していることが関係者の話により判明したと、IT系ニュースサイトのThe Vergeが報じました。しかし、アルトマン氏の態度は「曖昧」であり、仮に復帰するとしてもガバナンスの大幅な変更を望んでいるとされています。

The New York Timesによると、この協議はOpenAIの投資家やアルトマン氏の支持者からの圧力によるものだったとのこと。解任について報告したアルトマン氏の「OpenAIチームを愛しています」というSNSの投稿には、次期CEOのミラ・ムラティ氏を含む多くのOpenAIの従業員が「ハートマーク」で応えており、OpenAIの取締役会が「アルトマン氏が引き続きOpenAIを率いる能力をもはや信頼していません」と解任事由を説明したのとは裏腹に、社内にはアルトマン氏の支持者が多いことがうかがえます。


アルトマン氏の解任から数時間後には、OpenAIの社長で元取締役会長のグレッグ・ブロックマン氏が辞任を表明し、2人で新しい会社を設立することについて投資家や知人らと話し合っているとされています。また、上級研究員が相次いで辞任しているという情報もあります。

OpenAIの最大の出資者であるMicrosoftは、解任直後の声明で「今後もOpenAIとのパートナーシップにコミットし続けます」と発表していますが、OpenAIの投資家には事前の通知も、CEOの解任という重要な決定について検討する機会も与えられていませんでした。


取締役会がアルトマン氏と復帰について協議しているとの報道について、IT系ニュースサイトのArs Technicaは「取締役会が全世界からの反応の大きさに驚いている可能性があり、OpenAIのテクノロジーに大きく賭けているMicrosoftなどの投資家からの圧力をひしひしと感じていることを示唆しています」と指摘しました。

OpenAIの取締役会は、主任科学者のイルヤ・サツキヴァー氏、Q&Aサイト・QuoraのCEOであるアダム・ディアンジェロ氏、都市モデリング技術開発企業・GeoSim SystemsのCEOであるターシャ・マッコーリー氏、セキュリティ企業・Center for Security and Emerging Technologyの取締役であるヘレン・トナー氏で構成されています。


一般的な企業とは異なり、OpenAIの取締役会は株価を最大化するという使命を持っておらず、OpenAIの株式を保有している取締役もいません。代わりに、取締役会は人間と同等以上の知性を有する汎用人工知能(AGI)の実現を目指していると表明しています。

アルトマン氏の追放にはサツキヴァー氏が関与しており、このクーデターは内部の「研究側」と「製品側」の権力闘争を示唆していると報じられています。

OpenAIのサム・アルトマン元CEO解任は主任研究員のイルヤ・サツキヴァー氏との「AIの安全性」をめぐる対立が原因か - GIGAZINE


OpenAIの取締役会は、アルトマン氏およびブロックマン氏の復帰について大筋で合意していますが、二の足を踏んでおり、OpenAIのスタッフの多くが制限時間として設定した現地時間の11月18日17時までに態度を決めることができませんでした。今後の動向について、The Vergeは「もしアルトマン氏が会社を辞めて新しい会社を立ち上げることを決めたら、スタッフらは間違いなく彼に続くでしょう」と述べています。

その後の19日、OpenAIの最高執行責任者であるジェイソン・クォン氏は従業員らに対し、「OpenAIはアルトマン氏の復帰について楽観的」と話したとのことです。

・つづき
OpenAIから突如解任されたサム・アルトマン元CEOは以前から新しい事業の立ち上げを計画していた - GIGAZINE

by Number 10

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in ソフトウェア, Posted by log1l_ks

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