女性ゲーマーの10人に1人がオンラインプレイ中に受けたイジメを機に自殺を考えたことがある
Sky Broadbandが4000人の女性ゲーマーを対象とした調査を実施したところ、女性ゲーマーがオンラインゲームをプレイあるいはゲームを配信している際に、虐待やハラスメントなどのさまざまなヘイトに直面していることが明らかになりました。
One in 10 female gamers feel suicidal over abuse they face while playing online, survey reveals | UK News | Sky News
https://news.sky.com/story/one-in-10-female-gamers-feel-suicidal-over-abuse-they-face-while-playing-online-survey-reveals-12890104
One in 10 female gamers feel suicidal about the abuse they receive playing online | Eurogamer.net
https://www.eurogamer.net/one-in-10-female-gamers-feel-suicidal-about-the-abuse-they-receive-playing-online
Sky Broadbandが4000人の女性ゲーマーを対象に実施した調査によると、49%の女性が「オンラインゲームのプレイ中」あるいは「ゲーム配信中」に虐待やハラスメントに直面したことがあると回答しました。また、回答者の年齢層を18~24歳という若い層に狭めると、虐待やハラスメントにあったことがあると回答する人の割合は75%まで上昇するそうです。
全体の25%がオンラインゲーム上でのハラスメントに対して「憂うつに感じている」と回答、40%が「オンラインゲームで受けた虐待により個人的に脅威を感じたことがある」と回答、さらに27%は「オンラインゲーム上で脅迫を受けて実生活での危害を心配したことがある」と回答しています。
調査に参加した女性ゲーマーのひとりであるレナータ・ミランダ・アンテーロさんは、イギリスを拠点に活動するプロeスポーツチームのGuild Esportsでコンテンツプロダクションアシスタントを務める人物。
アンテーロさんはSky Newsのインタビューで、ゲーム界隈には有害な文化が容赦なく残り続けていると指摘しており、「最も迷惑なことのひとつは、どこに住んでいるのか、どこの出身なのか、Instagramのアカウントはどれか、何歳なのか、一緒に遊びに行かないかなどと聞かれることです」と語りました。
同氏は「『あなたのInstagramのアカウントを教えてください』の繰り返しになるので、時々何も言い返したくなくなることがあり、実際何も言わなくなります。すると、彼らは決まって『あぁ、ミュートにするのね、何も言わずに』といった反応を返してきます。さらに、ここから思ったような反応を得られなかったとして、こちらを罵り始める人もいます」と語り、オンラインゲームをプレイしている最中に出会う迷惑な男性プレイヤーの典型的な例を明かしています。
グラフィックデザイナーの傍らTwitchで配信者としても活動しているというステフィー・エヴァンスさんは、TikTok上でオンラインゲームにはびこる女性蔑視に関する動画を投稿しているという人物で、同氏もSky Broadbandの調査に参加したひとりです。
エヴァンスさんは「私がやっているのは、女性蔑視問題に光を当て、女性たちがゲームをプレイし続け、マイクをオンにし続け、さらには男性に言い返すことができるように自信を深める手助けをすることです」と語り、自身のインターネット上での活動はオンラインゲーム上での女性蔑視をなくすためであると主張しています。
「私が有害な男性ゲーマーを永久追放したり、現実世界に影響をおよぼしたりするよりも、もっと大きな規模で男性による女性蔑視に対処できればと思います」「しかし、実際のところ私ひとりにできることは限られています。私にできることと言えば、ゲーム中に起こっていることを明らかにし、他の女性に対して『自信をもって声を上げよう』と奨励することくらいです」とも語りました。
サッカーの元イングランド代表として有名なデヴィッド・ベッカム氏が共同オーナーを務めるGuild Esportsは、オンラインゲームで活躍する女性を支援するためのキャンペーンを行っています。
Guild EsportsのCEOを務めるJasmine Skee氏は、「オンラインゲーム上で行われるような女性蔑視がサッカースタジアムで起こっていたなら、文字通り笛を吹いてその男性を退場させたいと考える審判も出てくるでしょう」「我々はこのような問題が起こり続け、女性たちがこのような経験を受け続けることを放置し続けることはできません。女性のメンタルヘルスに気を配り、女性が好きなゲームで自由に遊べるようにするために、オンラインゲームにおける女性蔑視をなくすための活動は必要なものです」とも語りました。
なお、Sky Newsは「ゲーム業界は2026年までに2790億ポンド(約48兆円)を超えると予想されるビッグビジネスです。ゲーム業界は成長を続けていますが、その進歩ははるかに遅いようで、男性世界でなくなるにはまだ真の変化を必要としているようです」と指摘しています。
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