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ロシアからゲーム会社が撤退したことで海賊版ゲームのプレイヤー人口が7割まで増加、利益喪失は420億円にのぼるという研究結果


ロシアによるウクライナ侵攻と欧米企業のウクライナからの撤退が、ビデオゲーム市場に大きな影響を与えていると、Torrentfreakが報告しています。ロシアのゲームユーザーを対象に2022年に実施されたアンケートでは、51%が「これまでよりも多くの海賊版を購入した」と回答しており、10人中7人が「少なくとも1本の海賊版を購入していた」と回答しました。ある試算では、アメリカ・ヨーロッパのパブリッシャーの逸失利益は3億ドル(約420億円)に相当する可能性が指摘されています。

70% of Russian Gamers Are Pirates Following Western Publisher Exodus * TorrentFreak
https://torrentfreak.com/70-of-russian-gamers-are-pirates-following-western-publisher-exodus-230720/


過去20年間、オンライン違法コピー率の上昇・下降には多くの出来事が寄与してきましたが、ロシアのウクライナ侵攻の影響はその中でも最たるものだといえます。エンターテインメントを含めた欧米企業がロシアから完全に撤退したことは、ロシア国内におけるコンテンツの入手可能性に大きな影響を与えました。映画や音楽、ゲームなど、エンターテインメント向けコンテンツは、2022年以前のものにはアクセスできても、それよりも新しいものにはアクセスし辛いそうです。

オンライン開発プラットフォーム「スクールXYZ」が実施した調査によると、国際大手ゲームパブリッシャーがロシア市場から撤退したことで、ロシアでは海賊版ゲームをプレイするゲーマーが急増。10人のうちほぼ7人(69%)が2022年に少なくとも1本の海賊版ゲームをプレイしたことがあると回答。さらに半数以上の51%が2021年よりも海賊版をプレイするようになったと答えました。


回答者の4分の1以上である27%が、2022年に3本の海賊版PCゲームを入手したと答え、20%が10本以上の海賊版に手を出したと告白。「海賊版に反対していて2022年にはゲームを一切買わなかった」というゲーマーは全体の7%にとどまり、逆に言うと94%のゲーマーが少なくとも1本は海賊版に手を出していたことになります。

ロシアのゲーム雑誌およびゲームメディアIgromaniaの元編集者であるアレクサンザー・クズメンコ氏は「ゲーマーに海賊版をプレイさせているのは、ソニーやMicrosoft、任天堂などのパブリッシャーの撤退だけが原因ではありません。SteamやGOGといったアクセスのしやすいゲーム配信プラットフォームがロシアの銀行やクレジットカードに対応しなくなったことで、これまで摩擦のなかったシステムに障壁が現れたのです」と述べています。

WatStudioのイェーゴル・トムスキーCEOは「プレイヤーはSteamでワンクリックでゲームを買う事になれていますが、今ではほぼ同じ動作でゲームの海賊版をダウンロードするようになってしまいました」とコメントしました。

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in ゲーム, Posted by log1i_yk

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