iPhone 15シリーズのカメラは何が進化したのか?をApple幹部が解説
2023年9月22日に発売されるiPhone 15シリーズに搭載されるカメラで可能になった撮影や新機能について、Appleのカメラ・ソフトウェア・エンジニアリング担当ヴァイスプレジデントであるジョン・マコーマック氏と、iPhone製品マーケティング担当シニアディレクターであるマキシム・ヴェロン氏が、カメラや写真に詳しいニュースサイト・PetaPixelで語っています。
Apple Explains What the iPhone 15 Camera Can and Can't Do – and Why | PetaPixel
https://petapixel.com/2023/09/18/apple-explains-what-the-iphone-can-and-cant-do-and-why/
まず「iPhoneのカメラは誰向けに設計されているのか」という問いについて、マコーマック氏は「人々が自分のビジョンを追いかけることを可能にするものだと私は考えています。『子どもが初めて歩いた時に撮影できるか』というような幼い子どもを持つ親たちのビジョンから、『非常に具体的で芸術的なビジョンを持ち、可能な限り早くそこに到達したい』というプロやクリエイターまで、幅広く対応するものです」と答えています。
iPhone 15とiPhone 15 Plus・iPhone 15 Pro・iPhone 15 Pro Maxに搭載されているカメラの性能をまとめたのが以下の表。iPhone 15とiPhone 15 Plusはカメラを2基、iPhone 15 ProとiPhone 15 Pro Maxはカメラを3基搭載しており、iPhone 15 Pro MaxはiPhone 15 Proと望遠カメラの性能が異なっています。また、iPhone 15シリーズは「全モデルに48MPクアッドピクセルセンサーが搭載されている」という点が特徴で、上位モデルであるiPhone 15 Pro/Pro Maxのみならず、iPhone 15とiPhone 15 PlusでもApple ProRAW形式とHEIF Max形式で48MPでの写真記録が可能となりました。
iPhone 15・iPhone 15 Plus | iPhone 15 Pro | iPhone 15 Pro Max | |||
メイン | 48MP(メガピクセル) 焦点距離:26mm 絞り値:f/1.6 センサーシフト光学式手ぶれ補正 100% Focus Pixels | メイン | 48MP 焦点距離:24mm 絞り値:f/1.78 第2世代のセンサーシフト光学式手ぶれ補正 100% Focus Pixels | メイン | 48MP 焦点距離:24mm 絞り値:f/1.78 第2世代のセンサーシフト光学式手ぶれ補正 100% Focus Pixels |
超広角 | 12MP 焦点距離:13mm 絞り値:f/2.4、視野角120° | 超広角 | 12MP 焦点距離:13mm 絞り値f/2.2、視野角120° 100% Focus Pixels | 超広角 | 12MP 焦点距離:13mm 絞り値f/2.2、視野角120° 100% Focus Pixels |
3倍望遠 | 12MP 焦点距離:77mm 絞り値:f/2.8 光学式手ぶれ補正 | 5倍望遠 | 12MP 焦点距離:120mm 絞り値:f/2.8 3Dセンサーシフト光学式手ぶれ補正とオートフォーカス テトラプリズム |
iPhone 15 Pro/Pro Maxでは、純正のカメラアプリで画角1倍を示す「1x」ボタンをタップするだけで、焦点距離を24mm・28mm・32mmの3種類から選べるようになっているそうで、マコーマック氏は「センサーの解像度とAppleのソフトウェアの進化によって可能になりました」と述べています。
ただし、焦点距離の選択は静止画のみで利用可能で、ムービー撮影では利用できません。その理由について、マコーマック氏は「iPhoneで写真を撮影している時、カメラは常にアクティブになって周辺の情報を撮影して収集し、バックグラウンドで処理を続けています。そして、収集した情報を最終的に1枚の写真に結合しているのです。これはムービー撮影ではできないことです」と説明しました。
ヴェロン氏は「私たちはプロセスが目に見えず邪魔にならないようにバックグラウンドですべてを処理し、人々がワンタップで素晴らしい写真やムービーを撮影し、現実の一瞬を美しくキャプチャできるようにすることだけを目指しています」とコメントしています。
また、iPhone 15シリーズのカメラセンサーは画素数48MPを誇りますが、デフォルトの撮影設定は24MPに設定されているとのこと。マコーマック氏は「24MPで撮影する場合、12MPのダイナミックレンジと48MPのディテールの両方が得られます」と、そのメリットを説明しています。
そして、iPhone 15シリーズはコネクタにUSB-Cポートを採用しました。特に、iPhone 15 Pro/Pro MaxのA17 Proチップには新設計のUSBコントローラーが搭載されており、USB 3.0クラスの転送速度をサポートしています。これにより、撮影したムービーを直接外部ストレージに保存することができるようになったことが発表されました。ただし、外部ストレージに直接保存できるのは4K・60fpsで撮影されたApple ProRes形式のムービーのみ。それ以外はすべてiPhoneに保存してから別途転送する必要があります。
外部ストレージに直接保存できるムービーが4K・60fpsで撮影されたApple ProRes形式のみに制限されている理由について、マコーマック氏やヴェロン氏は「Apple ProResのワークフローのサポートに重点を置いているため」と答えています。
PetaPixelは、iPhoneに搭載されるカメラの機能が進化するにつれて、コアなユーザーがより多くの機能を純正アプリに求めるだろうと指摘しています。例えば、iPhone 15 Pro/Pro MaxではProRes LogによるLog撮影が可能になりましたが、純正アプリには露出をより詳細に設定できるような機能が設けられていません。マコーマック氏は「ハードウェアとソフトウェアを最大限に活用したいユーザーへのサービスはアプリ開発者に任せる」と述べ、純正アプリはすっきりとしたエクスペリエンスを維持したいと語りました。
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in モバイル, ハードウェア, Posted by log1i_yk
You can read the machine translated English article What has evolved in the camera of the iP….