レビュー

透明なカードで絵画を完成させるボードゲーム「キャンバス」のパターンが倍増し芸術を極めるプレイも可能になった拡張版「キャンバス:リフレクション」プレイレビュー


クラウドファンディングサイトのKickstarterで目標額1万4000ドル(約200万円)を大きく超える約71万ドル(約1億ドル)を集めて製品化された「キャンバス」は、透明のカードを重ね合わせてより素晴らしい絵画を作って競うボードゲームです。そんな「キャンバス」の拡張版である「キャンバス:リフレクション」は、「キャンバス」の簡単で深いゲーム性やアイテムの面白さはそのままに、戦略とプレイの幅が大きく上がって「遊びやすくなった上に楽しい要素も増えている」と評判だったため、基本版と拡張版を合わせてゲットして遊んでみました。

キャンバス:リフレクション 日本語版 - Engames Shop
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基本となる「キャンバス」のプレイレビューは以下から見ることができます。

キャンバスに透明なカードを重ねて誰よりも美しい絵画を完成させるゲーム「キャンバス」プレイレビュー - GIGAZINE


「キャンバス:リフレクション」のパッケージは以下のような感じ。


シュリンクを外すとパッケージにはタイトルやメーカーなどの表示が一切なく、完成された絵画のようなデザインとなっています。縦が約26センチ、横が約24センチ、厚さが約4センチあるしっかりとしたパッケージです。


基本版と並べると、絵がつながるようになっています。


パッケージの裏側には、ゲームの説明や内容物のリストがあるほか、基本版(画像左)も拡張版(画像右)も、裏側の上の方に穴が空いているのがわかります。


パッケージ裏の穴を使うと、絵画のように壁に掛けて飾っておくことも可能です。


パッケージの側面には、プレイ人数やプレイ時間が記載されています。「キャンバス:リフレクション」はソロプレイのほか5人まで一緒に遊べます。対象年齢は14歳からで、プレイ時間は約30分。


引き出しのようにスライドさせて中身を取り出します。


内容物は点数などに使う厚紙のトークン、厚い板状のプレイボード、日本語の説明書、各種カード、スリーブ、トークンやカードを保管しておくためのチャック付きポリ袋となっています。


プレイボードを開くと以下の画像のような感じ。長辺が約60センチほどと大きいため、プレイするためにはそこそこのスペースが必要です。


以下の画像の左上にあるのが基本版のプレイマット。基本版のマットは布製である一方で、拡張版のボードは丈夫そうな厚い紙製で大きさも2倍以上になっていることがわかります。


カードは、得点条件が書かれた「得点カード」が8枚と、絵の背景が描かれた「背景カード」が10枚。基本セットの「得点カード」12枚と合わせることで、よりさまざまな得点条件を試すことができるため、何度もプレイしても毎回違う楽しみ方ができます。また、背景カードは得点や勝利条件には関係ありませんが、より素晴らしい絵画を作るには背景も重要になってくるため、基本セットの20枚に新しく10枚加わることでアーティストの本能が刺激されるはず。


そして、透明のプラスチックでできた「芸術カード」が30枚。基本セットの60枚の芸術カードと合わせて90枚で遊ぶため、使えるカードが増えたのはもちろん、カードを組みあわせる幅はかなり上がっています。さらに、「キャンバス:リフレクション」で追加された芸術カード30枚は、表裏の両方を使うことができるリバーシブル仕様。例えば以下の画像では「誕生」と書かれたウサギのような絵のカードを持っています。


カードを裏返すと「空想的な」というタイトルに変わり、絵もドラゴンのような生き物に変化。加えて、得点にかかわるアイコンも裏返すことで反転するため、戦略の幅も倍増しています。


カードは基本版と拡張版のものを混ぜて使うことになりますが、拡張版のカードには以下の画像赤枠で示しているように「R」のアイコンがついているため、片付けるときには判別が簡単。


この透明な「芸術カード」を3枚集め、「背景カード」の上に重ね合わせてスリーブに入れることで、「1枚の絵」を完成させていくのが基本的な遊び方となります。得点条件カードを見ながら高得点を得ていくことはもちろん、芸術を追究して素晴らしい絵を完成させることを目的とするのもオススメ。


赤、青、緑、紫、銀の得点トークンは基本版のものを用いますが、「キャンバス:リフレクション」では新たなトークンが何種類か追加されています。まず、以下の画像の左上にある大きな金のトークンは「最優秀賞」のリボンで、ゲーム終了時に最も得点の高いプレイヤーに与えられます。小さな金のトークンは新しく追加された得点リボンで、こちらも戦略の幅を広げています。大きな虹色のリボンは「最高傑作」リボンで、ゲーム終了時に最も素晴らしい絵を完成させたプレイヤーに対して送られるため、得点よりも絵の完成度を優先させるプレイスタイルも可能。また、パレット型のトークンは基本版にも20個収録されていましたが、新しく10個のトークンが追加されています。パレットトークンの使用数が増えたという点も拡張版の重要なポイント。


プレイボードに各トークンを配置し、得点条件カードを4枚選択しました。得点カードは基本版と拡張版を合わせて20枚からランダムに選ぶこともできますが、説明書には「オススメのシナリオ」が用意されていたため、それを参考に拡張版で新しく登場した得点カードである「整列」「画法」「焦点」「濃淡」の4つを選択しました。


芸術カードを基本版の60枚と拡張版の30枚でよく混ぜ合わせます。


シャッフルしたものを、基本版についてくるデッキボックスに収納。このデッキボックスには全90枚のカードは入らないため、30枚ほどはこのゲームでは使わないカードとしてよけておきます。


デッキボックスの上から1枚ずつカードを出して、プレイボードに並べていきます。拡張版でボードに出る芸術カードは8枚。基本版は5枚だったので、プレイヤーがとれる選択肢が増えているのも特徴です。


上下4枚ずつ、合計8枚の芸術カードを並べたらボードの準備は完了。各プレイヤーに、スリーブに入った背景カード3枚と、パレットトークンを6個ずつ配布したら、ゲームスタート。


ゲームの準備を終えた全体像は以下の画像のような感じ。


プレイヤーは自分のターンに「場の芸術カードを手札に取得」もしくは「手札の芸術カード3枚を組み合わせて絵を完成させる」のどちらか1つを行います。まずは芸術カードを集めていく必要がありますが、無料で芸術カードを得られるのはデッキボックスから一番遠いカード2枚だけ。例えば、以下の画像ではプレイヤーがデッキボックスから見て2番目にあるカードを選択しました。


この場合、選んだカードよりデッキボックスから遠い位置にある芸術カード全て(4枚)にパレットトークンを置く必要があります。この時、上下両方の段にある芸術カードにパレットトークンを置いていく必要があるため、基本版よりもパレットトークンの消費量が多く、「パレットトークンが足りなくて、ほしいカードが手に入らない」というケースも増えているように感じました。


カードが1枚場から取られたら、取られたカードと同じ段の芸術カードすべてをデッキボックスから離すようにスライドさせ、デッキボックスから新たなカードを1枚追加。


芸術カードを取得するときに上にパレットトークンが載っていたら、パレットトークンも一緒に手持ちに加えることができます。このように、パレットトークンをやりくりしながらほしい芸術カードを集めていきます。


手札に芸術カードが3枚以上集まったら、自分のターンに「絵を完成」させることができます。3枚の芸術カードを、背景カードが入ったスリーブに重ね合わせて入れることで、1枚の絵になります。さらに各芸術カードには「古代の」「天の」といった修飾語ないしは「務め」「革命」などの名詞が記載されており、重ね合わせることで「古代の務め」といったような1つのタイトルが完成します。絵を完成させたプレイヤーは、場に出すときに「古代の務め」とタイトルを宣言します。


この時、タイトルの下にあるアイコンが「評価の要素」として、評価カードを参考に「得点リボン」を獲得できます。例えば以下の絵では、「モノクロの丸2個と虹色の丸1個」という評価条件を満たしていたため、その評価条件が該当する「紫色のリボン」をゲットできました。


完成された絵は獲得したリボンと共に手元にキープ。最後の得点計算に使います。これを繰り返して、全員が3枚の絵を完成させたらゲームは終了。


得点カードは最大4種類あるため、1枚の絵で複数の色のリボンをゲットできます。また、芸術カードには特別な「銀のリボン」の条件もあるため、条件を満たしていたらさらなる得点も可能。


さらに、「キャンバス:リフレクション」から「金のリボン」も新たに登場。得点条件カードをうまく満たすことができなくても、手元の芸術カードだけで金のリボンを集めていくという作戦も可能になったため、戦術の幅がより広くなっています。


芸術カードは1ターンに1枚ずつ取得していき、3枚そろったらいつでも絵を完成させることができます。ただし、手元に持っておける芸術カードは5枚までのため、5枚そろった次のターンは必ず絵を完成させる必要があります。そのため、場に出ている芸術カードを確認しながらいつ絵を完成させるのかという戦略も重要。


「キャンバス:リフレクション」で追加された重要な新要素として、芸術カードにリバーシブルのものが追加されています。例えば、以下のプレイヤーは、左端に「2個の虹色の丸」、右端に「斜線の四角」という評価要素を持った「静かな」というタイトルのカードを手にしています。評価要素をよく見ると、くるりとひっくり返す矢印があります。


そこでひっくり返してみると、左端に「斜線の四角」、右端に「2個の虹色の丸」を持った「休息」というカードに変化しました。カードを重ね合わせる関係上、評価要素がどこに配置されているかは重要なポイントになるため、反転可能なカードはかなり便利。単純に組み合わせる選択肢が増えたこともあり、ここも戦略の幅が大きく広がった点です。


全員が3枚の絵を完成させたら、手元のリボンを集計して得点を合計します。「何色のリボンを何個持っていたら何点」という情報は、得点カードに記載されているポイントを参照。例えば以下のプレイヤーは、赤いリボン1個で2点、緑のリボン2個で6点、紫のリボン2個で9点、銀のリボンは無条件で1個2点、金のリボンは1個3点なので、合計22点という結果になりました。得点条件カードの参考にした「シナリオ」によると「目標特典は32点」となっていたので、かなり物足りない結果に。


最高得点は、38点を獲得したプレイヤーになりました。最も得点が高かったプレイヤーには最優秀賞となる大きい金のリボンを贈呈。


そして最後に、各プレイヤーは自分が完成させた絵のうち、最も「芸術的に優れた作品」を選んで場に出します。今回提出されたのは「禁じられた視点」「天の自然」「古代の務め」「幼い放出」の4枚。プレイヤー全員で話し合って、「最高傑作賞」を決めます。


「映画のストーリーのような背景を感じる」という評価が集まり、このゲームの最高傑作賞は「古代の務め」となりました。最高傑作を作成したプレイヤーには虹色のリボンが贈呈されます。


「キャンバス:リフレクション」は、「キャンバス」のとても手軽なプレイ感と透明のカードを合わせて絵を作るという独創的な面白さは一切損なわれることなく、場に出る芸術カードが5枚から8枚に増えていたり、カードに表裏があって応用が利くようになったり、新しい評価カードや金のリボンでさらなる得点の仕方が増えたりと、プレイの幅が大きく変わった拡張版となっていました。「キャンバス」のプレイ経験がある編集部員からは、「もともとかなり面白かったゲームながら、プレイしていて少し単調さや物足りなさを感じていたような部分が、的確に解消されており、無限に遊べるゲームに進化した」という意見も出ました。

さらに、「キャンバス」をプレイした際に「得点は取れなかったけど完成度の高い絵ができた」と盛り上がったこともあり、それが「最高傑作賞」としてゲームに組み込まれたことで、「絵を完成させる」という部分がより面白くなったように感じました。


「キャンバス:リフレクション」の日本語版はEngames Shopのほか、Amazonでも購入できます。

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また、「キャンバス:リフレクション」は以下のプレゼント記事でも「キャンバス」とセットでゲットすることができます。プレゼントの応募締め切りは8月6日(日)23時59分となっています。

GIGAZINE夏のプレゼント大放出企画「アンケートに答えて全部持っていってください!」 - GIGAZINE

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in レビュー,   ゲーム, Posted by log1e_dh

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