生き物

巨大ザメ・メガロドンが現代に生き残っているというウワサを専門家が完全否定


2300万年前から360万年前にかけて生息していたサメの一種・メガロドンは、体長が最大で20m超という巨大ザメです。YouTubeやTikTokでは、メガロドンが人類未到の地でひそかに生き残っているというウワサが出ることがありますが、メガロドン研究の専門家は「ありえない」と一蹴しています。

Could the megalodon still exist today? | Live Science
https://www.livescience.com/animals/extinct-species/could-the-megalodon-still-exist-today


メガロドンは「現代のサメを上回る巨大ザメ」として魅力的な存在で、フィクション作品にたびたび登場。数々のサメ映画のほか、映画「MEG ザ・モンスター」ではジェイソン・ステイサム演じるレスキューダイバーとメガロドンの戦いが主軸で描かれます。

そして、YouTubeやTikTokでは、メガロドンが現代に生き残っていると主張する人がいます。

12 Reasons the Megalodon Shark May Still Exist - YouTube


しかし、メガロドン研究に携わるイギリス・スワンシー大学のジャック・クーパー氏は、科学ニュースサイト・Live Scienceの取材に対して「メガロドンは間違いなく絶滅しています。どこかで生き残っている可能性があるというのは、証拠のないナンセンスな主張です」と、ウワサを一刀両断にしています。


クーパー氏は、メガロドンは海の食物連鎖において頂点に君臨する最大の捕食者であり、存在が海洋生態系に影響を与えるものだったと指摘しています。

メガロドンはクジラなどを捕食していたことがわかっていて、もしメガロドンが絶滅していなければ、体長30mに近いシロナガスクジラのような巨大クジラが出てくることはなかったと考えられるとのこと。つまり、シロナガスクジラのような巨大な海洋哺乳類の存在こそが「メガロドンは絶滅している」ことの裏付けだというわけです。


マリアナ海溝のような深海にひそんで生き残っているというウワサについても、クーパー氏は、マリアナ海溝で見つかる深海ザメはかなり小型であり、メガロドンのような巨大ザメは見つかっていないと否定。深海ザメに限らず、その他の生命体も小型のものが多いことから、仮にメガロドンが1匹しかいなくても十分なエサを確保することは難しいと述べました。

また、クーパー氏は海洋環境の点からもメガロドンの生存を否定しました。メガロドンが絶滅した主要な理由について気候変動説に同意しているクーパー氏は、メガロドンが絶滅したと考えられる鮮新世は世界的に海面低下があって、メガロドンが生きていくための領域が減少すると同時に、必要な量のエサの入手も難しくなったと指摘しています。現代の海面は鮮新世よりも低いままなので、メガロドンにとっては理想的な環境とはほど遠いものだそうです。

さらにクーパー氏は、現代の巨大ザメが密漁によって危機に直面していることから、仮にメガロドンが生存していれば同様の問題に見舞われているはずだと述べました。

なお、メガロドンが生き残っていたという設定の映画「MEG ザ・モンスター」の続編「MEG ザ・モンスターズ2」が2023年8月25日(金)公開予定です。前作に続いて、ジェイソン・ステイサム演じるレスキューダイバーのジョナス・テイラーが海の怪物・メガロドンと相対することになります。

映画「MEG ザ・モンスターズ2」予告編 ジェイソン・ステイサムVS超巨大ザメ・メガロドン再び - YouTube


巨大ザメが襲いかかってくる恐怖感がたっぷりと描写されています。

映画「MEG ザ・モンスターズ2」30秒予告・深海から会いに来る編 - YouTube

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in 生き物,   動画, Posted by logc_nt

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