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5人をのせてタイタニック号へ向かった観光用潜水艇が行方不明に


1912年に氷山に衝突して沈没した豪華客船「タイタニック号」の沈没地点を観光するツアーに向かっていた潜水艇「タイタン」が2023年6月19日に消息を絶ったため、アメリカ沿岸警備隊などが捜索を開始しました。タイタンには5人が乗船していることが伝えられています。

Mini-sub vanishes near Titanic wreck in Atlantic with people aboard - The Washington Post
https://www.washingtonpost.com/world/2023/06/19/titanic-submersible-tourists-missing-atlantic-ocean/

Submarine on expedition to Titanic wreck missing with 5 aboard; "search and rescue operation" underway - CBS News
https://www.cbsnews.com/news/titanic-submarine-missing-rescue-mission-underway-newfoundland-canada/

沿岸警備隊によると、タイタンをのせて潜水地点まで運んだ船「ポーラー・プリンス」の乗組員が、タイタンの潜水開始から約1時間45分後に連絡が途絶えたと報告したとのこと。

報告を受けて、沿岸警備隊の航空機・C-130や、水中ソナー機能を搭載したカナダの航空機・P-8が投入されて行方不明の潜水艇の捜索が開始されました。記者会見を行った沿岸警備隊のジョン・モーガー少将によると、ポーラー・プリンスには船を操縦する司令官1人と、民間人4人が乗船しているとのこと。船内には70時間から96時間分の酸素が用意されているとのことで、モーガー少佐は「時間のすべてを最大限に活用して船舶の位置を特定しています」と述べました。


観光を手配したOceanGate Expeditionsは沈没したタイタニック号を観察するための潜水艇ツアーを2021年に始めました。2022年に行われたインタビューで、OceanGate Expeditionsのストックトン・ラッシュCEOはツアーの目玉について「サンゴ礁の発達、船の金属の腐敗、海流の変化など、沈没船の周囲の変化を分析する機会を研究者に提供すること」と発言。別のインタビューでは「顧客には潜水艇で旅をするタイタニック愛好家もいます。潜水ツアーには1人当たり25万ドル(約3500万円)がかかりますが、顧客の中には30年間貯金する人もいれば、費用のことを考えないほど金持ちの人もいます」と述べていました。

ワシントン・ポストなどの調べにより、今回のツアーにはイギリス人実業家のハミッシュ・ハーディング氏が乗船していることが分かっています。ハーディング氏は事故の前日に「タイタニック号へ向かう潜水艇の一員として参加することをようやく発表できます。明日の朝4時ごろから潜水作業を開始する予定です。それまでは、いろいろな準備やブリーフィングがあります。潜水艇のチームには、1980年代からタイタニック号に30回以上潜っているP. H. Nargeolet氏を含む、伝説的な探検家が何人かいます」との投稿をInstagramで共有していました。これに関しては、ハーディング氏が会長を務めるAction Aviationがハーディング氏の乗船を確認したことが伝えられています。

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なお、OceanGate Expeditionsの潜水艇に乗ってタイタニック号を観光したことがあるというCBSの記者、デビッド・ポーグ氏は「2022年に自分が乗った潜水艇も、数時間行方不明になっていました」とTwitterで語っています。

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in 乗り物, Posted by log1p_kr

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