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爆風は弾丸の軌道を変えることができるのか?ハイスピードカメラで検証


発射された弾丸を刀ではじく、強力な磁場で弾丸の軌道をそらすなど、一見すると現実味のないことでももしかしたら実現できるかもしれません。さまざまな瞬間をハイスピードカメラで撮影しているYouTubeチャンネル・The Slow Mo Guysが、「C-4爆薬で弾丸の軌道をそらせるのか」という説を検証する実験を行い、その様子をスローモーション動画に収めました。

Can Explosions Deflect Bullets? 2 MILLION FPS - The Slow Mo Guys - YouTube


The Slow Mo Guysパーソナリティのギャブ氏(左)とダン氏(右)。今回は「9mm弾の軌道をC-4爆薬で変えられるのか」という実験を行います。


弾丸の出発点となるピストルがこれ。遠隔操作で発射されます。


弾丸の軌道上に、ワイヤーを付けた段ボールが設置されています。このワイヤーが弾丸により切断されることで、爆発が起きます。


最初は段ボールから1フィート(約30cm)の距離に爆薬をセットします。幾度かの施行を経て、距離や爆薬の量を調整するとのこと。


弾丸の終着点には標的をセット。弾丸がどこに当たるのか、複数撃った弾丸がどうズレていくのかを、この標的で確認します。


ギャブとダンは、現場を撮影するためのカメラを4台用意しました。これは、毎秒800フレームを撮影可能なハイスピードカメラの「FREEFLY Ember」です。実験全体を映すために使用されます。


次は毎秒数千フレームを4Kで撮影可能なハイスピードカメラ。


3番目は、毎秒約20万フレームを撮影可能な「TMX 7510」です。


最後は島津製作所のハイスピードカメラ「HPV-X2」。毎秒1000万フレームを撮影可能なカメラで、今回は500万フレームで11秒撮影する予定だとのこと。


まずは最初のショット。爆薬なしで、正しく標的にヒットするかを確認します。


この弾痕が基準点となります。


本番スタート。パンという乾いた音が鳴り響きましたが、爆発の様子はありません。


このとき、弾丸がワイヤーの間を通り抜けていたため、爆発のトリガーが起動しませんでした。


気を取り直して2発目を発射。見事に爆風が立ち上ります。


標的には少しズレて当たっているように見えますが、実際はどうだったのかをハイスピードカメラで確認します。


18万7500FPSの映像を見ると、まず弾丸が通っていくのが確認できます。


爆発は弾丸が通り抜けた後に起こっていました。爆風が弾丸の軌道に影響を与えたとは考えにくいことから、ギャブとダンは段ボールを爆薬から少し遠ざけることにします。これにより遅延が生まれ、弾丸が爆風に巻き込まれやすくなるはずです。


その後の爆破映像のワンシーン。


HPV-X2を使い、200万FPSで撮影したモノクロ映像。


最初の衝撃と後から来る衝撃の、少なくとも2段階の衝撃があることもわかります。


爆薬の量を2倍にして撮影した映像。先ほどは楕円(だえん)形だった爆風が、よりいびつな形に広がりました。


試行錯誤の結果、弾丸の真上で爆発させることに成功します。


モノクロ映像がこれ。


しかし、標的に残った弾痕はさほどズレているように感じられなかったそうです。


今回の実験では、爆風が弾痕に影響を及ぼすという事例は確認されませんでした。ギャブとダンは「興味深い実験でした。爆風をより強力にするなどして、もう一度試してみたいです」と語りました。

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in 動画, Posted by log1p_kr

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