「無料の野菜や果物」を与えることで糖尿病や肥満の患者が改善したという報告


管理や調理の手間がかかったり、そもそも味を好まなかったりするなどの理由で、野菜や果物を普段食べないという人は少なくないはずです。同じように普段野菜や果物を食べない糖尿病、高血圧、肥満の人々に「無料」で食べ物を提供したところ、その人たちの健康状態が改善したことが分かりました。

Impact of Produce Prescriptions on Diet, Food Security, and Cardiometabolic Health Outcomes: A Multisite Evaluation of 9 Produce Prescription Programs in the United States | Circulation: Cardiovascular Quality and Outcomes
https://www.ahajournals.org/doi/10.1161/CIRCOUTCOMES.122.009520


Prescriptions for fruits and vegetables can improve the health of people with diabetes and other ailments, new study finds
https://theconversation.com/prescriptions-for-fruits-and-vegetables-can-improve-the-health-of-people-with-diabetes-and-other-ailments-new-study-finds-212072

アメリカの多くの医療機関は、患者に無料で健康的な食事を提供する「食は薬(Food is medicine)」プログラムを実施しています。タフツ大学フリードマン栄養科学政策大学院のカート・ヘイガー氏らは、複数の機関が行った同種のプログラムを追跡し、このプログラムを受けた人々の健康状態を調査しました。

ヘイガー氏らが追跡した地域では、プログラムに参加した人々は毎月約65ドル(約9500円)分の電子カードやクーポン券を受け取っており、それらを使って食料品店や直売所で好きな農産物を選んでいました。プログラムの参加者は非参加者より多くの野菜や果物を食べており、貧困などの問題から来る「食料にありつけないかもしれない」という不安も抱きにくい傾向にありました。


ヘイガー氏らが、低所得地域の医療機関から収集したプログラム参加者3881人分の健康状態を調査したところ、全参加者の1日当たりの野菜・果物摂取量は以前と比べて増加し、糖尿病のリスクが高いとされる糖化ヘモグロビン6.5%以上の人は糖化ヘモグロビンが0.29%減少していたとのこと。さらに、高血圧の人の最大血圧は8.38mmHg、最小血圧が4.94mmHg減少しており、血圧を下げる薬によって得られる低下量の約半分の数値に達していたことが分かりました。

ヘイガー氏らは「年間30万人以上のアメリカ人が心血管疾患や糖尿病が原因で死亡しています。所得に関係なく、ほとんどのアメリカ人は健康的な食生活を送っていませんが、特に低所得のアメリカ人健康にやや悪い食品を食べる傾向があります。今回の調査により、野菜や果物の処方が健康状態の有意な改善と関連していることが分かりました」と述べました。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
発酵食品や食物繊維を多めに食べ続けるとストレスが減少するという研究結果 - GIGAZINE

科学者が「週に1回は絶対食べて」と勧める植物性食品4選、健康にいい理由や料理法も伝授 - GIGAZINE

砂糖や炭水化物を抜くダイエットで「果物」は避けるべきなのかを専門家が解説 - GIGAZINE

菜食主義者でも筋肉を付けるのに十分な栄養を摂取できるのか? - GIGAZINE

in , Posted by log1p_kr

You can read the machine translated English article Report that diabetic and obese patients ….