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藤井聡太竜王名人が永瀬拓矢王座を下してタイトルを奪取し八冠完全制覇達成


永瀬拓矢王座に藤井聡太竜王名人が挑戦する第71期王座戦五番勝負で、永瀬王座1勝、藤井竜王名人2勝で迎えた第4局が2023年10月11日(水)に京都市のウェスティン都ホテル京都で行われ、藤井竜王名人が138手で勝利しました。「王座」を手にしたことで、藤井竜王名人は将棋界の8大タイトルをすべて獲得したことになり、史上初となる八冠を達成しました。

王座戦中継サイト
http://live.shogi.or.jp/ouza/

藤井聡太八冠が誕生、史上初の独占 将棋王座戦で永瀬拓矢王座から奪取 - 日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUD062RB0W3A001C2000000/


この王座戦は、王座を4期保持している永瀬王座にとっては連続5期獲得による「名誉王座」の称号がかかる対局、名人・竜王・王位・叡王・棋王・王将・棋聖の7タイトルを持つ藤井竜王名人にとっては「八冠」達成のかかる対局となっていました。

戦型は先手有利といわれる角換わりの形になり、序盤から永瀬王座は深い研究をうかがわせるように時間をほとんど消費せずに指す一方、藤井竜王名人は序盤から長考含み。一時は持ち時間に3時間近い差がつきました。

王座戦中継Blog: 藤井竜王・名人、午前から長考
https://kifulog.shogi.or.jp/ouza/2023/10/post-76b4.html

形勢はゆるやかに永瀬王座に有利になり、途中、藤井竜王名人有利の場面もあったものの、先に持ち時間を使い切った藤井竜王名人は1分将棋の中で追い詰められる形となりました。


しかしその後、永瀬王座も持ち時間を使い切って、両者1分将棋に突入。

王座戦中継Blog: 両者秒読みに
https://kifulog.shogi.or.jp/ouza/2023/10/post-4459.html

永瀬王座勝勢となった最終盤の攻防において逆転の手があり、形勢は一気に藤井竜王名人勝勢に傾き、再逆転は難しく、永瀬王座が投了。藤井八冠の誕生となりました。

王座戦中継Blog: 藤井聡太八冠が誕生
https://kifulog.shogi.or.jp/ouza/2023/10/post-e69e.html

将棋界のタイトルが8つになったのは2015年に叡王戦が加わって以来のことで、2015年以降に全タイトルを同時保有した棋士はいないため、藤井竜王名人が史上初の八冠達成者となります。なお、羽生善治九段はまだ叡王戦のなかった1996年に七冠を達成しています。

・記者会見
22時45分ごろから、記者会見が行われました。

主催者・日本経済新聞:
まずは八冠達成の率直な感想をお聞かせください。

藤井聡太八冠:
このような結果を出せるとは自分自身も思っていなかったので、そのことをうれしく思っています。このシリーズは苦しい将棋が多かったですし、実力として足りなかった部分を感じています。地位に見合った実力をつけられるように、これから一層取り組んでいかなければいけないと思っています。

日経新聞:
八冠の達成感などはありますか?

藤井:
もちろんすごくうれしいことではあるんですが、それを目標にしていたわけではないので、今後も変わらず取り組んでいきたいと思いますし、王座戦の経験を今後の糧にできればと思っています。

日経新聞:
全冠制覇は羽生九段の七冠制覇以来。七冠達成時は「そこに並ぶことができたという意識ではない」というお話でしたが、今回、全冠制覇して羽生九段に並んだということになりましたか?

藤井:
全冠制覇はチャレンジできる機会がなかなか来ないかと思っていたので、今回達成できたことはすごくうれしいです。もちろん、全冠制覇では羽生先生の記録と並ぶことができたといえるかなと思いますが、羽生先生の場合はその後もトッププレイヤーとして活躍しておられるので、私自身も今後も活躍できるように頑張っていけたらと思います。

日経新聞:
このシリーズは長手数の将棋、逆転の将棋と熱戦が多かったと思います。内容はどうでしたか?

藤井:
どれも難しい将棋だったかなと思います。特に第3局と本局は終盤、はっきり負けの局面があったので、逆のスコアでもおかしくなかったと思いますし、その点でも幸運な結果だったかなと思っています。

日経新聞:
練習将棋などを指して引き上げてもらったという永瀬王座が相手でした。戦ってみて感じた強さなどあれば教えてください。

藤井:
どの対局でもご準備をされて臨まれているのかなと感じましたし、研究を離れた中盤以降でも的確に指されることがすごく多くて、永瀬王座の強さを感じたところはすごく多かったですし、勉強になったシリーズだったと思います。

毎日新聞:
八冠制覇により、タイトル戦に限れば予選やリーグ戦を戦うことがなくなります。その点に関して、具体的にどのような勉強方法でモチベーションを保つ予定ですか?

藤井:
今回のシリーズでいろいろ足りないところがあるなと感じたので、そこを改善して、実力を高めていくところを目指したいと思います。予選がなかったりして、時期によって対局数に偏りが出てきてしまうこともあるかと思うので、そのあたりをどう補っていくか、今後取り組んでいく上で考えたいと思います。

東京新聞:
藤井さんの強さを歴代最強と評する棋士もいると思いますが、藤井さんはそういう言葉で評されることをどう感じますか?

藤井:
時代の違う方との比較は一概にはできないですが、言ってもらえるのはうれしいことです。他の方の将棋を見ていて勉強になることも多いので、今後もそういったところからも学んでいけたらと思います。

共同通信:
八冠達成の充実感について、八冠が目標ではないとのお答えでしたが、今後棋士として目標にすること、まだ先は長いですが、棋士としてのゴールはどういったことを考えていますか?

藤井:
まずは実力をつけること、その上で面白い将棋を指すことという気持ちがあるので、そういうところを目指したいと思っています。本局でも、中盤の難しいところでバランスを保てないことがあったので、まだそういうところでうまくバランスを保てるようになれば違った将棋が指せるようになるのかなと考えています

グリーンシティケーブルテレビ:
地元・瀬戸市へのメッセージを一言いただけますか。

藤井:
地元の方には私が棋士になる前から支えていただいたり応援していただいたりして、それがずっと励みになってきたので、すごく感謝しています。瀬戸市でも私の将棋を見ていただく場所ができたり、そういうのもうれしいです。今後も地元の方を元気づけるような活躍であったり、将棋が指せたらと思っています。

毎日放送:
史上初の八冠で注目が集まっています。「面白い将棋を指したい」という言葉がありましたが、将棋の面白さはどういうところにあるのでしょうか?

(笑) それは一言では言えないかなと思うんですけれど、将棋は取った駒を持ち駒として使うことができて、それで中盤、終盤と進むうちに複雑になっていくところが面白さだと思っています。様々な局面に出会えたらいいなという感じです

NHK:
四段昇段から約7年での八冠達成。ご自身として、改めてデビューから振り返って、どう評価されていますか。また、八冠達成を誰かに伝えたりしたいかというのをうかがいたいです。

藤井:
四段になったときから振り返ってみても、あっという間だったかなと感じています特に、タイトル戦に出られるようになってからは、自分が思っている以上にいい結果を残せたのかなと感じています。報告はまだしていませんが、家族や師匠にまたあとで伝えられたらと思っています。

日刊スポーツ:
五冠達成時、富士山が見える対局場だったので、登っていくイメージを「森林限界の手前」と表現されていました。ご自身として今、森林限界は抜けましたか?

藤井:
結果という点ではそのときよりは残せているものがあるんですけれど、実力という点で見ると、当時とやはり変わらず課題が多いなと思っていますので、まだまだ頂上が見えるということはまったくないのかなと思っています。

日刊スポーツ:
まだ周りは生い茂っているような状態ですか?

藤井:
どうしたら強くなれるのかは手探りなので、試行錯誤しながら進んでいけたらと思っています

読売新聞:
今後の目標に「面白い将棋を指す」「棋力を高める」という答えをいただいていますが、連覇や永世称号など、具体的に意識されているものがあれば教えてください。

藤井:
タイトル戦が始まれば、そこで結果を残したいということはいつも思っているんですけれど、長期的に先のタイトル戦で勝ちたいとかは意識していないので、長い目で見ると「面白い将棋を指す」というのが一番の目標になるかなと思います。

ABEMA:
ABEMAが初めてお会いしたのは「炎の七番勝負」。強豪の先輩から6勝を挙げ、唯一敗れたのが当時の永瀬六段だったと記憶しています。八冠をかけた対局も永瀬王座が相手というのは運命の対局に思います。この6年、藤井八冠にとってはどのような将棋人生だったでしょうか。

藤井:
プロになった直後に企画を用意していただいて、その中で新四段ではなかなか対戦できない方との対局を組んでいただき、貴重な経験ができたと思っています。そこから、永瀬王座にVSという形で教えていただくことになり、それを通して成長できたかなと思っています。今回のシリーズで、やはり永瀬王座の強さと、自分自身に足りないところを感じたので、今後も永瀬王座をはじめ、いろいろな方の優れたところを勉強しながら、強くなっていけたらと思っています

ABEMA:
ABEMA、囲碁将棋チャンネル、日本経済新聞が中継を行っています。カメラに八冠達成の喜びをお願いします。

藤井:
まずは、対局をご覧いただきましてありがとうございました。王座戦では第3局、第4局、どちらも苦しい将棋で、まだなかなか(八冠達成の)実感がないというのが正直なところでもあります。今回の王座戦、本当に八冠に挑戦するという点で貴重な機会だったと思いますし、つかめたこともうれしく思っています。今後もしっかりと取り組んで、みなさんによい将棋をお見せできればと思っています。

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• Discord | "藤井聡太八冠はいつまでタイトルを防衛できると思う?" | GIGAZINE(ギガジン)
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in メモ, Posted by logc_nt

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