しゃべり方から数秒で2型糖尿病かどうかを見抜けるAIが登場
AIと音声技術を組み合わせることで、2型糖尿病を高精度で判別する手法をカナダの医療スタートアップであるKlick Healthの研究所・Klick Labsが開発しました。このモデルによる病気の検出精度は女性で89%、男性で86%だとのことで、論文は「Mayo Clinic Proceedings: Digital Health」に掲載されています。
Acoustic Analysis and Prediction of Type 2 Diabetes Mellitus Using Smartphone-Recorded Voice Segments - Mayo Clinic Proceedings: Digital Health
https://www.mcpdigitalhealth.org/article/S2949-7612(23)00073-1/fulltext
AI and 10 seconds of voice can screen for diabetes, new study in Mayo Clinic journal reveals | Klick Health®
https://www.klick.com/ja/news/ai-and-10-seconds-of-voice-can-screen-for-diabetes-new-study-in-mayo-clinic
The Way You Speak Can Reveal Whether You Have Type 2 Diabetes : ScienceAlert
https://www.sciencealert.com/the-way-you-speak-can-reveal-whether-you-have-type-2-diabetes
Klick Labsの研究者は、糖尿病2型と診断された人および糖尿病ではないと診断された人、あわせて267人を対象に、毎日6回、2週間にわたって決まったフレーズをスマートフォンに録音してもらい、合計1万8465件の音声データを取得しました。
研究者は、この音声データを処理し、人間の耳では知覚できないピッチや強さの変化など、非糖尿病患者と糖尿病2型患者で14の音響特徴の違いを見つけ出しました。
音声データに性別、年齢、BMI、2型糖尿病の有無などの要素をラベリングしてAIでトレーニングしたところ、AIは女性で89%、男性で86%の精度で、2型糖尿病かどうかを判別することができました。現在、2型糖尿病かどうかを診断するためには採血して分析する必要がありますが、新たな方法だとスマートフォンで音声を録音するだけで検出が可能です。
研究者らは、この成果を検証するには、より大規模で多様な人々のグループによる検査が必要であると述べています。
論文の筆頭著者であるジェイシー・カウフマン氏によると、男性と女性では音響特徴の違いが異なり、男性の場合は強度と振幅の変動が重要で、女性の場合はピッチの変化が大きかったとのこと。
カウフマン氏は「我々の研究は、2型糖尿病の患者とそうではない人との間で発声に大きな違いがあることを明らかにするもので、医学界が糖尿病をスクリーニングする方法を大きく変える可能性があります」と述べました。
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